ﾏｰﾂｰと一緒に見てたがほぼアニメの『ハイジ』と同じあらすじらしい。ハイジがじいちゃんの家に来て心を通わせていくくだりのサイレント処理、見事すぎる。雪景色のフランクフルト、ソリとそれを追いかける爺ちゃん。良かった。

ロッテンマイヤーさんが床を滑って吹っ飛ぶ謎のアクションが唐突過ぎて驚嘆。

アラン・ドワン監督、シャーリー・テンプル主演による『アルプスの少女ハイジ』。ミュージカル入れるは、クライマックスに雪の街での逃走劇を配置するはと原作改変甚だしい。小猿による騒動による物の壊れっぷりが最高。ロッテンマイヤーさんのクリスマスプレゼントに対する暴力がやべえ。

アルムの山からフランクフルトの街へ連れ出したデーテや二階の部屋から真夜中の街へ連れ出すロッテンマイヤーなど、ハイジを高所から下ろす行動をとる人間はろくでもなく描かれてる。ロッテンマイヤーは山へ帰ろうと階段の手すりを滑り降りるハイジを妨害もする。

ハイジとクララのクリスマスプレゼントを両方とも粉々に破壊するロッテンマイヤー女史、めっちゃパンク。クビになった腹いせにハイジをジプシーに売りとばそうとする悪辣さもシビれるわ。

シャーリー・テンプル主演による「アルプスの少女ハイジ」。あまりにメジャーな原作だけに（特にズイヨー版アニメの）イメージがあるので、不安だったものの良くできた楽しい映画化だった。
小気味よくサクサクと進む展開。ちょっと待って、アルプスでのスローライフをもう少し見せて欲しいくらい。だが止まることなく進む。なにせミュージカルシーンも入れないといけないし時間がないのだ。アラン・ドワンの効率性。出会った瞬間に教師と牧師の仲人を務めるハイジの効率性はマッチングアプリ以上！
フランクフルト／ゼーゼマン家でもそのスピードは減速することはないので、悲しい時期もサクサクと。だがしっかりデーテとロッテンマイヤーを憎々しく描く。ロッテンマイヤー危険な女。怖い。アクションもしっかり挿入するので躍動感すらある。
後半になるとオリジナル展開になるのだがこれもまた効率性の現れかと思う。知ってるのと違うと思いながら、爺と孫の真摯な訴えに心揺さぶられる。
シャーリー・テンプルはハイジかと言われたらイメージ通りとは言い難いところもあり。田舎娘のクルクル巻髪。「アルプスの少女ハイジ」ならぬ「アルプスの少女テムプル」といったとこか。しかし生来の愛らしさ、芸達者ぶり故に楽しんで見れる。
ジーン・ハーショルトがモサモサの白髪と髭でお爺さん（おんじ！）を体現しているのが素晴らしい。
クララ役はマーシャ・メイ・ジョーンズ。ディアナ・ダービンとも共演する子役。
執事役のアーサー・トリッチャーが癒し担当。

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