「俺は正義に処刑されたい」

　22人もの命を奪った殺人鬼カール・パンズラムと新人看守との奇妙な友情を描いた実話もの。

　そのあまりにも凶悪で残酷な犯行ゆえ、全米メディアが事件の全貌をひた隠しにしてきたといういわくつき。
　とはいえ、本作の内容はカールが刑務所にぶち込まれた後の話が中心となっており、彼の犯行の様子はほとんど描かれない。この事件がどれほど凄惨なものだったのかは、彼が獄中で密かにしたためた回顧録でのみ語られるため、あまり細かな残酷描写はない。そういう意味では、思っていた内容と違っていた。殺戮シーンを目当てにしたら肩透かしを食らう作品。

　どんな罪人も更生できると信じている若き看守ヘンリーは、精神的不安定を理由にカールが減刑されることを望むが、自分はまともなのに精神異常と診断され、病院送りになるくらいなら死刑になった方がましだと言い張るカール。
　そして、判決の時が訪れる。

　因みに、刑務所に入れられた時点でカールが殺した人数は21人。つまり22人目は刑務所内で殺されるということになる。さて、誰が最後の犠牲者となるのか……?　そこに注目してもいいかもしれない。
　

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』で印象的だったジェームズウッズの極悪非道な役が観たくてジャケ借り。

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