【第10回アカデミー賞　作品賞他全4部門ノミネート】
『ローマの休日』ウィリアム・ワイラー監督がシドニー・キングスレーの戯曲を映画化した作品。アカデミー賞では作品賞など全4部門にノミネートされた。

流石ウィリアム・ワイラー。なめらかなカメラ移動、過不足ない流麗な演出によって物語を見事に語っている。

アメリカの貧民街で起こる悲喜こもごもを語った群像劇的な作品。ハンフリー・ボガートをはじめとするキャストも良く、ストリート・チルドレンやギャングといった貧民街の問題を鋭く描いている。

ドリナを演じたシルヴィア・シドニーではなく一瞬しか出てこないフランシー役クレア・トレヴァーが助演女優賞にノミネートされているのはよく分からない。

大学を出てもペンキ塗りの仕事にしかありつけないデーブ、殺人を犯し顔を整形したマーティンが対比になっており、それでいて通じるところもあるという描き方が上手い。

滞りなく流れるストーリーテリングの上手さは特筆すべきだろう。ワイラーは何を撮っても実に見事に仕上げる。流石巨匠というところだ。

貧しい中にも光をみつけるような終わり方も非常に上手い。戯曲原作だとセリフに頼った演出が散見されるものだが本作ではそんなこともない。隠れた名作と言えるだろう。

• #第10回アカデミー賞

川

ニューヨークにたむろしている不良少年たち
そして、ギャングの男２人組

彼らの生活とある事件を描いたクライムドラマ

少年たちの会話、大人の恋
見応えある人間ドラマでした

生活環境って大事
子どもたちの将来が心配

ハンフリー・ボガートの顔良かった
セットの感じ好き

袋小路に追い詰められた腐った川の水のような、浄化されることのない貧困の人たちの哀愁。

子供たちは無邪気にもそれに気づかず生き、悟った大人たちは諦めの境地にいる。

残酷な物語の舞台は、高級マンションが進出し始めた貧困層の暮らす川沿いの街。貧富の差に妬みを感じずにはいられない貧困層の人々。歪みは生まれる。

方法はなんであれ、一度貧困から抜け出したかに思えた男により手にした大金。
これにより救われたのか？
どことなくそこにも残酷性を感じずにはいられなかった。

なかなか複雑で考えさせられる作品だった。