残酷ドラゴン 血斗竜門の宿の作品情報・感想・評価

「残酷ドラゴン 血斗竜門の宿」に投稿された感想・評価

まるで西部劇のようなカンフー映画!
制作国が中華民国、イギリス領香港時代。
勝手な想像ですけど、当時の中国政府の圧政に対するアンチテーゼを表してるのかなぁって……。
なかなかの傑作でした。
私は好きです。
tk33220

tk33220の感想・評価

3.7
ビクトル・エリセのショットに通ずるフォード的な宿の佇まいが素晴らしい。
久し振りの「ユーロスペース」で観た作品は『残酷ドラゴン血斗竜門の宿』"香港のクロサワ"キン・フー監督の、血湧き肉躍る大活劇!

随分前に"香港のスピルバーグ"ツイ・ハーク監督のリメイク版をビデオで見ていた。ワイヤーアクション全開で素晴らしく、これまた大興奮の傑作だったので、是非ともオリジナルを見たいと思っていたが、まさか銀幕でお目にかかる事ができるとは...!

クビがスパッと跳ばされるラストシーンに思わず「お見事!」そしてジャジャンッて終わっちゃう!たまらない!

バンザイ、キン・フー!
西部劇を感じる。一瞬で最高潮まで達するアクションもいいが、宿場の美術(外)が素晴らしい。壁も石垣もいいし、さりげなく唐辛子が干してあったり。ちなみに中はいつもキンフー。
身体能力の低そうな人ばかりでよくこんなの作ったなと毎回感心するが、背景と人物配置のデザインのカッコ良さが半端ないんで、あまり気にならない。
『侠女』で知恵者を演じていたシー・チュンが本作では武芸の達人となり、縁あって東廠の武官に追われる忠臣の血縁者一行に手を貸すこととなるアクション活劇。
東廠といえば魏忠賢が有名すぎて悪いイメージしかないし、実際に明王朝を舞台にした話では悪者として描かれることが多い。本作でもゴロツキ集団のような人相の悪い武官たちが宦官直属の特務機関として暗躍し、権力を笠に民に仇為す存在として描かれている。
宦官による暴政を皇帝に直訴しようとした忠臣が処刑されるところから映画は始まる。宦官は反逆の芽を摘んでおこうと、地方へ流される忠君の子供たちをも道中密かに亡き者とするため暗躍するのだが、そこへ一騎当千の剣客達が馳せ参じ、荒野に佇む竜門客楼で待ち伏せる暗殺部隊を追い払う。剣客たちに業を煮やした宦官は自ら宿屋の制圧に出向き、強者たちと直接対決するのだ。
一対一、一対多、多対多と豊富な剣戟のシチュエーションが客棧の立体的構図のなかで展開し、ワイヤーワークの巧みなモンタージュによってアクションを一層華々しくみせている。最後の対決で剣客たちが悪者を宦官ネタで辱しめるユーモアも世俗的で親しみやすい。
『侠女』でもそうだったが、宦官や役人たちは単に権力を振りかざす小者ではなく、武術に秀でた武芸者なのがいい。言うことを聞かないとどんな酷いことになるのかを凄んだ顔で長々と説明されるより、たった一言「殴るぞ」と言われることの方が恐怖を感じるのと同じで、口で説明される不利益より暴力によって肉体に与えられる苦痛ほど理解の容易いものはなく、明らかな実力者の口にする真実味を帯びた脅迫に弱者は怯えながら従うしかない。範馬勇次郎が言うように、強さとは我が儘を押し通す力のことなのだ。
後のジャッキー・チェン辺りの作品と比べるとまだアクションを見せる技術が到達していない点があるが、当時から目指しているものは同じだった事がわかる。そして物語もとても面白かった。
めちゃくちゃ面白い!!

ラスボスのデタラメすぎる強さにワロタ。喘息持ちだという弱点につけ込んで4人で眩暈を狙ったりしてどっちが悪役なんだ…笑 顔もラスボスの方が正義の味方っぽい。
eddiecoyle

eddiecoyleの感想・評価

4.0
西部劇の変奏であるのは間違いないのだが、ヘイトフル・エイトからリオブラボー、リオロボ、ワイルドバンチまで内包するこの包容力はすごい。敵役がまんまトミーズ雅なのに笑った。宿のセットはキルビルだよなこれ。
obao

obaoの感想・評価

3.7
@シネ・ヌーヴォ
これは誰にも賛同して頂けなかったのですが…小林旭や二谷英明の無国籍シリーズに似ていました。悪人が支配する地に現れた風来坊が敵をなぎ倒す、という意味で。

そして、ラストは何だか戦隊ヒーローの最終回のよう。ラスボスと対峙した正義の戦士たち。力を合わせて…と。

そんな漫画のような武侠活劇。これも50年前の映画と思えばすごい。結局は『俠女』と同じテーマの勧善懲悪時代劇。それでも楽しかった。