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『ふたりの死刑囚』に投稿された感想・評価

フライ

フライの感想・評価

3.7
法治国家であり、近大日本において未だに続く間違いを認めない国の傲慢が良く分かるドキュメンタリー

当時倫理観の無い警察が強要した自供と、検察の提示し矛盾した証拠で裁判官により犯人とされた二人の死刑囚、袴田巌氏と今は亡き奥西勝氏の怒りと無念が伝わって来るドキュメンタリーだが、同時にこれ迄山ほど警察と検察がつくって来た冤罪事件への警鐘を鳴らす作品。
怒りしか湧かないこの事実を仲代達矢の落ち着いたナレーションにより冷静に受け止めさせてくれ、余計心に訴えかけるものが。

こう言う作品を観ると日本の中枢は戦前から変わらないのだなと強く感じてしまう。保身の為自分達の間違いや、変わらなければならない事に目を伏せ、隠し、再審請求を退け続ける裁判所の姿勢に、昔の間違った考えを強要、国民を騙し戦争へと突き進んだ国の姿が重なり、改めて心から信用してはならないのだと強く感じる。何より冤罪による罪の深さは、彼らの人生を失わせるだけでは無く家族や関係者、被害者家族の2重被害により生活を狂わせる上、真の犯罪者を野放しにして、他の被害を出し更なる被害者をつくる恐ろしさが有ると言う事実。

ニュースを見ているだけだと死刑と言う最高刑を科された人がなぜ無罪になったり、刑を保留されているのか分からないし、自分が住む日本の裏の顔や犯罪者を探す為の強い制度を作れない理由などを知ると言う意味でも、出来るだけ沢山の人に見て欲しいと思える作品の一つ。
『ヤクザと憲法』に引き続き東海テレビのドキュメンタリー。これまで9作品、劇場版にして「DVD化にする予定はない!」と明言したので、映画館に直行!まさか、出さない出さない詐欺じゃないでしょうね?

そんな事は良いとして、タイトル通り
袴田事件の袴田巌(79歳)
名張毒ぶどう酒事件の奥西勝(89歳)
2人の死刑囚を追ったドキュメンタリーです。

ちなみに袴田事件は新井浩文の『BOX 袴田事件 命とは』
名張毒ぶどう酒事件は仲代達矢の『約束 〜名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯〜』という劇映画にまでなっています。特に『約束』の方はかなり面白いです。主演した仲代達矢も舞台挨拶で「彼は無罪」と言っていたらしい。

今回のドキュメンタリーのナレーションも仲代達矢が担当。この死刑囚と同年代でもある彼の声は時折、死刑囚そのものであるかのように静かなる怒りに満ちた魂の叫びにも聞こえて胸を打ちました。

最近の事なのでご存知かと思いますので書いてしまいますと名張毒ぶどう酒事件の奥西勝さんの方は2012年から肺炎にかかり去年治療刑務所で死去。結局、再審請求が認められないまま死刑囚の状態で死ぬことなったわけです。。寝たきりの状態なのに身内の人ですら5分しか面会できないとは、なんて酷い話なんでしょう。

こうして老人になるまで引き伸ばして寿命を待つ事が狙いなんじゃないかと勘ぐってしまいます。

一方、袴田巌はエディ・マーサンに似ていて「―なんだなぁ」という口調が独特の死刑囚。48年も刑務所に入れれた後に検察官側のでっち上げ的な事が発覚し再審が認められ釈放されるも死刑囚特有の[拘禁反応]というもので精神に異常を来たしてしまって確かに会話が噛み合ってないシーンが何度もありました。宇宙と交信するシーンもあり心が痛いです。そんな彼も後半からだんだん笑顔を取り戻して周りに挨拶もしてくるのが印象的でした。

このように一度死刑が確定するとひっくり変える事はおろか再審すらも何十年も難しいものなだなぁと…裁判のあり方をまざまざと感じさせてくれる良いドキュメンタリーでした。

ちなみに袴田巌は元ボクサーで年間19試合した記録は未だに破られていないらしい!!スゴイ!!

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