暴力vs暴力

「暴力こそ正義！」な不良生徒たちが支配してる学校に赴任してきた熱血教師の主人公。薬の密売したり、気に入らんやつをナイフで刺したり、「校則？法律？んなもん知らねーよ！」と言わんばかりにやりたい放題な不良どもに、ついに主人公がブチ切れる…っていうお話。

『コマンドー』のマークLレスター監督による学園バイオレンス映画。『クラス・オブ・1999』が見たかったので見てみたのですが、めちゃ面白かった！監督によると実際に起こった学校でのいくつかの暴力事件にインスパイアされたらしく、全部が同じ学校でってのはないだろうけど、ひとつひとつは起こってもおかしくないな〜という嫌なリアリティがありました。

前半がとにかく胸糞。不良グループの下っ端はアホばっかりなんだけど、イケメンリーダーのスタッグマンがめちゃズル賢くて、学校で非道な行ないを繰り返しつつも、綿密に計画を練り証拠が残らないように遂行する。薬の密売の現場を見つけた主人公が校長に訴えても、証拠もないし目撃者も他にいないからということで無罪放免。むしろ主人公の立場が悪くなっていく。

学校なんて「子どもは（致命的な）悪いことをしない」という発想のもと成り立ってるわけだから、子どもに対するそんな性善説的なフィルターが教師だけでなく、親、警察等々周りにいる大人全ての目を曇らせる。そしてそのフィルターを利用しようと子どもが考えてしまったら、大人はフィルターに支配された社会からの攻撃により成すすべもなく破滅するしかない。学校という場は教師が生徒を支配する場なんかじゃなくて、悪意が入り込めば教師は学校で最も立場の低い存在に成り下がってしまう。

絶対なものとして勝手に設定していた境界線なんて、明確な悪意の前では何の意味も持たないし、易々と飛び越えてこちら側を侵食していく恐怖。でも主人公が凄いのは、それにも怯えずに彼らの証拠を掴み更生させようとする。他の教師たちが事なかれな感じで見て見ぬ振りをしてる中でも、真剣に熱意を持って取り組む主人公が標的にされ地獄へと引き摺りこまれるのはマジで胸糞になりました。

クライマックスの明と暗を同時進行させる落差による胸糞がヤバくて見てられないレベルだったし、悪を正そうとする教師として至極真っ当な熱意を持っていたとしても、世間はそんな彼を貶めるだけで手助けもしてくれないからこそ、暴力に訴えるしかないという遣る瀬無さが嫌な余韻とともにサイコーに爽快な気分にもさせてくれる面白い作品でした。これは『クラス・オブ・1999』も楽しみ♫

• #ホラー映画と怖い映画

【教師vsギャング】
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監督:マークLラスター
製作国:カナダ
ジャンル:ドラマ・犯罪
収録時間:98分
興行収入:約430万$
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発掘良品第十六弾。

お久しぶりです。フィルマークス久しぶりだなー。やっと実習が終わりましたので久々にレンタル。また随時更新していきたいと思いますがなるべく1日1本くらいにおさえていきたいのでよろしくお願いいたします！

さて、大変充実した教育実習生活を過ごしていた自分なのですが、自分からすると今作はかなりタイムリーな作品。

こんな生徒がいたら教師はどうする？

というのを徹底的に見せつけてきた作品でした。教師になる上では、勿論非行に走る生徒を指導することは当たり前のことです。ただ、ここまで常軌を逸した事をされると、教師といえど果たして教師の立場を保つことができるのか。。しかも実話ということだから恐ろしい。果たしてどこまで実話なのか。全てなのでしょうか。。

学級崩壊をしているリンカーン学校に、主人公のノリスが音楽の新任として赴任する。そこには優等生もいるのだが、ギャング5人の非行がかなり目立つのである。

個人的には面白さでいうと発掘良品の中でもかなりの上位に位置します。この作品は1980年代前半に製作されたということで、当時のギャング文化を色濃く表現していると思います。ギャングたちのビジュアルをみて、マイケルジャクソンのビートイットのPVを彷彿しました。
ギャングのリーダーがいて、非行に走る。ヤクは吸うわ、売春するわ、飲酒はするわ、、どうしようもない。
新任のノリスは正義感が強く、彼らをほったらかしにしない。ところがそれが仇となり、ノリスはギャングたちに目をつけられます。GTOやごくせんみたいな更生作品ではないということを先に申し上げておきます。

見て見ぬ振りをする人の気持ちがよくわかります。余計なことをすると自分に災いが降りかかってきます。これも人間社会の特徴を的確に捉えたものと思えます。これを見て果たして正義とは何なのだろうと考えさせられます。
正義を掲げて起こした行動も、後に自分が苦しむ要因になってしまう。非常に難しいことです。悪い奴らはとことん悪で、その人を苦しめるためには家にまで追い寄せます。これは恐ろしい。。

また、大人が生徒の非行を見て見ぬ振りしている描写も生々しい。それも全て法律の範囲外として、道徳的なことは置いといて淡々と決断をしていく。
ギャングたちの犠牲になった生徒がいても、証拠がなければ動けない、未成年だから法で裁けないだの道徳的にマズイ描写が多々出てきます。法治国家の悪しき箇所が滲み出ていましたね。
その放置し続けた結果がラストに繋がります。早いこと彼らを捕まえて少年院などに送還しておけばこんなことにならなかった。ノリスがあそこまでになることはなかった。直接的にはノリスが行動を起こしますが、あの結果になってしまったのは、問題を早期に解決しなかった由々しき社会のせいだと言えるでしょう。

終盤は、ほんまに実話かいな。て思えるほどのハイテンションでして、カタルシスも大いに感じれる良作です。なかなかのオススメ。教師になる人は、これが最底辺と認識しておけば気持ちが楽かもしれませんね（笑）

それにしても生物の先生の悩みに悩んだ授業の仕方には笑わさせられました。独裁政治じゃんかあんなの。。

ちなみに、バックトゥザフューチャーの主人公のマーティ役のマイケルJフォックスも出ています。かなり若い。。

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もちろん不良生徒たちが悪いに決まってるんですが、それに応じた男性教諭ももはや歯止めが効かなくなってしまってるんでしょうね

普段の社会生活でもそれぞれに心当たりのあるような心的変化ではないでしょうか

両陣営のやりとり含めてかなりおもしろかったです

• #脚光を浴びせてあげたい映画