「ピンク映画の四天王」の一人、佐野和宏の監督・脚本・主演作品。監督するのは実に18年振り。

と言っても18年前を知りませんので何の感慨もありません。ごめんなさい。

男の不細工な愛を観る映画。

下咽頭ガンを乗り越えて、平和な夫婦生活を送っている男が、ある日娘に問われる。
「私は誰の子？」
血液検査で自分の血液型が父母から生まれるはずのないものと分かったらしい。

妻が自分以外の男と過ちを犯した…。

そこから愛を求める無様な旅が始まります。

上映後、舞台挨拶にいらしたプロデューサーの方が、いろんな見方をされる映画を作りたかった、批判があって当然だ、というようなことをおっしゃっていました。

残念ながら、僕は感じるものはありませんでした。無様な姿を観るのは好きですが、無様さが、映画の題材にするほどではないと思ってしまいました。

3本ハシゴの3本目でしたから、疲れていたかもしれません。3本目は、やはりバカっぽいヤツじゃないとダメですかね。

声なき愛の叫び。

東風セレクション。
佐野和宏監督、脚本、主演。
ピンク四天王の1人。らしいですが、これまで全く接点のない世界の方なので存じ上げず。
上映後にプロデューサー(映画評論家 寺脇研)の方のトーク付き。

がんにより、声帯を失った男の物語。
娘は成人し、愛する妻と仲睦まじく暮らす日々。
そんな中、娘が自分と妻との間の子ではないことを知ってしまう…。

何事も経験、ということで鑑賞。
ストーリー、脚本、演技はいささか陳腐というかチープに感じたが、よくわからないパワーも同時に感じた。
どこからどう切っても何らかの愛の形を描いていることに気がつく。
純愛余って憎さ百倍、愛の復讐そして贖罪。
貢ぎ貢がれる歪な愛。
家族愛までも。

いいな、と、思ったのは、声を失った主人公が筆談するシーン。書いた内容が映されることもあれば、そうではない時も。相手の反応で何を書いたか想像する楽しさがあった。かつてのサイレント映画のよう。

さすがピンク四天王ということで濡れ場シーン多めで、エロ度高し。こういうシーンを劇場で観ることになるとは…。
男の理論というか都合で話が進むので、女性的にはどうなのか。

声なき長台詞、声なき叫びは耳に届かない。
その愛だけが心に届く。

• #undo2016劇場鑑賞邦画

佐野寿保監督
サトウトシキ監督
佐野和宏監督
瀬々敬久監督

この四人
日活ロマンポルノが打ち切りとなった
1980年代後半に登場した
ピンク映画界の四天王
期末テストに出るので覚えましょう
佐サ佐野瀬（さささのぜ）で覚えましょう
因みに
四人の共通点は
痴漢電車シリーズを監督していることです。
そんなピンク映画界の四天王の一人
佐野和宏監督
18年ぶりの監督、脚本、主演作
2011年に咽頭癌を患い声帯を失っての
演技は俳優の現実そのままに
心打つものが感じられ
声にならない叫びは
表情を
観客側が読み取らなければ
ならない演出になっており
風景描写も重要で
トンネル＝膣かな？
チャーハン＝猥雑な関係かな？など
夫婦の気持ちを演出している
監督の演出方法は素晴らしい！

実は佐野監督は
映画監督のキャリアより
俳優のキャリアの方が長いそうで
明治大学在学中に松井良彦監督
石井聰亙監督（現 石井岳龍）らと出会い
『狂い咲きサンダーロード』などに
出演している
そして本作に出演の飯島洋一さんとの共演は
『狂い咲きサンダーロード』以来
実に35年ぶりだという
自身狂い咲きファンとして嬉しい(^^)
女優円城ひとみさん、蜷川みほさんの
生理の重い感じの演技も素晴らしかったです

そんなこんなで
ピンク映画界の四天王の二人
佐藤寿保監督の『華魂〜幻影〜』
瀬々敬久監督の『64』
僕が言うのもなんですが
この四人注目です！