【在りそうで無いプロット】
長崎俊一監督作品では無い方の夜のストレンジャーでございます。

戦地で負傷し療養中にローズマリーさんという女性との文通で心を通わせていた軍人ジョニーさん。
戦地から地元に戻って来た事をきっかけに文章だけのやりとりで顔を見たことが無いローズマリーさんに想いを馳せて彼女の屋敷を訪ねるジョニーさん。
だがしかし屋敷には老女と家政婦しか居らず、老女はローズマリーの母親だと名乗る。
そして件の娘は不在だと告げられる。

屋敷に飾られたローズマリーさんの肖像画。
彼女の存在が絵でしか確かめられない。その絵とともに物語が怪しく進行して行くのが構成として上手いなと思いました。
ローズマリーさんとは無関係のど派手な列車事故も粋な演出だなと感心いたしました。

途中でオチは予想がついちゃいますが緩めのどんでん返しと滅びの美学を感じるラスト５分がたまらなく好みでした。
老人ホラーと短い尺とノワール好きの方におすすめの良作でございます。

• #珠玉の老人ホラー
• #ネタバレ厳禁シリーズ
• #古典の名作
• #サスペンス
• #40s
• #約60分
• #Toineとカタストロフ
• #Toineの感想文

戦後のフィルム・ノワールと帰還兵士が密接関係にある事を証明するような一本で、ペンフレンド＝顔を知らない女性に会いにいくという行為に孕むサスペンスは現代のネット犯罪と何ら変わりないのだが、異常性が露見する以前からこいつはヤバいと観客が察知できるような構造になってる気がする。

57分なので広がりのないミニマルな脚本で良いと思うし、屋敷の狂人譚はサンセット大通り然りいざとなったら力づくで逃げられるのに、空間全てがそいつに支配されてるような感覚に陥って下手に動けない不気味さがある。
何より殺人バリエーションの豊かさよ。リアリティ云々は別として、彼のサディズム演出で普通に拳銃で死ぬ人間なんて殆どいないんじゃないか。

• #圧死

面白い！
ニューロティックサスペンス。


兵士が文通していた相手に会いに行く。そこには足の不自由な老女と召使い。文通相手の老女の娘はなかなか帰ってこない。


削ぎ落とした演出が、短編物でも観ているかのようなスピード感を生み、突拍子もないアクションがアトラクションのようにドキドキハラハラさせる。

終わってもなお、物語には奥行きもあり、この老女についてはいくらでも言及できそう。


ちょっとズルい面白さって感じがする😏。
楽しかった！