ステージママ物。
舞台はテニス🎾。

いいねえ👍。
サクッと終わる。

この手の作品のお手本のような展開ながら、無駄シーンはなく、テンポ良く、端折るとこは端折る！

母親のしたたかさに、
娘の変貌！
前者はクレアトレヴァーが、
後者はサリーフォレストが巧みに演じる。

二人の関係性が徐々にクロスしていく。
いや〜ゾクゾクした！
フォレストの奥二重が活きまくる👁️。

楽しかった！

※テニスシーンのカット繋ぎはけっこういい加減だったなあ🤣。

テニスの道を歩む娘とそれを利用する毒母。母親の醜悪さは彼女の目元へのライティングで表現されるし、終幕後のスタジアムは必ず紙屑が風に吹かれて舞わなければならないという映画史におけるマナーを確かに守るアイダルピノの演出には感嘆せざるを得ない。
またサリー・フォレストがテニス会場へ向かう場面で彼女の両脇を母親と金の亡者のコーチによって固められ、まるで死刑執行に向かう囚人の行進のように撮るセンスも素晴らしいとしか言いようがない。

本作でも画面奥行の使い方が見事で、例えばサリーフォレストの実家でコーチが母親と結託して彼女を言いくるめる場面などは、この場面で最も注目すべき存在である優しい父親を画面奥に配置し、格段注目が浴びるようには撮っていない。ここの上手さも別格。アイダ・ルピノ。天才。

• #2022May.riazor511

娘を才能のあるテニスでのしあがらせつつ自分もその恩恵をあずからんとする欲望を、母の愛という美辞麗句で飾り立てつつ計略し実行していく毒母のドラマ。ルピノ監督の演出の才気が冴えておりました冒頭のネイルや化粧、初めて会う男への対応などのさりげない描写で母親が欲望に固執するタイプであることをさりげなく描く語り口に舌を巻くし、主人公の家族のなかで一番力関係が弱い父親を会話ではなく応接間のやりとりで端にいることで自然と観客に理解させる演出も見事。そんな不満を抱いている父親の顔が終盤のあるやりとりに繋がるのも◎。あとなによりテニスの試合を緩急をつけたり省略したりしてサクサク進めていくベテラン監督のような演出の素晴らしさ。

娘がどんどんテニスで優勝していくにつれて母親がその本性をあわらしてどんどん家庭を蝕んでいくのが辛い、それを母性愛という名でごまかされて気づいていない娘もきつい。だが娘が成長していくにつれてそのことに気付き、母娘の立場が変化していくのが痛快。そこからの報いを受ける母親でスパッと映画を終わらせるラスト(冒頭で提示された映像がそこに結ばれる演出が決まっている)がクール。

それにしてもワンシーンだけある場面でロバート・ライアンが出演していたような気がするけれどクレジットで表記されていないので気のせいか？