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ライク・ア・キラー 妻を殺したかった男

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ライク・ア・キラー 妻を殺したかった男

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ライク・ア・キラー 妻を殺したかった男の作品紹介

ライク・ア・キラー 妻を殺したかった男のあらすじ

1960年、ニューヨーク。建築家のウォルターは、美しいが神経質な妻クララとの生活に息詰まりを感じていた。ある日、パーティーで会話をした女性に心惹かれるも、それに嫉妬したクララが自殺未遂の騒ぎを起こす。ウォルターはそんな妻に嫌気がさし、妻殺しの完全犯罪を実行したとされる男の記事を思い出し、彼に接触を試みる―― 数日後、クララの死体が森の中で発見された。自殺の疑いが強かったが、ある一人の刑事は夫のウォルターを怪しむ。

ライク・ア・キラー 妻を殺したかった男の監督

アンディ・ゴダード

原題
A Kind of Murder
製作年
2016年
製作国・地域
アメリカ
上映時間
95分

『ライク・ア・キラー 妻を殺したかった男』に投稿された感想・評価

幽斎
3.8
素晴らしい原作と俳優を要しても傑作とは為らない。本作は日本ではソフト化されず配信かレンタルのみ。スリラー専門の映画ファンとしては、Filmarksの評価が低い事に異論は無いが、色々と惜しいファクターも有るので弁護気味に書きたい。未体験ゾーンの映画たち2017作品。シネ・リーブル梅田にて鑑賞。

原作はアメリカを代表する作家Patricia Highsmith女史。長篇1作目「見知らぬ乗客」は当時センセーションを巻き起こした傑作。実はプロットはフレドリック・ブラウン「交換殺人」、ニコラス・ブレイク「血ぬられた報酬」が同じ時期に刊行され物議を醸したが、ラッキーだったのは、滅多に他人を褒めないAlfred Hitchcockがプロットを気に入り映画化。因みに脚本がRaymond Chandler、正にスリラーのドリーム・チーム。その後は皆さんご存知「太陽がいっぱい」「アメリカの友人」「キャロル」。氏はミステリー作家と言われる事を終生嫌い、純文学に身を捧げた。原作は学生時代に読了してます。

初期の傑作長編「妻を殺したかった男」初の映画化。原作の題名「The Blunderer」はドジとかマヌケと言う意味が有るが、映画の原題は「A Kind of Murder」と変質。これは「ある種の殺人」とでも言うべき意味で、原作の邦題が既にネタバレなのだが、残念な事に原作の大事なテイストは改悪されてる。原作はサイコロジカル・スリラー的な要素が強く、登場人物の「一挙手一投足」に神経を尖らせる展開だが、本作では手掛かりに乏しいミステリーの様で、それをノワールで包んだ故に、結末の解釈を観客に委ねてしまった。原作の複雑に入り組んだ策略は、緊張感の無い脚本でスリルも薄れてしまった。原作は1954年出版ですが、映画は1960年が舞台。ウォルターの職業は弁護士から建築家へ変更。犯罪小説を執筆する趣味は原作には無い。

Andy Goddard監督は長くTVシリーズを手掛け本作が長編初監督。雪降るマンハッタンの風景など視覚的に優れた演出も有るが、本作がポンコツなのは自身が脚色を務め製作したSusan Boydの責任の方が重い。脚本をノアールで〆るなら、ラストは余韻を残したビターなテイストで纏めるべき。それを原作には無いハードボイルド調にして全て台無し。アメリカでの評価も本作一作で地に落ちた様で、ハリウッドからは姿を消してる。監督の演出で良かったのは「太陽がいっぱい」を意識した作劇。同じ様に富める者と貧しい物の対比が上手く描かれてる。監督はプロデューサーを選べないが、もう一度チャンスを与えてもと思える雰囲気は醸し出せてた。

主人公を演じたPatrick Wilsonは、私も大好きな俳優だが、死霊館シリーズの様な夫婦漫才も出来れば、良い人もソツ無く演じるし、影の有る役も実は得意。本作でもリプリーの様なイノセントな狡猾さを巧みに演じた。劇中で彼は自分よりも格下の相手のモノを手に取る事をしない。私も友人からPatrick Wilsonに似てると言われますが(他薦(笑)、細やかなサイコバス的な所作が出来る彼は、もっと評価されて良い。彼の愛想が良く見えて、実は他人に興味が無い(様に見える)俳優をリトル・チルドレン系と言うが、正にハマリ役。Jessica Bielは完全に添え物扱いで勿体無い。一説に因ると役が逆だった話も有る。そのHaley Bennett、彼女目当てで観る方も多いだろう。ここからグッと来ないのがハリウッドの難しさ。それでも、これまた私の好きなChris Evansと共演した「THE RED SEA DIVING RESORT」(原題)は良かった。

Highsmithらしい不合理な展開が面白いが、本作のレトリックは「願望」と「行動」は一致するのか?。原作はHitchcockが得意とする「勘違い」を上手く取り入れてミスリードを誘うし、女性目線らしい意地悪な人物を際立たせる事で、物語の核心に触れて行く訳だが、映画では時代背景を加味しても、コンプライアンスに似気無い描写が視覚の邪魔をして、作品に入り込もうとする観客を阻害してる様に見える。犯人の焦りから来るメンタルの崩壊を足掛かりに「死んで欲しい」と願う事、それを「実行」する事の違いを作者は読者に問うてる。其処を描けて無いから評価は低い。

私も原作が未読なら、本作のモャッとしたオチには到底納得しないだろう。小説家と言う原作の無いプロットは無駄に話を複雑化するだけで、全く意味が無い。ラストの結末は映像で語られた事を素直に受け取れば良い。原作は犯罪者に共感を覚えてしまう背徳感が評価された訳で、どんでん返しでは無い。それで評価が低いのでは原作者も新人監督も浮かばれない。

夫婦関係が上手く行ってる人、そうでない人にも観て欲しい。キャストに興味の有る方は観て損は無い。
panpie
3.5
Filmarks のレビューで知った今作。
「ザ・ギフト」を借りたかったけどまだ新作だったので一週間レンタルをしたい私はこっちに変更してしまった。(^_^;)
あまり評価が良くなかったが興味があってレンタルした。


時代設定がとても素敵!
衣装や家や車、古本屋、ひいてはタイプライターまで何から何まで出てくるものが素敵だった!
これいつの時代?
最初に説明がなかった気がする。
でも衣装の感じで1950~1960年代?
主人公ウォルター(パトリック・ウィルソン)は建築家で小説家。
妻のクララ(ジェシカ・ビール)とは夫婦仲も冷めている。
ある日のパーティ。
その中で一人だけ現代風で目を惹く美人エリー(ヘイリー・ベネット)に目が止まる。
これは惚れる。笑
おまけに小説が雑誌に載っても全然喜んでくれず素っ気なかった妻と違って挨拶の後開口一番に「本を読んだわ」なんてこれはオチる。笑
それに奥さんがこんなに嫉妬深いならもっと男心を分かってあげないと。
手綱は引いたり緩めたりしないと引いてばかりじゃ離れていくのは仕方がない。
殺されて当然とは思わないけどウォルターは何度か関係を修復しようと歩み寄っているのに足蹴にされたらこれはもうタイミングもあってエリーに走ってもおかしくなかった。
でも自分が不倫しといてやっぱり妻は死んで欲しいと男は思うんですね。笑
妻クララは精神疾患があり病気の母親から電話が来てそれに悩まされている。
悩んでいるから精神疾患?
精神疾患だからあんなに夫を追い詰めるのか?
そんな時に起こしたクララの自殺未遂もウォルターの離れていく気持ちに拍車がかかってもう後戻り出来ないところまで来てしまったようだ。
そこで事件は起きる。

一方妻が何者かに殺された古本屋の主人キンメル(エディ・マーサン)。
「おみおくりの作法」は未見なのだがジャケ写でなんとも忘れられない顔だった為覚えていた。(観なくちゃ。)
もうぴったりでしたね。
老練で周到で賢い。
表情だけで魅せる流石の演技だった
でもウォルターが事件の後警察に嘘をつきまくってキンメルはこのまま自分の事件は迷宮入りか?ってとこ迄来てるのにウォルターのせいでどんどん追い込まれ遂には動いてしまう。

キンメルもウォルターも限りなく黒に近いグレーである為一人の刑事が執拗に付け狙う。
そのコービー刑事は殺人を立証しようと嗅ぎ回っているうちにキンメルとウォルターの接点を見つけ出してしまう。
この辺りには引き込まれた。
そして思ってもみない方向へ物語は動いていく。

ラストは急展開でびっくり!
こうなるか〜!(´⊙ω⊙`)
そしてえーーー!って終わってしまった。(゚o゚;;
もうちょっと余韻ある終わり方出来なかったかなぁ。

パトリック・ウィルソンは折角「インシディアス」や「死霊館」でいい役だったのにまた「ハードキャンディ」に逆戻りな感じ。
ていうか私の中ではこっちのイメージ。
妻を殺したい女好きの不倫夫がぴったりでした。(^_^;)

妻クララ役のジェシカ・ビール、「トールマン」に出てたんですね!(°_°)
全然分からなかった!

でもクララはウォルターに殺された?
それとも自殺?
そこははっきりして欲しかったなぁ。
ラストのウォルターの意味深な笑みの後にキンメルの様に真実の映像を流すとかして欲しかった。
始めはキンメルとウォルターの交換殺人だ!と目星を付けていましたが全然違った。σ(^_^;)
愛人のエリーも絡んで来なかったし。

折角ウォルターが小説を書いてるとか建築家という設定なのだからもうちょっとひねった伏線を色々張る事も出来たと思うのになんか今一つだった。
でもそれを引いてもこの世界観は必見だった。
古い映画の様なスローな展開は割と私の好みで映像もとても美しく観る価値は十分あった。
クララの衣装が色使いの鮮やかなワンピースでちょっと「ララランド」を思い出した。
「ララランド」は青だったが今作は赤!
色で思い出す映画が私のリストにまた一つ増えた。
emily
3.7
1960年、ニューヨーク、神経質過ぎる妻クララに息苦しい思いを感じているウォルターは、パーティである女性に惹かれてしまう。妻は常に浮気を疑い、ある日自殺未遂してしまう。ウォルターは妻が殺害された記事を思い出し、犯人と疑われてる夫に接触を図る。同じ状況におかれたクララが同じように居なくなり。。

妻を殺した男と妻を殺したいとおもった男。その境界線は明らかであるが、 男の心理を逆手に取り、その隙間をグリグリと抉り、疑いのオーラが真実の筋を崩壊させていく。2人を警察の目が大きく2人に覆いかぶさり、その場しのぎの嘘がどんどん暴かれていく。1つの疑いは膨大に広がりを見せ、真実を上塗りし、それに追い詰められていく様が繊細に描かれている。

全編を通して古き時代のレトロなインテリアに暗いトーンの中、浮かび上がる赤色が不気味にコントラストを浮き彫りにし、見た目と真実は全く違うところにある事を分かって居ながらも翻弄されてしまう。真実と疑惑、そこにウォルターの心の声がのる自身の小説が交差し、男目線で語られながらも肝心な部分は見せず、妻はただのヒステリックな女に映り、観客に油断を許してしまわせるのだ。

暗いトーンの中、わずかな光から浮かぶ影を効果的に利用し2人と警察により繰り広げられる銃撃、心理戦からアクションへ発展し、滑稽に追い詰められていく。殺人なのか?自殺なのか?妻を殺したい、死んで欲しいと思った心の声が現実化された時のわずかな気の迷いと罪悪感を絶妙にコントロールし、"罪"の定義を観客にも叩きつけてくるのだ。罪の境界線はいつでも紙一重であること、1つの選択が大きな落とし穴に導かれることがある事を、改めて考えさせられる。

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