デデという娼婦の作品情報・感想・評価

「デデという娼婦」に投稿された感想・評価

POVからのジャンプカットとか普通に今のフランス映画よりも鮮烈。
イヴ・アレグレの傑作として強く記憶に残っているのが本作。
シモーヌ・シニョレが二人の男性(マルチェッロ・パグリエーロとベルナール・ブリエ)と絡むシーンの度に訪れては過ぎ去ってゆく、打ち寄せる波が引いた後の砂浜のような詩情にかられる余韻が正に40~50年代のフランス映画。
あぁ~美しさという要素以外の部分でも見入ってしまうシモーヌの魅力よ!
松本零士さんは「銀河鉄道999」のメーテルのモデルとして何人かの女性を挙げられているようですが、私の中では本作前後の時代のシモーヌの目元はメーテルそのもの☆彡

☆★☆シモーヌ・シニョレ☆★☆(*´з`)(*´з`)(*´з`)(*´з`)
シモーヌ・シニョレの艶やかな唇、アントワープ港の夜景。悲劇を発見するプロセスに呼応する激情に満ちた車中からのPOVショット。マルセル・ダリオが徘徊する姿を捉えた少し長めの移動撮影も良い。
超絶大傑作。
話はヒモ野郎から逃れようとする娼婦が別の男に恋をするってすげー単純な話なんだけども。
舞台が夜霧、もしくは朝霧の波止場で、これだけで好き。
オープニングで波止場を360度パンっぽくカメラが一周する中で何かをもぐもぐ食いながら立ってるシモーヌ・シニョレが画面に写りそのまま画面外に追いやられるっていうスゴさ。

夜の波止場でシニョレが乱闘に出くわすシーンの殴り方、踏み潰し方がガチっぽくて滅茶苦茶新鮮だった。口から垂れるヨダレ混じりの血のリアルさも凄いのだが、そいつの上に乗っかって足でグイグイ軽くジャンプしながら踏むんですよ。びっくりした。

この映画でももんのすごい平手打ちあったのだがどこだったか覚えてない。
あと、ヒモ野郎と会話していると思ったら突然切り返しがなくなり、ヒモ野郎の顔固定になったかとおもいきや突然カメラが動き出し、そのままシモーヌシニョレの主観ショットになるとこにも驚いた。
2015.05.31 DVD

マルセル・パリエロがシモーヌ・シニョレを誘い出してから別れるまでのシークエンスのすばらしさ。煙草と沈黙、シニョレの横臥、パリエロの座り方。交わされる視線。そしてさりげない、あまりにさりげないキス。これ以上さりげなくて流れに自然に収まり、かつ心が浮き立つキスシーンはなかなか思い出せない。ベットで過ごす一夜、イタリア語での独り言(愛の言葉か?)、「フランチェスコ…」、繰り返される囁き。フィルム・ノワールと言うほどに暗鬱ではなく、詩的リアリズムと言うほどにも幻想的ではない、中庸でありながらこれぞフランス映画、と呟きたくなる名品。