最後の法廷での長尺な熱弁が凄い。
でもこのおじさん、言ってることメチャクチャだし酒癖悪いし、とんでもないクソ親父だから同情する気にもなんないのよ。
かといって女の方も糞ビッチで。
なんであんなにまでして結婚したがったんだろ？
その辺の価値観が令和の日本人には全然分からん。

エドGの力量を見ることのできる作品。
悪女に振り回される根は優しい男を演じさせたら右に出るものはいないか😭。哀愁😢。

エドG演じる男。
「そんなのまかりとおるわけないやん」と思うも、主張していることはなんかわかるんだよなあ😅。

全体的に労働階級の人間の厳しい現実みたいものも感じる。
誰にも（裁判長にも）人生の正しいジャッジメントをできないことを痛烈に訴えているかのよう。


本作、エドG主演で手に取るが、助演にご贔屓プレストンフォスターもいてテンション上がる。
工夫を凝らしたカメラワークもあり、なかなか面白かった😊。

「二秒間（原題：Two Seconds）」（1932年）は、エドワード・G・ロビンソン主演のドラマ。主人公ジョンは高層ビルの鉄骨作業員で、高給取りであり、親友バドと同居している。ある晩、ダンスホールで踊り子シャーリーと出会い、彼女に惹かれるが、バドの忠告を無視して関係を深め、そこから運命が狂い始める。物語は、死刑執行直前のわずか二秒間にジョンが人生を回想する構成で進行する。

社会背景や人間心理を描いた作品で、ロビンソンの演技と緊迫感ある演出が光る。フィルム・ノワールの先駆とされる作品である。

上映時間は正味70分ほどだが、構成は巧みにまとめられている。前半の堅物で女っ気のないジョン（エドワード・G・ロビンソン）が、同居中の親友バド（プレストン・フォスター）の女性トラブルから巻き込まれる話かと思いきや、実際はジョン自身が女性にのめり込み、バドが親友として全力で守ろうとする意外な展開から亀裂と葛藤が生まれ、人生の不条理を描いている。

気心知れた間柄とはいえ、敢えて職場の高層ビルの上で口論をして、その後の顛末には些か無理があるように思えるが、これは対人関係の距離感、バランスの脆弱性による象徴であれば合点がいく舞台設定でもある。

プレコード（※）時代の映画という意識はなかったが、当時を想像すれば、女性の奔放さや男の刹那的破滅など、センセーショナルな要素を含んでいる。世代的な温度差は少なからずあるものの、法廷でのジョンの希死念慮の屈折した訴えは不気味で、「罪と罰」とはどこか異なる、現在でも問題となる凶悪犯罪を犯して、極刑を望む「死刑志望型犯罪」を想起させる陰鬱な迫力がある。

近頃、時間があればフィルム・ノワールを意識して鑑賞しているが、エドワード・G・ロビンソン主演作に当たることが多い。生粋の悪党から梲（うだつ）が上がらないダメ男まで幅広い役柄を演じる演技力には、毎度の事ではあるが感服する。個人的には、その雰囲気が名優・片岡千恵蔵を思い起こさせる。

※プレコード映画（Pre-Code Hollywood）は、1930年制定の映画倫理規定「ヘイズ・コード」が厳格施行される前の1929〜1934年に制作されたハリウッド映画を指す。この時期の作品は、性的描写、暴力、社会問題など挑戦的テーマを自由に扱っていた。