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北の橋
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目次

北の橋の作品紹介

北の橋のあらすじ

ビュル・オジェと実娘のパスカル・オジェの共演作である本作はリヴェット版現代の「ドン・キホーテ」。ビュルとパスカルは撮影前にリヴェットに渡された「ドン・キホーテ」に魅了されたのだと⾔う。突然現れた閉所恐怖症の⼥テロリストのために、彼⼥の昔の恋⼈との連絡を引き受ける少⼥バチストは鎧の代わりに⾰ジャンを⽻織り、⾺の代わりにバイク、兜の代わりにヘルメットをかぶってドン・キホーテを演じてみせる。パリの街と符号する双六ゲームの上で、⽇常を⽣きながらにして幻想に駆られた俳優たちの⾝体と、現実の中から⽴ち現れてくるファンタジーが結びつく興味深い⼀編。

北の橋の監督

北の橋の出演者

原題
LE PONT DU NORD
製作年
1981年
製作国
フランス
上映時間
127分
ジャンル
ドラマ

『北の橋』に投稿された感想・評価

本日3月1日はヌーヴェルヴァーグの開祖として知られる映像作家ジャック・リヴェット監督の生誕89周年に当たります。

ビュル・オジエと故パスカル・オジエの母子共演を実現させた本作は、
偶然出会った歳の差パリジェンヌ2人がある謎めいた陰謀に飛び込んでいくという「セリーヌとジュリーは舟でゆく」と同様の手法をとっており、
パリ市内を双六に見立て、RPGの如く巡る摩訶不思議なストーリー。
即興演出かつ低予算ながら、既存の素材で現実と妄想のあやふやな世界をリヴェットは見事に作り出しています。

主人公の一人であるバチストは「ラ・ヴァレ」で結ばれたシュローデル監督と女優ビュル・オジエの間に生まれた娘パスカルで、
ロバート・ミッチャムばりのスリーピングアイとその美しい容姿、そしてギャップのある可愛い声で純真な妄想不良少女を演じます。

都市開発によって古い街並みも着実に変貌を遂げつつある80年のパリ。
またこの伝統と文化の都は宣伝広告や不粋なオブジェ等によって景観が損なわれ、それに抗うかのようにバチストは容赦なくナイフを剥きます。
彼女はパリ市内に点在する守護獣ライオン像の意思を自ら継ぎ、その果敢な姿はさながらドン・キホーテのよう。
しかしそれらを悪と決めつけて戦いに挑んでいたバチストにも、戦い方を教え、未来に導いてくれるのはやはり先人の伝承が不可欠であり、結局は温故知新が寄与するのです。

歴史ある街の面影を惜しむかのようにカメラはパリ各地を練り歩き、取り壊されていく姿もしっかりと収めた背景映像。
80年という節目の年を迎えたパリには、かつて68年に起きた五月革命の余波は既に無く、ただ資本主義の権化に覆われているばかり。
対照的にそんな過去を精算しきれぬ元過激派のマリーに残されたのは、「女と男のいる舗道」のオマージュが込められた不遇なるラストへ突き進むことに。
継

継の感想・評価

4.0
刑務所から出てきたばかりのマリーは恋人のジュリアンの元へ向かうが, その途中で何度も何度もバチストに出会う。
これに運命を感じたバチストは頼まれてもないのに何故かマリーの護衛を買って出る。
ジュリアンは何かを隠して秘密を打ち明けないが, バチストが彼の鞄👜をすり替え, 中から切り抜きの新聞記事と謎の地図を見つけた事から, 二人は陰謀に巻き込まれていくことに…。

地図上に大きく描かれた渦巻を細くマス目で区切って繋いだ, パリ市街を “すごろく” に見立てたゲーム。二人は止まったマス内に実際にある井戸とか墓地とか橋を歩いて巡ります。
寝場所もなく街をさまよう・どうにか此処を出てよそへ行きたい二人は, それが叶うと信じてゴールを目指すのですが。。。

パッケージ裏のあらすじから, バチストが「ドン・キホーテ」的なキャラなのは想像出来たものの,
ロシナンテならぬちっぽけなモーターサイクルに跨り, 鎧ならぬ革ジャンと兜としてのヘッドホンで「騎士」として登場し, 出逢ったマリーを「姫」として守らんとし, 風車ならぬ竜🐲wwに闘いを挑む…まさかここまでとは😹
劇伴で流れる“リベルタンゴ”は, 旧来の様式に囚われたタンゴを現代へ解放したピアソラの象徴的な曲で, 勇壮なメロディはバチストに相応しいんだけど, “ドン・キホーテ” が頭にないとトボケた感じにしか聞こえないかも。

'81年作。
なのに冒頭では「1980年10月か11月、もうずっと昔のこと」とテロップは告げる。
ミッテラン政権によるパリの都市整備計画「グラン・プロジェ」着工中の市街で撮影が行われ, それが完成した後に公開された事をさすのかもしれません。
古い駅舎をオルセー美術館へ改築したのもこの政策によるものなんだけど, 市民を蔑ろにした都市計画には批判的な声もあったようで, 過去に『パリはわれらのもの』なんてタイトルの映画も撮ってるリヴェットとすれば政治家が頭ごなしにパリを弄るのには何かしら思う所があったのかも。
「自由」に生きるバチストや, それをタンゴに希求したピアソラの劇伴,
バチストの台詞「さあ来いバビロン (→スラングとして不当な政治権力を意味する)」や、
元々は古代ギリシャ都市の呼称である “Police” のレコードを, 奪い合う子供達の内の一番小さくか弱い子へ託すエピソード, なんかはその心の内を伝えるようでした。

閉所恐怖症で屋内に入るのもキツいマリーと,街に暮らす自由人·バチストは必然的にパリ市街を歩き回る事になり, 変わりゆく街の様子を伝えます。
マリーはジュリアンを一途に愛する一方で, 街中で喋りながらおもむろにスカートを履き替えたり, お花を摘みに平気で植え込みへ入っていったりするwwチョット変わった女性。
バチストは “監視されてる” という思い込みを常に持ってる, だいぶ変わった不思議ちゃんで, 街中に貼られたポスターは彼女に “監視人” とみなされて軒並みナイフで目をくり抜かれるwwのに, 黒澤明『影武者』のそれだけはマリーに止められて難を逃れるのが作り手の忖度を見るようで(笑)面白かった☺

スクラップ&ビルドが進むパリの街を象徴するかのような二人は, 実生活では母(マリー)と娘(バチスト)。
過去を一掃するつもりだったマリーを待ち受ける運命と,
師であり父性をも漂わす出会いに, 再構築されるであろう明るい未来を予感したのか思わず笑みをこぼすバチスト。
彼女の姿を区切るように画面に登場して縦・横に走る線は, 新たなパリの地図上に描かれるであろう彼女の人生の“すごろく”を表すもの?
でもそんな妄想にも, この後に娘=パスカル・オジェが25歳で急逝してしまうというあまりに皮肉な現実が冷水を浴びせます。
一寸先は闇, 正にゲームのような人生。
マリー役の母·ビュルにとっては期せずして貴重なフィルムとなってしまった, 今作の共演でした。
パリの街スゴロク。

二人の女が偶然出会い、そしてパリの街を彷徨う、、。

何処がスタートで、何処がゴールか?

あっちへ行ったり、こっちに来たり、、彼女たちについて行くと、、いつのまにか犯罪に巻き込まれたり、なんだか分からんことになったり、、。

歴史的建造物、解体されている建物、車、バイク、映画「影武者」の仏版ポスター(かっこいい)、空手、、1980年のパリの街。ああ、行ってみたい^_^

ライオン像とリベルタンゴの組み合わせ、、粋だねー。

「セリーヌとジュリーは舟でゆく」の方が好きだけど、近い感触。遊び心満載のリヴェットはやはり好き^_^

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