『サプライズ』アダム・ウィンガード監督作品

おぉ～そうくるか(〃∇〃)

まさに原題
A Horrible Way to Die☆

不思議で不穏なカメラワークと視点切り替え。
その向かう先は……

淡々としつつもバイオレンス描写もしっかりある、なかなか面白い作品でした♪

きっとさん、オススメ有難うございます!!!



元恋人ギャリックが殺人を犯し、それを通報したことで、名前も住所も変え怯えながら生きているサラ。

アルコール依存症となったが、克服する集会に出て、ケヴィンという青年とも仲良くなり、あれこれ好転していく。

しかしギャリックが移送中に脱走したと報道があり……



手持ちカメラかな？って位のぐらぐら画面が、不安を掻き立てるし、怖さがリアルに感じられて良かった！

時間軸も微妙に前後していて、ボヤけたりする演出が、何かを思い出しているようで上手い。

そんな感じなので酔う人もいそうだし、あまり大きな波はないのだけれど、その静けさからのバイオレンス描写、そしてラストはとても好みです☆

『サプライズ』と同じく、あるようで無かった設定、演出がイイですねぇ～

アダム監督作品、どんどん観ていきたい♪

ワタシの元カレ殺人鬼！！

脱獄した猟奇殺人鬼が死体の山を築きながら、元カノに会いに向かうお話。

以前観てレビュー書いてましたが、改めて観返したので再レビュー。

なかなかに面白い作品なんですが、クセの強い映像と独特のテンポ感に好みが分かれそうなところです。

過去と現在を行ったり来たりな演出が、少々面倒く感じちゃったかも。

終始、ボヤけたブレブレな映像。
アル中な主人公を意識してなのか、物語の不穏な空気感を表現しているのかもしれませんが、やりすぎな気もしました。

平気で人を殺めてしまう殺人鬼の描写は、なかなかショッキングでした…。
いや、殺す必要無いだろうに〜
って殺人鬼に言っても意味無いか…w
常人には理解出来ない思考回路よね。

脱獄犯の殺人衝動と、アルコール依存が上手く対比され、ラストに収束するクライマックスは秀逸。
あぁ、こういうことだったのか！と驚きと納得の展開でした。

これは…
殺人鬼なりの愛のカタチですね。
ダーク過ぎるアンチヒーロー。

恐過ぎっ。

本能的に体が殺人に走ってしまうカリスマ的殺人鬼ギャレットの脱獄と、断酒セミナーで出会ったサラとケビン二人の男女の恋愛とが交互に映されます。
警察の捜査網をかいくぐりながら、どんどんと惨殺を繰り返すギャレットの一方、同じ苦しみを分かち合いながら気持ちを触れ合わせるサラとケビン、「サイコホラー？ラブロマンス？一体この話はどこに向かうの？」と困惑をしつつも、宣伝文の「This is a LOVE story」の通り、おおよそ登場する膨大な死体の数から想像できない程、切なく美しいラブストーリーに帰着する奇妙な映画がこの『ビューティフル・ダイ』です。

「マンブルゴア」というジャンルは、アメリカのインディペンデント映画において、素人俳優(主に監督の友人などが出演)・アドリブ演出・口語的なダイアログを導入し、現代的な会話をより自然に画面に映し出す試みである「マンブルコア」と、流血を意味し、残虐なシーンを含む映画を表現するときに用いる「ゴア(gore)」を足し合わせたものです。
この「マンブルゴア」の騎手として監督のキャリアを積み、今作『ビューティフル・ダイ』でファンタスティック・フェストで最優秀脚本・男優・女優賞を獲得し一気に有名に、最近ではNETFLIX製作のアメリカ版『デスノート』の監督、また超大作、モンスターバースの4作目『ゴジラvsキングコング』の監督にまでに抜擢される大出世を見せたのがアダム・ウィンガード。今作はド直球の「マンブルゴア」で、「マンブル『コア』」の俳優として名高いジョー・スワンハーグ氏をケビン役に起用しています。

今作が信者がつくほどの殺人鬼ギャレットが主人公の映画と聞くと、アダム・ウィンガードが同じく信者がつくほどの殺人鬼キラが主人公の『デスノート』のリメイク監督に選ばれた理由が一目瞭然ですが、殺人をする度に苦しむギャレットの様子はキラとは全く別物。サラやケビンがアルコール中毒に苦しむように、ギャレットも殺人中毒に苦しむ一人の人間に見えます。

後の『サプライズ』、『ザ・ゲスト』と得体の知れない殺人鬼を、どこか悲しみの運命を背負った人物として描くアダム・ウィンガード作品に通ずる監督の悲しき殺人鬼観は、初めて劇場で『スクリーム』を観てからホラー、殺人鬼スリラーばかりを撮り続ける監督が自身を見つめるその視線と重なっているように思いました。