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アスペン
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『アスペン』に投稿された感想・評価

菩薩
4.0
アルペンっ!!!

かと思って、加藤晴彦×広瀬香美を期待しつつ、いやいやそんなはずないやん、アスペンやもん、なんて思っていたら、まぁまぁ雪山でスキーしててあながちアルペンみが無いわけでもなく震えた。

かつては銀鉱山として栄えたアスペンの街も、今や高級スキーリゾートへの姿を変え、街にはセレブが移り住み、人々は音楽や芸術に包まれながら、豪勢な暮らしを謳歌している。そんな彼らを(位置的に)下に見ながら、体を真っ黒に汚した鉱山(?)作業員たちは、削り取った岩石を真っ白な斜面に流し落として行く。自然保護の重要性を訴える青年の視線の先には、かつては絶滅の危機に瀕した野鳥と、山の斜面を削り取り開発されたリゾート施設、街にはおそらく彼の年収程はするであろう毛皮に身を包んだ女性達が闊歩する。事物の「影」を描くのだと煩く生徒達(?)を諭す芸術家がいる一方で、この街の画廊では超写実主義の絵画が馬鹿売れしていると言う。目に見える価値と目には見えない価値、観光開発が無ければアスペンの街は鉱山と共に廃れていったのだろうが、この街が得たものと、喪ったものとではどちらが大きいのだろうか。リスク&ベネフィット、何事も行きすぎては壊れて行く、神の言葉を必死に静寂の中で掴もうとするものがいる一方、目の前の人の話に耳を傾けない者もいる。アスペンの街にとっての「光」と「影」とは一体何か、この街に生まれた新たな対立構造は果たして「益」と言えるのだろうか。
3.5
【スキーリゾート地の裏側】
MUBIにてワイズマン追悼特集が始まった。驚くべきことに、従来海外ルートでも全く配信されてこなかった2000年代以前のワイズマン映画が大量に配信されて嬉しい状況となっている。観たかった『アスペン』があったので鑑賞した。

スキーリゾート地に来る者と地元民との関係。それはある種の植民地主義的な側面がある。観光客は、自らの領域を離れ匿名的他者として自らと異なる領域を娯楽として堪能する。一方で地元民からすると外から侵略されているように感じる一方で、地元の収入源だったりする。こうしたことは、円安によって傲慢な観光客が徘徊するようになった今の日本に住む者からすると理解が容易に思えるであろう。こうした慣行を巡るパワーバランスを撮る時、どうしても外なる存在を露悪的に描きがちだが、ワイズマンは違う。スキー場を舞台にしながら映画の大半はそれ以外の活動へと眼差しを向けている。特に興味深いのは、整形手術の講義について時間を割いているのだ。また、読書会のシーンにも力を入れている。銀鉱山として栄えて観光リゾート地へと変わったアスペンの多層的な歴史と対立的でありながら共存した領域を文化人類学的等価なものとしてイメージに収める。そのアプローチに惹き込まれたのであった。
甲冑
5.0
19世紀末には銀鉱の町であったアスペンもスキーリゾート地として賑い、この1990年には金持ち達がガッツリ別荘建てて住みついている。美容整形講座などの新興ビジネス会議や教会行事に結婚式、エステやボディビルからエコ活動募金興行ライブにウォーホールが並ぶアトリエでの絵画教室、フロベールの読書感想会などのハイめの文化コミュニティや移民問題を話し合う場もあったりWASPリッチな軽薄さだけではない多様な感じで楽しい。時代柄、怪しい検査機でマリファナ治療を行う医者や瞑想・集団セラピーなど純ニューエイジ思想な人々も見れて良かった。

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