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忠烈図
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目次

『忠烈図』に投稿された感想・評価

4.2
キン・フー監督作品!

香港映画発展探究⑤

キン・フー監督版・七人の侍❗️

16世紀の日本の海賊集団・和冦が猛威を奮っている困り果てた漁民を救うべく将軍から命を受け立ち上がる7人の武侠集団!

それぞれのキャラがとても個性的でユニークなんで楽しいんですが敵役のサモ・ハンが白塗りのヘンテコ侍役で暴れまわるし、『蛇拳』『酔拳』のお師匠さんのあの人やホンコン、若き日のユンピョウまでしれっと出てたのでなんか楽しくてしょうがない笑😎

大陸の海岸線、マジックアワー、山々の美しい風景がダイナミックに描かれて迫力があるし、縦横無尽のカメラワークに目が回りまくりで戸惑うがアクションシーンがいちいち凝っていて素晴らしい!
4k リマスターで映像も綺麗だったので更に満足度が高かった(^^)

良か映画!
3.7
【心の底から安心しろ 俺はお前より強い!!】
もうすぐ『鬼滅の刃 無限列車編』が公開される。ジャンプの大人気漫画の映画化で、コロナ禍の損失をカバーしようと意気込んでいるのか、多くの映画館で複数のスクリーンを本作にあてており、TOHOシネマズ新宿では1日42回上映される異様な事態となっている。私が行く予定のTOHOシネマズ海老名も1日33回上映である。さて、そんな『鬼滅の刃』。漫画は1巻、アニメは1話とアクションシーンつまみ食い程度にしか観られていないのですが、ある特徴を感じ取った。それは胡金銓アクションである。胡金銓のアクション映画は他の香港カンフー映画とは一線を画している。ワイヤーを用いた浮遊感のあるアクションなのだ。俊敏に、林の中で戦う『侠女』の要素を『鬼滅の刃』に感じるのです。折角、映画に合わせて予習するなら胡金銓を観ておこうと思い、今回『忠烈図』を観ました。本作は、香港版『七人の侍』と呼ばれている作品。胡金銓作品の中ではマイナーな作品ですがこれが面白かった。

本作は確かに『侠女』と比べると序盤のアクションにおいて手数の少なさ、似たような構図の連続にガッカリするかもしれない。『七人の侍』の看板を背負える程の重厚な物語はなく、30分程度で仲間集めは完了する上、物語上機能するのがウー夫婦しかいない欠点がある。だが、それでも胡金銓のアイデアに満ちた狂気のアクションに感動を覚える。

何と言っても、仲間が集まった時に魅せる華の戦闘シーン。笛男が、敵の位置を笛で伝えると、碁盤に碁石を配置していく。これで敵の位置を表現し、これからどのようなフォーメーションで戦うのかを物語る。そして、次々と繰り出される弓矢を盾や剣ではじき返し、敵を次々と討ち取って行くスペクタクルは圧巻だ。そして、勢いがついたらそのまま最後まで突っ走る。笑顔でのらりくらりと裏切る仙人のような男の策略に嵌り、敵に包囲されるウー。

「心の底から安心しろ 俺はお前より強い!!」

と手ぶらで突っ立っているウーに対して、右から左から上から猛攻が繰り出されるのだが、ゆらりふらりと交わし、サッとカウンターを入れる。あまりの強さに逃げようとする仙人男を夫人が阻止する。チームプレイとしての鮮やかさがそこにあります。

そうこうしているうちに、アジトへたどり着く。大ボスに強さをみせつけるためにやってきた夫人に、手下が襲いかかる。ウーに一本入ったかと思うと、ボスが「もう座りなさい」と試合終了を伝える。不満げな部下が背を向けると、衣類が破れていた。「お前はもう死んでいる」攻撃で、彼が一本取る前にウーに仕留められていたのだ。夫人は、弓矢バトルを、折角弓を渡されたにもかかわらず素手で投げ始める。日本のお侍さんとの死闘も慌てず騒がずさばいていく。その軽やかさに心奪われます。

そして、終いには飛び蹴り10連発男、空中回転男が待ち受ける。あれだけ強かったウー夫人が苦戦し始めるあたりに脚本のガバガバさがあるのだが、もうここまでくればアドレナリン全開である。『鬼滅の刃』的、重厚な空中戦闘を味わえてとても面白かったです。
☑️『忠烈図』(3.7p) 及び『男たちの挽歌』(3.5p)▶️▶️
4Kリマスターという言葉をよく聞くが、行くのが名画座かミニシアターが殆んどで、上映DCPは2Kで、真価をあまり味わった事がない。そういう時は、数百円で観れて4Kや70ミリもOKのFC改めFA。素材⋅ネガの劣化の具合にもよるが、デジタルスキャンしての版は、概ねスッキリとムラなくキレ⋅明晰度が高い。押し付けがましさのない、正確さ。フィルムの、邪道仕上りかもわからないが、トロッとした溶け落ちそうな芳醇な味は出にくい。特に『男たち~』は色彩⋅艶共に、もっと安っぽくも強烈に沸き立つものがフィルム上映ではあった気もする。ネガの保管の問題かも知れないが、鮮やかさに欠ける分、暗めも空気の粒状感みたいなものが感じられ、バックの巨大な布⋅鉄の赤の存在と質、は異様に背後から覆わんとしてくる。とはいえ、執着がある作品でもないので全ては私の記憶違いかもしれない。
『忠烈図』は30年余ぶりの再見。キン⋅フーの代表作の1本として、連続上映の映画祭に組み込まれたが、残念ながら『侠女』『迎春閣風波』『大酔侠』といった映画すら飛び越えるか⋅映画の中へ叩き込まれるかの、香港=台湾映画史上の傑作と比べ、所詮各種了解内で⋅伸び伸びスッキリノリまくる作で、面白いと云えば面白いし、狭いといえば狭い。作者にも登場人物にも、決定的使命感がないので、例によって日本(ら)の余り高名でない作品から、盗みまくり⋅自己のものとして磨き上げたタッチ⋅手法が魅せまくるが、真に自分のモノとは成っていない。京劇や伝統芸能、近代的映画手法を導入⋅洗練と冒頭説明文にあったが、キンフーのタッチはもっと下世話な所から来てて、それが代表作では更に内的に熱せられ、独自で絶対の世界に届くのだか、これは形をより整えた借用披露に留まってはいる。
基本的にキン⋅フーの画面は、巨匠には珍しく、構図や詰め込み方に拘りのない、プログラム⋅ピクチャーの監督のように、高い目的意識のない、あっさり素直で強さを欠くものである。構図のバランスや隙を特に気にしてるようでもない、単純な切返しや寄り、どんでんや俯瞰め、ズームと横移動(パン)、怪しげな文献活用、銅鑼や弦音、などだけで進んでく。例えば神代的な意図的な望洋とも違い、あまり考えて作ってないようにも見える。しかし、その白紙のような、プロ仕様の映画とは無縁の所から、呼吸が始まるようで、忘れられてた映画の塞き止められるがないのが織られてゆきだし、ストップを掛けるものはない。
短い高速度での、少し角度を変えて似た動き重ね、或いは同一動きの捉え直し、長い転がりの角度や段差つけての分割追い、飛ぶ矢の動き等示す流れるパン、背後などの味方の相互介入⋅よって数や力関係動き続ける、離れた⋅遮られた位置での闘いの対応素早い描写、出し抜き工作瞬時どんどん、盤上の駒指しと戦法⋅配置逐次リンクカットバック、10?連続ドロップキックは着地カット省くので浮遊まま繰返しは伝説´60年代マスカラスというよりアニメ⋅タイガーM、同じく間に合わない距離⋅険しい道をぐんぐん届くカッティング連ね、裏切りや卑怯当たり前で懐疑シーンも含め⋅極めてクリアでスピーディ⋅目も眩みつつ、等が系統立てず伸びまくる。洋上や船着き場、湾岸や林⋅岩場シーンが挟まり⋅また包む。
そして、ラストの映画史上最高のスキルの剣戟シーケンス⋅果て無しで、映画は満を持して舞い上がり⋅踊りまくる。切返し絡みの、カメラや半ばアウトの背面敵相手の1人芸的な、高速鮮やかさ⋅流派無視の刀のスクリューこね繰り回し。垂直に刀もろとも落ち来て、また仰角⋅身体も逆立てて岩に舞い戻る逆転撮影かトランポリンかの、空中舞踏繋る⋅宇宙空間拡大化止まらず。『侠女』の洗練であると同時に´60年代アジア~豪州を席巻⋅見ぬ人へも浸透の『隠密剣士』(第3部百地源九郎辺りを中心に?、或いは舟床定男の習得現場の過去の何かの作品)らのフィルムの先鋭の、より標準化しての抜け出し⋅飛び出しか。妙にでかいサイズの八方手裏剣も飛び出す。野武士よりも新選組か⋅風魔小太郎に接近メイク⋅風体のサモ⋅ハンの顔白塗りのまま、スピード⋅キレ⋅身体能力は、若山と対戦させたくなる(コマ操作をしてるにしても速い⋅人間離れ)。劇中のこれまで端々締めて来た駒の使い尽くし方の大納得大団円、咄嗟の武器選択も含め。映画的厚みでカバーしてない分、オリジナル⋅イミテーション関係なく、せっかち⋅かつ大きな懐ろで只、抵抗感じず、突っ走ってゆく。繰り返すが、終盤に詰め込んだ、中抜きカッティングの浮遊止まらず+反重力逆転撮影+流れるカット+猛烈アクションとモンタージュのスピード+脇の敵の介入と始末、は映画史上前代未聞で軽くエイゼンシュテイン越えで、オリジナリティ溢れるわけでもないが凄い。明らかに編集⋅殺陣⋅浮遊続き⋅傷口深さ⋅(ほぼ)全滅へ⋅武器の種類、等は『隠密剣士』、或いは存在をまだ未確認もその原典の、模倣ではあったとしても。それを極限までエスカレートしてるだけで、創意はそんなにないとしても。絵作りがスッキリしてて、構図に空きスペースが多く、重々しくなく観てゆける。
明時代の16世紀、倭冦とその討伐軍の闘いを、隠れ家探し⋅呆れるくらいの強者たち(ユーモア担当も)を描き、全編滞りなく、観れてゆく。能無し皇帝、敵と通じ将軍や検察官、らの中、望みは孤高⋅知る人ぞ知る、警備隊長に一任され、際だった能力の夫妻剣士、小回りの利く懐刀、ら心の通じあった者らと、敵の前線を打ち破り、倭冦と合体してる島主の隠れ家を、味方を偽って入り込む。芸披露から、身元割れ、凄絶戦へ。島主ら一味は押さえ込みに成功も、真⋅倭冦は財宝を持って高跳び。一部が追い付き、最終決戦。
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そのイージーさに比べると『男たち~』での、まだスタイル完成前もブレイクを果たしたウーは多分にウェットだ(この作家で真に傑作と思うは、『ハード⋅ボイルド/新⋅男たちの挽歌』くらいか。ハリウッドでの『フェイス/オフ』もよかったか。むしろ文章を読んで、その分析力⋅感性のレベルに感心した)。警察⋅カップル⋅日常の世界と、闇社会⋅その中の権力交代の世界が、交錯する。仲のいい兄弟(反動で憎しみへ)を中継点として。足洗う筈の兄(罪引受け後の出所後も堅気に成りきろうと)が内部裏切りで失敗、口封じ絡みで襲われ⋅父を死なす。兄(実は父も)の正体をその時、初めて知った、警察官へ邁進中だった弟は、存在を警察自体から煙たがられるも、兄も絡めて組織壊滅⋅父の仇討ちに異常な執念を燃やす。香港から台湾警察迄跨ぎ、FBIものりだす。兄やボスを裏切り⋅「麻薬と偽札」生業の組織の頂点に立った後輩や、1人で裏切りの台湾別組織を潰すも、煙たがられ燻り⋅誇りも潰される兄の親友、香港警察の切れ者や、兄を堅気タクシー会社に迎えてくれた男らも絡む。
この頃は後に洗練⋅完成の独自性よりも、日活アクションの後期~ムードアクション辺やペキンパーからの頂き膨らませの⋅それでも一応トレードマークに近い個性が覆いくる作。繰返されるスローのアクション⋅リアクションの丁寧華麗な挟み、ローやフォローや90°変やアップ割り⋅着こなしや身のこなしのベースのスタイリッシュ⋅スマート、果てない⋅アクション(父が絶命するまでのダメージ加えの重ね⋅新味の延々)⋅破壊と爆発吹上げ⋅感情表情と主題曲ら音楽の⋅イメージやサウンドの染み入り、足や額らを深く傷負いのシンボリック感触や⋅スモーキー画面の深い雰囲気⋅ダーティ色合い様々変妙の丁寧さ、生き方やモラル伝承葛藤の並行は⋅親しい仲のじゃれあいから⋅敵囲む際限なしの多面性の現実感にも通じ、が濃く柔らかく、休みなくうねり続いてく。先に述べたムードアクション期の日活映画みたいな割りきれない生き方や心の負債の流れから、全てが精算され過ぎてくペキンパータッチ、それ以上の充満⋅放逸へ。4K画面は鮮やかさより、質感で背景の鮮やかな赤い巨大建造物らの存在感の包み込みの底力。初めて観たときと同じ、一方的独善的想い込みらのカッコヨサも、自己中心どっぷりで対社会への罪意識等欠き(身内への贖罪の意識はタップリ、卑屈なくらい)、やはりもひとつ納得出来ぬ女々しさと困るが、それが映画というものの魅惑を生むのかなと思い直しもし、少し印象向上。「兄貴を許せ。もう償ってる。勇気あってこそのもの」「誇りや(愛も含め)大切なものを失わされた。巻き返す⋅必ず。運命を自力で変える人間こそが神。闘え」「堅気に戻りたくば、我慢」「やはり、お前の生き方の正しさこそを歩むべき」

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