ドラキュラとフランケンシュタインの怪物が迫力もクソもない取っ組み合いのバトルを繰り広げるWHD案件。

監督はZ級映画の王と言われることもあったりするアルアダムソン。この監督これより前にドラキュラ映画撮ってるみたいだけど、それの続編なのかな？そこら辺は良くわかりませんが、チープさがたまんないナイスなポンコツ映画でした。さすが王！

IMDbによれば最初は違う映画の続編としてバイカー映画みたいなのが作られる予定だったのが、ホラー映画に変更になったというわけわかんない経緯がもう王としての貫禄を見せつけてますね。バイカー映画をホラー映画に改編しようとして、どうやったらドラキュラとフランケンシュタインの怪物をバトらせようっていう発想に至るのか…思考回路バグってるわ。もちろん褒めてますよ（笑）

遊園地の中で怪物博物館なるお化け屋敷みたいなのを運営してる博士が実はフランケンシュタイン博士で、そこにやってきたドラキュラが怪物を作るように博士に依頼。フランケンシュタイン博士を表舞台から抹消したまともな科学者たちに怪物を使って復讐しようっていうお話…のはずなんだけど、何の意図があるのかさっぱりわかんない地元のバイカー野郎たちが変なとこで絡んできて、もともとの目的がどっか行っちゃうという雑さ。そして特に何かをするわけでもなく退場していくというアホ展開が笑える！ここが元の映画の名残なんやろね😅

でもしっかりとドラキュラと怪物を戦わせるのは良かった。迫力のない取っ組み合いだけど、体を欠損させながらガチバトルを繰り広げるからそこそこ見応えあった。怪物さんは目元が陥没しすぎてて強そうな感じは全くなかったし、ドラキュラも髭もじゃで弱そうだったから、そういう意味ではビジュアル通りの対決って感じ。

怪物を作る装置がなかなか再現度高くて驚いてたんだけど、ジェームズホエール監督の『フランケンシュタイン』のやつを使ってるようで、テキトーに作ってる割には力入れるとこは力入れてるのが凄い！一から作ると金かかるから借りたとかそんなんかも知らんけど…。

そんでフランケンシュタイン博士の助手としてロンチェイニーJr.が出てて、血清で変身を抑えてるような描写があるんだけど、もしかしたら狼男的なものを意識してるのかな？どっちにしてもコレが遺作とか何か可哀想…。

そして一番驚いたのはWHDなのに吹替が入ってるってこと。どうやら、これ良くテレビ放映されてたようですね。こんなのがテレビで流れてくるとかサイコーやね！良い時代やな〜。

• #ホラー映画と怖い映画

1971年製作のC級カルトホラー。ロン・チェイニー・ジュニアの遺作。”伝説のZ級監督”アル・アダムソンの代表作。

アメリカ東海岸のロードサイド遊園地周辺で連続失踪事件が発生。ショーガールのフォンティーヌは行方不明になったヒッピーの妹を探していた。犯人は遊園地で怪物博物館を開くデュレア博士。彼はフランケンシュタイン博士の子孫で、肉体を活性化させる血清の研究のため助手グロトン（ロン・チェイニー・ジュニア）に人々を誘拐させ人体実験を続けていたのだ。この血清に目を付けたドラキュラ博士は協力を申し出る。。。

ホラー好きが作った自主映画のようなお粗末な作品だった。”最低映画”をもてはやすかつての映画秘宝フォロワーには受けそう。全体的に照明不足なのがチープ感に拍車をかけている。博物館や研究室の美術は良いのでマイナスカラー（モノクロ）でリメイクしたら印象が向上すると思われる。

★マニアックな見どころ
・チープでキッチュな秘密研究室の美術は秘宝館を感じさせ好み
・電気実験装置の多くは「フランケンシュタイン」 (1931）で使用されたもの。提供したのは同作や「フランケンシュタインの花嫁」(1935)で美術＆特殊効果を担当したケネス・ストリックフェイデン
・世界一の映画コレクター、フォレスト・J・アッカーマンがカメオ出演（フランケンシュタイン博士のライバル、ボーモント博士役）。

内容なんて無い。内容どうこう以前にまず色々おかしい。
ドラキュラ伯爵がアフロヘアで口髭・顎髭を蓄えている。フランケンシュタインは日野日出志の作品に出てきそうな醜い潰れ饅頭。キャラクター設定を間違え過ぎててストーリーが一切頭に入らなかったけど、二人の死に方が間抜けすぎなのは怒りを通り越して微笑ましかった。

この作品の20年後、アダムソン監督は砂漠で変死体で発見されたそう。いろいろおかしい。