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夢と狂気の王国
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目次

夢と狂気の王国の作品紹介

夢と狂気の王国のあらすじ

『エンディングノート』で注目を集めた砂田麻美監督が、スタジオジブリの中心人物に迫ったドキュメンタリー。宮崎駿監督、高畑勲監督、2人の間で奔走する鈴木敏夫プロデューサー。3人の作品制作にかける想い、創作の秘密を追う。

夢と狂気の王国の監督

夢と狂気の王国の出演者

原題
製作年
2013年
製作国
日本
上映時間
118分
ジャンル
ドキュメンタリー

『夢と狂気の王国』に投稿された感想・評価

ryusan

ryusanの感想・評価

3.6
日本人なら知らない人はいないだろうジブリの宮崎駿監督。
その宮崎監督を「風立ちぬ」の制作を通して見つめたドキュメンタリー。監督が普段何を考え、どうやって映画を作るのかを、スタジオジブリの日常と高畑監督や鈴木プロデューサーとの交流を通じて描く。
宮崎監督がいかに芸術家として抜きんでているかはよく分かる。がタイトルの夢や狂気については思ったほどあまり描かれていない。実際は内面にたぎるほど存在してるのでしょうが、1年くらいの取材でそれをえぐり取るのはやはり難しいのでしょう。

作品を作るのと生きているのは同じこと、引退宣言してもまた作らざる負えないのは芸術家の宿命。もう一作宜しくお願いします。

タイムトラベル・映画情報のブログもやってますので宜しく。
http://blog.livedoor.jp/filmactors/
KUBO

KUBOの感想・評価

4.0
ジブリ美術館か〜、久しく行ってないな〜。

2012年の秋、か。私にとっても初めてぴあフィルムフェスティバルで審査員をして、本格的に映画と向き合うようになった節目の時だ。

鈴木さんって「アニメージュ」立ち上げた人だったのか! 知らなかった〜。創刊以来、毎月買ってた。お世話になってたわけだ。

鈴木さんって言えば、2014年に東京国際映画祭で審査員やった年に、オープニング作品の「ベイマックス」終映後、スクリーン7から出る時、私のすぐ後ろで「これはヒットするね」と断言している人が鈴木さんだったんでビックリしたのを覚えている。たしか作務衣を着ていたな。同じ会場にエヴァの庵野秀明もいたっけ。

黄昏時にアニメーターたちは屋上で夕陽を見る。いいな〜。私も吉祥寺勤務のころ、屋上で夕陽を見たりしてたけど、三鷹まで行くと東京とは言っても空が広くて美しいマジックアワーだったりするんだよね〜。

『呪われた夢』by 宮崎駿。

「今の人類の夢はみーんな呪われている。美しく呪われた夢」

「映画は素晴らしい(?)。映画は素晴らしいかどうか、本当はわからないじゃない? 本当にきちんと考えたら、映画が好きっていうのは、単なる趣味でしょ。かつてそういう映画が作られたことがあったかもしれないけど、今も映画の価値があるわけじゃない。多くはくだらないんですよ。僕らのこの世界は。難しいんだよ。」

宮崎駿の実家って「宮崎飛行機」だったんだ。それで「風立ちぬ」だったのか〜。それで宮崎アニメは空を飛ぶのか! 知らなかった。

庵野のアフレコ問題ね。

私は大反対だったな〜。きっと庵野秀明を全然知らない人の方が受け入れられたんだと思うんだ。私にはアニメを見ながら裏でアフレコ当ててるヒゲ面の男の顔が目に浮かんじゃって、ダメでしたね。

「声に何考えてるのかわからないところがあるからいいよ」by 宮崎駿。まあ、確かにね。

ナウシカのラストで巨神兵を描いた庵野がエヴァを経て堀越二郎の声を担当し、この数年後に「シン・ゴジラ」を作る。一度きりの人生で人の巡り合いっていうのは、やはり奇跡かな。

「宮崎駿は他人(ひと)のエネルギーを自分のエネルギーに変える天才」by 鈴木

「宮さんにとってはスタッフはみんな下駄だから」by 庵野秀明

なんですと⁉︎ 二郎が亡き奈穂子に呼ばれるシーンの台本が「あなた きて」から「あなた 生きて」に変わってる! 真逆じゃないか! ギリギリのところで宮崎駿は「風立ちぬ」を生きる映画に変えたんだ!

「もう一本やりそうですよ」by 庵野。予言的中(^^)

日本の先行きを憂うる影像に安倍総理の街頭演説の映像を重ね、ジブリとして「改憲 もってのほか」(東京新聞)と平和憲法の大切さをうったえる。

引退会見の際に持っていた紙には「僕はあと10年は仕事がしたいと思っています」と書かれていたという。

作品を通して父としての顔、家庭人としての顔は一切見えてこない。宮崎吾朗は出ていても。

高畑勲もちょろっとしか出てこない。作品内で人格破綻者とまで言われているが、よほど「かぐや姫の物語」の制作が切羽詰まっていてドキュメンタリー映像を撮っている余裕なんてなかったんだろうな。でもこっちの泥沼の制作現場のドキュメンタリーも見てみたかったけど。

宮崎駿の、最後のジブリのドキュメンタリーであると共に「風立ちぬ」のメイキングでもある。忙しいはずの影像なんだけど、ジブリ美術館や三鷹の森や猫のウシコの影像と共に語られる宮崎駿の時間は、意外にもゆったりと感じられる作品に仕上がっている。

私にとって「風立ちぬ」は、2013年、日本アカデミー賞の特別会員として、協会HPにレヴューを書かせていただいた思い出の作品。それだけに格別の思い入れで本作を見ることができた。

一旦、引退を決めたところまでで本作は終わるが、日本中のファンが宮崎駿の新作を待っている。



*ウシコはまだ元気にしてるのかな?

*千吉、かわいいけど、いつもスカーフしてるね。撮影用?

*なんでヤクルトおばさんがこんなに何度も写ってるの?
fujisan

fujisanの感想・評価

3.8
「君たちはどう生きるか」につながる、ジブリのドキュメンタリーでした。

「君たちはどう生きるか」を観て以来、様々なジブリ関連のドキュメンタリーを観なおしています。これらについては基本的にレビューをするつもりがなかったのですが、本作の内容は「君たちはどう生きるか」に通じるのではと思ったので、レビューを書いてみることにしました。




■ 映画について

本作は2013年に公開されたドキュメンタリー映画で、監督は女性ドキュメンタリー作家の砂川麻美さん。

『ジブリのドキュメンタリーと称する作品は数々あったが、ジブリを題材に映画を作る、そう考えた人はだれもいなかった。』 というのが本作の監督、砂川麻美さんの言葉です。

ジブリスタジオを主な舞台として、ジャケ写にも登場されている鈴木敏夫プロデューサー、宮崎駿監督、高畑勲監督の三名を中心とした人間模様を描いており、

時期としては、ちょうど宮崎駿さんの「風立ちぬ」、高畑勲さんの「かぐや姫の物語」制作中の時期で、ドキュメンタリーは制作開始から「風立ちぬ」公開後の宮崎監督の引退会見までを描いています。


■ 本作の特徴について

ジブリに密着したドキュメンタリーはNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」を中心に数多くの作品がありますが、本作の特徴は、若い女性監督の視点で描かれていること。

NHKのドキュメンタリーは起承転結のメリハリがついた演出になっていて、終盤には必ず大きな山場があり、それをなんとかクリアしてスガシカオさんのテーマ曲になだれ込むというものですが、本作は女性監督作品らしく、終始柔らかなほのぼのした、淡々とした雰囲気で展開されています。

タイトルに『狂気』という言葉は入っていますが、常にスタジオ内に怒鳴り声が飛び交うというものではなく、鈴木さんも宮崎さんも終始優しいおじいちゃん的な感じで、鈴木さんは別として、どっちかって言うとこっちの雰囲気のほうがスタジオの実態に近かったのかもしれないなと思いました。

(終盤、宮崎駿さんの息子さん、宮崎吾朗さんの「ゲド戦記」のプロモーションの辺りでは吾朗さんの激昂シーンはありましたが・・・😓)

本作の監督砂川麻美さんは、自身の父の死をテーマにした「エンディングノート」が高い評価を受けるなど優秀なドキュメンタリー作家ですが、ジブリスタジオとは縁のない方。

そんな彼女がなぜジブリに長期密着できたのかというと、本作のプロデューサーがドワンゴの川上さんであったことがあるようです。当時川上さんは鈴木敏夫さんの元でプロデュース見習いとして弟子入りしており、「風立ちぬ」のプロデュースにも参加されていた関係で撮影が許可されたようですね。

というわけで、
他のドキュメンタリーとは一風変わったドキュメンタリーでした。


■ 印象的だったところをいくつか

・まず、高畑監督😅。ジャケ写には高畑勲さんも映っていますが、ドキュメンタリーに高畑さんはほとんど登場しません。理由は、撮影が邪魔だということで、追い出されたということでした😅

・次に、宮崎駿さんを手玉に取る三吉(みよし)さん。『サンキチさん』の名前でジブリに詳しい方には有名な方のようですが、明らかに宮崎さんが好意を寄せている童顔の若い女性の方で、ものすごい年の差の二人が、微妙な距離感でイチャイチャしてるところが面白い。このあたり、さすがに女性監督の視点だなと思いました。

(サンキチさんのエピソードは岡田斗司夫さんが数多く語られているので、参考としてコメント欄にURLひとつ貼っておきますね)*1

・主人公の声を庵野秀明さんに決定するシーンでは、声優が決まらないという打合せ中の突然のひらめきと、直ぐに本人に電話する鈴木さんの行動力、庵野さんの反応までが一連のコントのようで、とても面白かったです👍(庵野さんが受けた電話の声まで入ってます)

・そして終盤の、作品完成後に三人がジブリスタジオの屋上で揃うシーン。これは偶然撮影できたそうですが、ジブリスタジオのスタッフの方もほとんど見たことがないというレアなシチュエーションだったそうで、感動的なシーンでした。


■ そして「君たちはどう生きるか」へ

本作のラストシーンは、「風立ちぬ」公開後に行われた宮崎駿監督の引退会見。映像は、会見前のホテルの控室から撮影されていました。

そんな中、宮崎さんが控室の窓から東京の景色を眺めつつ監督に語りかけるシーンがとても興味深かったので、映像の中からそのまま引用します。

------------
(窓の外の遠くのビルを指さしつつ)
『ほら、あそこにある木に囲まれた建物、全然周りと違うでしょ。その屋根から右側の建物に飛び移って、駆け抜けて、緑の壁のところに飛びついて、あの配管をよじ登って、あの屋根の上を走って、さらに向こうのビルに行くって言いうのを、アニメーションでやったら面白いでしょ ~ そうやって見るだけでね、つまんない街だと思っていてもとんでもない舞台になるんですよ。はるか向こうにまで行けそうな気がするんですよ』
------------

これは、「君たちはどう生きるか」が公開された後に観たからこそ気になる部分なのかもしれません。

私はこれを聴いて、「君たちはどう生きるか」で繰り広げられた、過去のジブリ作品達のセルフオマージュのシーンを思い出しました。


そして、宮崎駿監督が引退会見の時に手に持っていた『引退の辞』の冒頭にはこう書かれていたそうです。

------------
ぼくは、あと10年は仕事をしたいと考えています。自宅と仕事場を自分で運転して往復できる間は、仕事をつづけたいのです。その目安を一応“あと10年”としました。 *2
------------

冒頭に書いた通り、今作の公開は2013年。そして、宮崎駿監督の引退会見が行われたのが、2013年、9月6日のことです。

ちょうど10年経ちました。でも、私はまだ、宮崎駿監督作品をまだまだ観ていたいです。




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