読んで字の如く まさしく“春の夢”
瞬きのように刹那で 永遠のように終わらない
そんな錯覚と郷愁が 色濃く交わった なんともゆる〜い雰囲気が たっぷり…

一線を超えた云々とは無縁で
なのに色香が漂い
そして 誰もが痛みと哀しみを背負ってる
とにかく つかず離れずの距離感がいい
でもって 韓国若手監督の面々 みな一様に演技がうまい…撮り方も撮られ方も熟知していて どーにも芸達者だよなぁ

映画館の あの瞬間…
ヤラれたわっ
ほんの数秒だけだけど
青春がよみがえった気がする

なんとも絶妙な距離感、綺麗なお姉さんを取り巻く三馬鹿トリオの距離感は勿論だが、作品の中の夢と現実、生と死との距離感もどっち付かずで、この掴み所の無さは『慶州』でも遺憾なく発揮される監督の持ち味なのだと思う。三者三様で綺麗なお姉さんとお近づきになりたいのに決して抜け駆けは許さず、また仲は良いのだろうけどかと言って親友と言う間柄でもない三人のスリリングな関係性。イェリもその好意を真正面から受け止めるわけでも無く、かと言って手玉に取ると言うわけでもなく、四人のいつまでも続きそうな夢の様な関係性を断ち切るにはあの強引さが必要なのだと思うし、これまた絶妙な位置で挿入されるタイトルバックが、尚更この映画を不確かなものとしている。百合担当のお姉さんが肩揉みからガバッとおっぱい鷲掴みにするとこ凄い分かると思ったし「おっぱいを…触らせて欲しい…」のとこも凄い分かると思った、俺とおっぱいとのを距離はもはや三千里どころでは無いと素直に泣いた。一瞬だけ出て来るシン・ミナが圧倒的戦力。映画観てる最中に喋る馬鹿は死ねばいいのにと思ったが、黙らせる為にチューして貰えるなら俺も今度試してみようと思った、けど一緒に観に行く人もいないし素直に泣いた、星空の下の…ソーシャルディスタンス…。

あなたはいつからいて、いついなくなったのか。
どこからが夢で、どこまでが夢なのか。
昼酒に酔うようなけだるさ。陽だまりでとろとろとまどろみ、肌寒さに目が覚める。
これは夢だと知っているけど、いつか終わると知っているけど、ずっとこの夢をみていたい。
酒場店主の女イェリと、なぜかいつも一緒のさえない男三人。この優しい距離感がすごく好き。
もともと、ヤン・イクチュン出演作を探していてみつけた作品。イクチュンは、この三人の中では兄貴分だけど、世間的にはうだつが上がらない、情けなくも愛らしい男だった。作中の様子でも、イェリはイクチュンに最も心を許しているように見える。けどそれは、恋ではなかったんだろうな。
いつも酒場で会う人とは、だらだらとたくさんの時間をともに過ごして、話したり歌ったりバカ騒ぎしたりするから、その人のことを誰よりもよく知っているみたいに感じてしまう。ある一面については確かにそう。だけど、別の面については全く知らなかったりする。
あの時の三人は、それまで見たことのないイェリの顔を目の当たりにして、何もできなかった。それこそ息もできなかった、のかもしれないね。

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