真昼の暗黒の作品情報・感想・評価

真昼の暗黒1956年製作の映画)

製作国:

上映時間:112分

ジャンル:

3.8

「真昼の暗黒」に投稿された感想・評価

1980年11月14日、ACTミニシアターで鑑賞。

実際の冤罪であった裁判を描いた映画であった。
決して明るい映画でもないし、楽しい映画でもない。
強いて言うなら「現代における歴史を知るための映画」と、観客には思える。

ただ、作り手は、当時まだ進行中で「冤罪確定」前の時点で、この映画製作をしているわけなので、正義感あふれる映画製作者たちだったのだと思う。
takato

takatoの感想・評価

4.2
 あなたは無実の罪で突然で逮捕されたらどうしますか?。カフカの不条理劇「審判」のように不条理な現実。ダーク橋本忍全開の作品。「母なる証明」の反転版といった内容。それにしても今の日本は物騒で、昔は良かった的なことを言う人は、本作や「復讐するは我にあり」とか実録ヤクザもの見てないのかな?。犯罪率は、現在のほうが昔より遥かに低いって統計が出てるっての。


 実際の冤罪事件を元にした裁判ドラマ。単なる犯罪もので終わらない、日本の暗部を見事に描いてる橋本さんの眼光の鋭さよ。予断をもって捜査していた警察は、どんどん事件を捻じ曲げ自分たちの都合の良い供述を強制していく。しかし、間違っているんだから当然次々に矛盾が出てくる。それでも、もう体面という馬鹿馬鹿しい物が邪魔して間違いを認められず、犯人以上の罪を犯していく。即ち、不正を正へと丸め込もうとしていくのだ。オルテガ曰く、人間の最大の罪の一つは不正な状況を不正と知りながら受け入れてしまうことである。恐ろしいのは警察だけでなく、世間の良き人々とされるような連中も同断である。やったとか、やってないとかどうでもいいからとにかく謝っとけ式に罪を認めて大人しくしとけ!と圧力をかけくる。こういう波風立てるのは良くないって恐ろしさは、昔の話ではなく今の日本でも現前と存在している。

 単にシリアスだけ終わらないのが橋本忍の恐ろしさである。こんなシリアスな状況でもギャグをぶっこんでくる。調べれば調べるほどにおかしな点が出てくるのを弁護士さんが指摘して、時間通りに犯行を行うといかに無茶な状況かってのを再現する場面は完全にコメディータッチで描かれている。これも、こんな馬鹿げた話が正当化されようとしているという皮肉が見事に効いている。この前振りが、信じがたいラストの効果を増している…。

 この映画は、実際の事件後ではなく、正に進行中に作られたということを知るとより驚きが増す。事件について橋本さんたちが調査していく内に、これはどう考えても冤罪である!という方向から本作は作られている。もし、自分たちが間違っていたら映画作りから辞めようという覚悟の元に、未決事件に対する挑戦として本作は作られているのだ。そして、事件は橋本さんたちの考えた通り冤罪であることが明らかになった。勿論、事件解決は本作だけの力ではないが、その一助になったことを否定する必然はあるまい。社会正義を訴えるために、現実を動かすために映画はちゃんと力を持っていることが本作について知ればわかるだろう。
あ

あの感想・評価

3.9
過去の挿入がうまい。
セリフの最後の言葉が、過去への入り口。にしているから、間延びせずに見ていられる。
ラストの衝撃。
人間の狡猾さを思い知らされる映画。
凄い作品に出会いました。
この作品の元ネタの実在の事件は、すでに終わっていますが、二審の終わりまでのストーリーです。
とにかく凄く面白いです。
展開が早く、見せ場も多くて時間が立つのが速い位です。
古い作品なのですが、古さを感じさせません。
あと、音楽もいいです。(ゴジラの伊福部)
出てる役者さんも、後に映画、テレビに活躍するバイプレイヤーの人がいっぱい出演してます。
公開当時のキネマ旬報ベストテンの第一位は納得出来ますよ。
大介

大介の感想・評価

3.8
昭和26年に実際に起こった事件をモデルにした作品。

「八海事件」。恥ずかしながら、自分はこの事件のことは全く知りませんでした。


一応フィクションとなっていますが、ほぼ大筋は実話ですので、派手な場面もなく真面目すぎて退屈される方もおられるかもしれませんね。ただ、某回想シーン?はなかなか「真面目にふざけてる」みたいな感じでよかったです。

また、古い作品ですので音声が聞き取りにくく、DVDに日本語の字幕もついてないのが残念でした。

でも、自分は真夜中にひとりで時間も忘れて夢中になって観賞しました。

内容は割愛しますが、俳優陣の皆さんがとてもよかったです。個人的には特に女優さんですね。飯田蝶子さん、夏川静江さん、北林谷栄さん、五月藤江さん。特に飯田蝶子さんの某シーンは本当に素晴らしかった。

他にも以前からのお気に入りの左幸子さんもよかったですし、初めてみましたが鈴木洋子さんもとても印象に残りました。


そしてなんといっても、当時の実際の裁判審理中に、司法当局や映画制作会社などからのかなりの圧力を受けながら、この作品を公開するという関係者の皆さんに本当に敬服いたしました。

そしてこの作品がもたらした影響はとても大きなものだったと自分は思っています。もし制作されていなかったら、たぶんもっともっと沢山の「○○」が生まれていたんじゃないかと思ってしまいます。


…ひとつ残念なのが、DVDのパッケージでほぼネタバレなこと(泣)。
まぁなんとよくできた映画だこと!橋本忍脚本✖️社会派今井正。張りつめた緊張感がいい。
この映画は社会に一石を投じた作品で、警察のあり方、裁判のあり方に影響を与えたようです。
キネマ旬報年間1位をはじめ、各賞そうなめです。こういう作品はなぜか知られていないんですよね。残念です。
キャスティングが実にいい!華やかな俳優陣ではないですが、山茶花究氏、菅井一郎氏なんて、もう出てきただけで安心感。
はぁ、お上日の丸 警察検察裁判官は今も昔も関係なく保身保身保身。
橋本忍脚本というだけで見ましたが、素晴らしく良かった。
せつなー
ガハラ

ガハラの感想・評価

3.6
成り行きで鑑賞。

単独犯だった犯人が罪を軽くするために知り合い4人を共犯に仕立て上げるのだが……いや〜、警察 ダメですわ〜。
最初から4人を犯人って決め付けてるし、取り調べは完全に拷問だし、冤罪が生まれるのも納得いく。

犯人がクズなのは確かだが、それに勝るくらい、警察もクズだ…

いろいろおかしな点があるのに最後のあの判決…かなり重い……

今では考えられないくらい、恐ろしい事件である…
神

神の感想・評価

3.8
権力や保身が人の一生を台無しにしてしまう。飯田蝶子と草薙幸二郎に涙。犯罪再現はコンパクトで分かりやすく秀逸。