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真夜中の青春
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『真夜中の青春』に投稿された感想・評価

4.2
裕福な白人青年エルガー(ボー・ブリッジス)は、ブルックリンの黒人居住区にアパートを購入し、住人に立ち退きを迫る。しかし交流を重ねるうちに価値観が揺らぎ、黒人女性ファニーとの関係を通じて社会の現実と向き合うことに。人種問題を風刺しつつ、主人公の成長を描いたハル・アシュビーの長編監督デビュー作。

邦題は原題「The Landlord(家主)」とかけ離れている。少し前にヒットしたダスティン・ホフマンとジョン・ヴォイト主演の「真夜中のカーボーイ」の影響を受けたらしいが、それにしても違和感がある。アラン・ドロン主演の「太陽はひとりぼっち」や「太陽は知っている」。さらには大映の「赤い」シリーズのように、商業的な狙いが露骨すぎると感じた。個人的には『真夜中の大家』としたいところだが、それも微妙かもしれない。

初監督作にしては、予想を裏切る面白い作品だった。もともと編集の仕事をしていたこともあり、その経験が本作に活かされている。音楽(ソウル)と映像のマッチングが巧みであった。また冒頭のプライベートな結婚式のシーンを大胆に挿入する構成や、カットのつなぎ方に独特の工夫が凝らされている。

デヴィッド・フィンチャーの「ファイト・クラブ」で、主人公が手の甲を火傷した際に即座に南極のペンギンを回想するカットは、本作の影響を受けたのかもしれない。フィンチャーはアシュビーの「チャンス」をオールタイムベストに挙げているようだが、本作にも影響を受けている可能性がある。また看護婦が「カツン、カツン」と歩くショットには、今村昌平の「人類学入門」(1966)を彷彿させる。

物語は当初、コメディタッチで緩やかに進行するが、後半に入ると急にシリアスな展開へと急激にシフトする。前半の流れからある程度の予兆は感じられるものの、転調がやや唐突な印象も否めない。しかしアメリカが抱える人種問題をさらに深く切り込むドラマの構成としては、非常によく練られている。

これはあくまで憶測に過ぎないが、冒頭で流れる「Brand New Day」は、白人ミュージシャンのアル・クーパーが黒人のソウルバンド(The Staple Singers)に提供した楽曲であり、人種を超えたコラボレーションとも取れる。しかし、それ以降は単独で曲を使用し始める点が興味深い。本編の肝となる気まぐれに一夜の関係と妊娠した子供の出産、里親を望むファニーとの隔たり、そしてラストでエルガーが子どもを育てる決意をする場面では、ソウルミュージックの歌詞と映像があざといぐらいシンクロしており、編集の巧みさが際立っている。アメリカン・ニューシネマの隠れた名作と言えるのではないだろうか。

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The Staple Singers
God bless the children

God bless the children
神よ 子供たちを守りたまえ

God bless the children
この手の中から 離さぬように

So many times I’ve heard this phrase
幾度となく聞いた言葉

That trouble it won’t last always
苦しみは続かないと

I’m not saying this phrase is wrong
その言葉が間違いだとは思わない

But I’m wondering why it has to last so long
ただ なぜこんなにも長く続くのか

I see a newborn baby
産まれたばかりの赤ん坊が

In a proud mother’s arms
誇らしげな母の腕の中にいる

Then to think of all the countries that now have them
けれど 戦火に奪われる命を思うと

Lord lord lord lord lord
神様 どうか

God bless the children
どうか 子供たちを

God bless the children
明日へ導いて


〈ハル・アシュビー特集〉[Stranger 17:40〜]
菩薩
-
話はよく分かんないし編集のリズムがもはや吉田達也だしでなんじゃこれと思ってたらなんかいい感じで終わった。リベラルでブルジョワでど白人で、そんな特権性に満ち溢れた存在の全てを引っ剥がしてやろうなんて意気込みを感じる様な気もするが、もっとアシュビーらしくあっけらかんと難題である人種と言うものにそんなの関係ねぇ!を喰らわしていく。とは言えそんな態度を取っていられるのも特権性に満ち溢れている側だからであって、いくら私達は美しいと誇ってみても生まれ落ちた子は白人として育てられる事を懇願される。発狂した黒人の斧はすんでのところで止まり、クソはクソなりに新たな人生を生き直す。いくら偏見に塗れていようと酒が入れば誰よりもそのコミュニティに溶け込んでしまうオカン、裸のハムは鞄に入れない方がいい。
3.5
画面の後景(テレビや写真)から自己主張してくる政治性や社会派脚本の直截さを、ズタズタに寸断する編集とカリカチュアの諧謔で撹乱する感じが楽しい。これが機能しなくなる=主人公の楽観が打ちのめされるのはニューシネマらしい強烈な現実認知だが、真摯すぎていささか平板な気も。スティーヴィー・ワンダーの『心の詩』のアートワークみたいな陰影のつけ方には痺れる。サントラもファンキーでソウルフルで最高だけど、当初予定していたらしいニール・ヤングのほうが異物感が生まれておもしろそう。

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