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花を摘む少女と虫を殺す少女
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『花を摘む少女と虫を殺す少女』に投稿された感想・評価

ロンドンの街並みと4時間の長尺に刻まれた、女優・川越美和の忘れ得ぬ輝き

女性の心の機微を描くことに長けた矢崎仁司監督が、『風たちの午後』(1980)、『三月のライオン』(1992)に次ぎ、バレエ『ジゼル』をモチーフに2組のカップルの姿を感性豊かに、そして革新的な実験性をもって描いた、2000年制作の劇場3作目です。

2026年9月現在、パッケージは未発売で配信もされていない幻の作品ですが、新文芸坐での特集上映「矢崎仁司 愛と死の刹那-泡沫の幻想」(2026年9月13日~20日)にて、26年の時を経て悲願の初鑑賞を果たしました。

主演は川越美和さんです。
1988年にデビューし、世の中がバブルで熱狂している最中、派手さよりも上品で清楚、そして素朴な親しみやすさで歌手としては「日本レコード大賞新人賞」を受賞。テレビドラマでも『時間ですよ・平成元年』『スクールウォーズ2』『HOTEL2』などでお茶の間の人気を獲得し、容姿の美しさも相まって「ポスト後藤久美子」と呼び声の高い方でした。
私も人生で唯一ファンクラブに入会し、レコード発売記念サイン会にも参加するなど、今でいう<推し活>をした思い出深い方です。

映画の世界でも、『カレンダー if just now』(1991)を皮切りに着々とキャリアを形成され、本作公開後の高橋伴明監督『光の雨』(2001)や『松ヶ根乱射事件』(2007)で女優としてさらに注目された矢先、新作の発表も途絶えて引退され、どこかで幸せに暮らしておられるものとばかりずっと思っておりました。
しかし、2017年に週刊誌にて、すでに報道の10年前(2008年)に心不全で逝去されていた(孤独死だった)というニュースを知り、その内容はあまりに衝撃的で、今でもにわかに信じられません。
本作は、女優・川越美和を語る上で決して欠かすことのできない主演作品です。

上映時間は約4時間(236分)という大長編です。
インターミッション(休憩)なしで、これだけの長編を劇場で観たのは初めてでした。

作品の内容としては、2組の男女が抱える心の葛藤や成長を描く王道のストーリーですが、本来は100分程度に収まるプロットのところ、オールロンドンで撮影されたロンドン特有の伝統と近代性が共存する景観や、霧や曇天のぐずついた空が、主人公たちの心象風景として丹念に描かれています。

撮影にはビデオカメラが使用されています。
コスト面などを考慮すると、本作のような超長尺作品には適していた手法ですが、半世紀近く前のカメラのため解像度が不足しており、大きなスクリーンに投影するとクリアではなく画質が粗く、ボヤけたりモザイク状になったりした点が少し残念でした。
今後、リマスターされることでどこまでクリアになるのか期待したいところです。

また、映像と同時に音声もその場で録音(同録)したため、飛行機内や繁華街などの騒音がある場所では綺麗に収音できず、画面にガンマイクが意図的にフレームインしたり、最終的には演者自らマイクを持ってインタビュー形式のようにカメラに語り掛けたりするスタイルが採られており、実に自由度が高く前衛的でした。

そのような挑戦的な作品の中で、川越美和さんはまさに女優魂を示すかのように、いつも通りしなやかでありながら、時に体当たりな演技を披露してくださいました。本作で本格的に女優として開眼されたのだと感じられ、4時間の長尺も彼女のファンだった当時を思い出しながら、不思議な空気感に包まれて過ごすことができました。

もし今もご存命であれば、彼女が醸し出す楚々として涼やかな佇まいは、唯一無二の女優としてのスタイルを確立し、さらに多くの作品で活躍されていたことだろうと思うと、重ね重ね残念でなりません。

心よりご冥福をお祈りしつつ、このような素晴らしい上映の機会を与えてくださった新文芸坐さんに深く感謝いたします。
いつの日か、パッケージ化や配信が実現することを強く希望しております。
qqqq
2.5
3時間56分???内容的には60分もいらないような気が…なんでこの尺になったのか、謎な怪作。
優れた映画の多くは、ストーリーの行間と言うか余白がしっかりと描かれているものだが、この作品は余白がメインになってるかのようだ。監督の狙いはそこなのかもしれんが、なんか微妙。
登場人物がインタビューされる形式で自分の胸中を語るのだが、舞台演出家の独白はまるっと変態で、日本人のモテ男の独白はどうでも良いくらい軽く、日本人のアクトレスの独白はメンヘラにしか思えず、清々しいほど全く刺さらない。画的には様々な絵画を引用した印象的なカットも幾つかあるのだが無駄にインパクトのある「飲尿健康法」が一番に浮かぶのは、いいのやらわるいのやら…
それはそれとして、この作品、川越美和さんが出演されていて、良くない事なのだが、川越さんの演じているキャラクターに、映画がドキュメンタリータッチであるのも影響してる為か、どうしても作品の8年後の衝撃的な彼女の晩年を重ねてしまい、変な生々しさを感じてしまった。
suuuu
3.5
昔、社会人一年目のとき高級住宅街の一室で魚喃キリコのトーク付きで見た記憶がある。そこで会った人と一瞬付き合ったのを思い出した。

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