非道なアメリカ白人の迫害によるシャイアン族の悲劇を描いた西部劇。　
西部劇の巨匠ジョン・フォードが監督を務め、リチャード・ウィドマーク、キャロル・ベイカー、ジェームズ・スチュワート、アーサー・ケネディ、エドワード・G・ロビンソン、カール・マルデンらが共演。　

「白人の言葉はウソだ」　
1878年9月7日、居留地に強制移住させられていたシャイアン族は、早くから集まりだし、移住前にアメリカ政府と交わした食料と薬品を提供する約束の履行を待っていた。しかしアメリカ政府は約束を反故にしたばかりか上院議員ら委員会は舞踏会を優先して会いにすら来なかった。2400キロ北にある豊かで広大な大地でのこれまでの生き方を手放し、アメリカ南西部の狭い荒れ地に強制移住させられ、これまで飢えと病気に苦しんできた。連れて来られた1000人以上のうち、生き残ったのは286人。白人に騙されたシャイアン族の三人の族長は、一族を連れて故郷のイエローストーンに帰ることを決める。しかしそれを知った騎兵隊が追ってくる....　
　
「犬ですら好きな所へ行けるがシャイアンは行けない」
白人政府は、豊かな大地で自由に暮らしていたシャイアン族を荒れ地で食料の乏しい狭い場所に強制隔離して、誓約を守らずに十分な食料を与えずに餓死させる。
白人市民は荒野でシャイアン族をみつけると、フレンドリーに話しかけてきたシャイアン族に対していきなり発砲して先住民狩りを楽しみ、頭皮を剥いで誇らしげに白人たちへ見せびらかす。
白人政府の内務長官ですら「金目当ての自称”愛国者”に歎願されたんだじゃないのか…　連中の目的は先住民の土地を奪うことだ」と嘆く有様。
野蛮で残虐な白人には、怒りしか感じえない。
さらに白人はありもしない尾ひれのついた噂話を新聞記事にして先住民を悪者に仕立てる。
「OK牧場の決斗」で有名な実在した歯医者のドク・ホリデイ（アーサー・ケネディ）と保安官のワイアット・アープ（ジェームズ・スチュアート）が、白人の愚かさと新聞のいい加減さを皮肉っているのが興味深い。
「その新聞に事実が載ったことがあるか？」
シャイアン族と白人によるドッジシティの戦いの被害は絹のドレス1枚と揶揄している。
白人はシャイアン族の食料となるバッファローを毛皮目的で根こそぎ殺戮する。
当時のアメリカ政府は先住民を飢えさせることを目的として、食料となるバッファローを大量に殺した史実はあまりに有名。
終盤では故郷まで110キロのネブラスカ北部まで旅してきたシャイアン族が、厳寒と苦難と飢えのために騎兵隊に従うも、騎兵隊はシャイアン族を氷点下10度の倉庫に女子供までも幽閉する。
人道的にも法的にも冷酷かつ野蛮で利己的なアメリカ白人の蛮行を忘れてはならない。
「H-O-M-E 故郷」　

2025.4　NHK BSで鑑賞（プレミアム・字幕：風間凌平）

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• #米国内務省先住民管理局シャイアン族管理事務所
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• #バッファロー
• #鉄道
• #ネブラスカでの分断
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ジョン・フォード監督の作品が好きな人なら、この映画はぜひ観ておくべきだと思う。監督のためにも。
最晩年の映画であるこの作品ではこれまでの作品とは全く違う視点でネイティブ・アメリカンかインディアン）が描かれている。

実際、フォード自身、「私はネイティブ・アメリカンに対してあまりにも不公平だった」と語ったという記録が残っている。

1878年、アメリカ政府はインディアンをすべて居留地へと強制移住させた。シャイアン族も例外ではなく、故郷から追われ、移動の途中で病気や飢えにより約3分の2が命を落とした。

族長は、生き残った同胞を連れて故郷イエローストーンへの帰還を決意する。しかし、その動きを察知した政府は、直ちに討伐軍を派遣した。

討伐軍の将校アーチャー大尉（リチャード・ウィドマーク）は、シャイアン族に同情的だった。一行の中には彼の婚約者デボラ（キャロル・ベイカー）の姿もあったが、軍人として、彼は追討の任務を遂行しなければならなかった。

やがて、両者の間に過酷な戦いが始まる。

それは長い旅路であり、しかも子どもを連れての行軍だった。寒さと飢えに苦しみながら、彼らは故郷を目指して進み続ける。
ちょっとした事故が誇張され、新聞報道はシャイアン族を殺人集団ようた扱いをする。
現代アメリカも変わらない一面を持っているが、当時はもっとすごい状況だったろう。

道中では白人からの迫害に遭い、面白半分でシャイアン族の殺害に向かうような、ふざけた連中さえ現れる。

その中には、ワイアット・アープ（ジェームズ・スチュアート）やドク・ホリデイといった人物も登場する。

この二人の登場は何を意味しているのだろうか。確かに、映画全体の暗く重いトーンの中で、彼らが登場するシーンは笑いを誘い、一種の清涼剤のような効果をもたらしている。

しかし、よくよく考えてみると、彼らの描き方は従来の西部劇へのアンチテーゼのようにも感じられる。

勿論実話。考えさせられる映画だ。

• #y2025
• #Kの西部劇100

巨匠ジョン・フォード監督が合衆国政府の政策に翻弄される先住民・シャイアン族の悲劇を描いた西部劇🎬です。


居留地に無理矢理押し込まれ、飢えと病に苦しむシャイアン族は遠い北方の故郷てあるイエローストーンを目指そうと決意する。

しかし、合衆国政府はシャイアン族の生存をかけた居留地脱出を武力で制圧しようとする・・白人たちの猛攻により次第に追い込まれていくシャイアン族は厳しい冬を迎え全滅の危機が迫りつつあった。


ストーリーの途中からジェームズ・スチュワート演じるワイアット・アープの登場がコメディ過ぎて作品を台無しにしてしまう（笑）