何をやっても上手くいかない うだつの上がらぬ音楽教師の、夜毎夢見る度美女とのロマンスに更ける妄想系オペラミュージカルラブコメ。

ハッピーエンドに全く関係ない正味半分以上はどーでもいいコロコロシチュエーションが変わるコントみたいな夢物語…。

先に観た『自由を我等に』同様、この監督作品は自分には波長合わない感じ…(-_-;)

まぁタイトル通り、美女ばっかだったな～😍

フランスのジェームズディーン



ストーリー
貧しい音楽教師のクロードはピアノを弾けば、アパート前のガレージの親父に怒鳴られ、学校に行くと生徒たちにバカにされ、作曲コンクールの作品も進まず、面白くない。安らぎを得られるのは夢の中でだけ。夜ごと現われる夢の美女たちと恋を囁きあう。


主演　ジェラール・フィリップ
監督　ルネ・クレール


美輪明宏やウルトラマンに影響を与えた名作
とても面白い。
夢と現実の区別がつかない様は現代にも通用する面白さがある。

現実に疲れ果て、自分の運命を悟り諦めた男の目の前に広がるのは絶望と失意。
そんな彼が唯一幸せなのは"夢の中で出会う美女"
次第に病的に眠りに固執していく男を見守る人々。ありがた迷惑、悪い迷惑、それら全てがコメディでありながらどこか異質な不快人間の闇が垣間見える。

場面の切り替え方法が秀逸で現在ならCGでどうにでもなるが、当時この映像技術は凄い。まだ出会った事のないプロフェッショナルな世界観に釘付け。当時ならではの目線から夢の中で出会う人々や過去が今とのギャップとなっており「昔の人はこんな風に世界を見ていたのか」と勉強にもなる。この作品に流れる匂いは最高だ。

フランスのジェームズディーンと呼ばれるジェラールフィリップ。めちゃくちゃイケメンで彼の他の作品も気になる。36歳でこの世を去った彼に今更ながら思いを馳せる。

まだ未見だがアダムドライバー主演映画「アネット」はこんな感じなのではないかな？と密かに楽しみにしている。

現実世界は退屈で、情けない日々、でも夜になれば理想が世界が広がる。
もし、夢の世界がとなもリアルでそれがとても満足のいく生活だとしたら、それはそれであり？
よくある夢と現実が曖昧な夢幻的な世界ではなく、あくまでもドタバタ劇としてコミカルな仕上がりになっているのだけど、このはちゃめちゃ感がなんか好き。
テリー・ギリアム監督の作品なんかがお好きな方には是非ともおすすめしたいファンタジー。

ウダツの上がらない音楽教師クロードは、寝ている間だけ見る夢では美女と愛し合い、自分の作曲した音楽がオペラで流れるという幸せな時間を過ごせる。
どうか、どうか目を醒させないでくれ、このまま僕をこの素敵なお伽話の主人公でいさせてくれ。
夢の中で公爵夫人との不倫シーンとか、工事現場の音で全然聞こえない時の郵便職員とのやりとりとか、結構コントみたいな面白い演技をするジェラール・フィリップがとってもキュート。

公爵夫人との逢引を繰り返すフランス革命の時代と、セクシーなレイラ姫とのアラビアンラブなんかとはちゃめちゃで楽しいけど、現実との差がどんどん広がってくクロード。
夢で色んな手を出しちゃいけないような女に手を出しすぎて、折り合いつかなくなって、過去の世界めちゃくちゃにして、どうすんのさクロード！となってから・・・さぁクロードの物語はどこへ向かうのか？
誰もが笑顔になるような満足のいくラストにほっこりさせられました。