『東南角部屋二階の女』
製作年2008年。上映時間104分。
社会に居場所がなく、くすぶっている3人の男女が、人生をありのままに受け入れて年を重ねた人々に出会うことで変化していく、ヒューマン・ドラマ。
西島秀俊や加瀬亮といった若手実力派俳優と香川京子らベテラン俳優が織り成す、穏やかな交流が描かれる。
監督と脚本には将来を嘱望される池田千尋と大石三知子。
若者の共感できる題材が繊細（せんさい）に描写され、観終わった後にさわやかな余韻を残す。

野上は会社を辞め、亡き父の借金を祖父の土地を売った金で支払うつもりでいた。
その土地には、居酒屋のおかみである藤子が経営する古アパートが建っていた。
そのアパートに引き寄せられるように、野上を追い突発的に会社を辞めた三崎と野上の見合い相手もやってきて。。。

西島秀俊が演じる野上孝と、竹花梓演じる豊島涼子、そして、加瀬亮演じる三崎哲の三人は純樸で優しさある若者としてキャラはたってる。
その彼、彼女を自然に演じてる西島たち俳優さんたちも評価はできる。
しかし、演出と脚本が甘いと感じたし、お人好しと云うよりも危機感の薄いキャラに好感はもてなかった。
誰も傷つけたくないって気持ちは良くわかる。
しかし、無防備によごれ役を引き受けてるつもりが、引き受けたモノをこなしていない。
こなしていないならそれをやったとは他者は思いにくい。
また、引き受けたことに耐えられなくなると、今いるところから逃げてしまう有り様（見合いしたり、退職したり）。
人は腰を入れ死ぬ気なら(根性入れて)やり越せることが意外にも多い。
そこには沢山の人たちの助力があってのことやけど、なくても、人は藁をもすがる気持ちなら、必ず助力してくれる人はあらわれる。
まぁ、時には『退く』的な行動をとる時もあるんが人間。
そこを製作陣は描きたかったんやろうとは思いますが。
個人的には少しイラついたかな。
状況によって退くことは人生において幾らでもあるし、それ自体問題もない。
また、退くが手立てとして有効な場合も多々ある。
先のことを考え、決めた上で退くことは、転進、若しくは転身とポジティブな表現で云える。
しかし、目先のことばかりを気にして、手当さえしないで行きあたりばったりに引き下がるのは『逃げ』と云えなくはない。
片や、太平洋戦争の闇(不条理)に翻弄された野上のお祖父さんや居酒屋の店主兼、アパートオーナーの藤子は、闇から逃げることなく、むしろ逃げることはできず対峙し受け止めて生きている。
タイムリーで戦争は知りません。
しかし、居酒屋の常連客の畳屋さんのロクさんも同様に闇と対峙してたんやろなぁとは推測できます。　
そないな生き方をしてきた、人生の先輩たちが胸に秘め対峙してきた煩瑣な思いを触れることで、三人の若者たちが、再び己を見つめ直そうと歩む。
この展開は温かいが、実際はそないに甘くない。
結局、彼らが取ってる行動は個人的には、あまり未來は変わらないよな気がする。
今作品の意図は理解できるが、甘アマ激甘な物語でした。
野上、涼子、そして三崎の三人が耐えきれなくなった困難や、爺さんに、居酒屋の藤子さん、畳屋のロクさん三人のたち人生の先輩の心の内など、描き方が軽くて感じたのもしばしばあった。かなり、役者たちの演技力に頼った感があったのは否めない作品でした。
しかし、先に書いたように役者陣の演技は甘い部分を補うくらいの巧みさを各々見せてたし最後まで観る原動力になってました。
西島はじめ若手俳優の初々しさも、ベテランの台詞が少なくても思いが伝わるも演技もとてもよかったです。
涼子を演じた竹花梓さんが、その後若くして亡くなったことを知り、現在、健在だったらどないな俳優さんになられてるやろと思うと残念に思います。

小さな画面サイズの緩〜い🎬でした・・でもこう云うの嫌いじゃないです（笑）


父親の借金を背負いながら・・旧いアパートが建つ祖父名義の土地を売ろうとしている主人公。

居場所の無い男女3人がその旧いアパートに住む事になる。

近づく台風の影響で東南角部屋2階の開かずの部屋の雨戸が強風で外れてしまいガラス戸は半開きのままで雨が降り込んで来る・・気怠い若者たちが梯子を掛けてなんとかガラス戸を閉めようとするが外れてしまう。

仕方無く窓から部屋に入るとそこには・・過去が封印されていた。

2021-31本目
再視聴。
なんの気なーしに見ました。