川沿いのホテルの作品情報・感想・評価

「川沿いのホテル」に投稿された感想・評価

sonozy

sonozyの感想・評価

4.0
雪積もる冬。シーズンオフで客の少ない漢江を望むホテルでの、とある一日の物語。モノクロ作品。

滞在中の老詩人(キ・ジュボン)は、疎遠となっていた息子兄弟(クォン・へヒョとユ・ジュンサン)を呼び寄せる。

同じフロアに滞在する女性(キム・ミニ)は、失恋した様子で火傷を負っている左手首に包帯を巻き、年上の女友達(ソン・ソンミ)が訪ねてくる。

待ち合わせのカフェの空間にいるのに互いに気付かずなかなか会えない老詩人と息子たち。

ホテルの前の雪景色を歩く女性2人に思わず近づき、2人の美しさを褒め称える老詩人。

老詩人はなぜここに滞在し、息子たちを呼び寄せたのか・・

老詩人と2人の息子。2人の美女。そしてカフェスタッフの女性。
登場人物はこの6人のみ。
ホン・サンスならではの独特の会話劇とおなじみズームとパン(笑)。
静かにジワジワとそれぞれの関係性や心理が滲み出てくる。

部屋の窓から見える木の上にカササギが巣をつくっているのを見て感動するキム・ミニ。
キム・ミニとソン・ソンミの添い寝シーン。
老詩人が息子の名前に込めた意味を語るシーン。2つのぬいぐるみ。2人の美女に読み上げる可笑しな詩。
が印象的。

見た後に哀愁がジワる作品です。
ロカルノ国際映画祭: 最優秀男優賞(キ・ジュボン)
nicoden

nicodenの感想・評価

4.0
カサヴェテスにジーナローランズ、伊丹十三に宮本信子、ホンサンスにキムミニ。雪景色のホテルが舞台でホンサンス史上一番映像が美しい。
ほとんど描かれてこなかった死について。
歳を重ねるごとにホンサンスの関心も変わってきているのだろうか。ありのままを表現しているようなホンサンスのライトさと度量に感服。
窓際映画。外部への興味の映画。カササギの鳴声、雪、外で父を探す息子の声、会話相手の肩越しに見える窓外で会話中の人影。そして繰り返し。「美しい」「どうも」etc。監督"不倫後"要素、自己憐憫&批判も。「可哀想」「幼稚」「人は愛に生きるべき」。全部盛。

『草の葉』にしてもコレにしても、やたら"死"が扱われているのは何なのか。

2018/11/21 (過去感想サルベージ)
★★★liked it
『川沿いのホテル』 ホン・サンス監督
강변호텔/Hotel by the River

キ・ジュボン&キム・ミニ&クォン・ヘヒョ

モノクロで映される詩的な雪景色

老詩人&疎遠な2人の息子
失恋した女&親友

人生&恋の終わり
に向き合う親子の絆&友情

Trailer
https://youtu.be/5jE-OemCQwg
レク

レクの感想・評価

4.3
漢江を望む閑静なホテルを舞台に、何気ない会話の中で"老いと詩"を介して女性を追い、やがて死を迎える人生そのものが集約された傑作。
出会いとすれ違い、絶妙な距離感を描いた群像劇と会話劇から導き出される愛の機微が随所に見られ心を掻き乱す。

疎遠になっていた2人の息子たちと再会。
わだかまりを抱えた息子たちとの対話の中で、ホテルで出会った美女2人を追う老いた詩人が向かう先にあるもの。
罪悪感を尻目に愛に多幸感を見出す孤独。
個々の人生の一部を切り取り、家族の話と見せ掛けて男女の人生そのものとして映し出す。
そして日常会話や人間の性分を覗き見せ、観客をも巻き込むメタ的構造。
ホン・サンス監督の圧倒的センス。


TOKYO FILMeX in KYOTO 2020 東京フィルメックス -京都出張篇-
シ

シの感想・評価

4.0
観終わってすぐに、ホン・サンス、死ぬんかな‥と思った。なんか遺書みたいな映画だった
彼の映画はいつも寂しくてほんのりとあたたかい 自分が傷ついているときに観ると心地よい 愛‥

このレビューはネタバレを含みます

観終わって席立ってから友達と交わした最初の感想が「死んじゃった...」なのが面白かった。
shiori

shioriの感想・評価

4.0
詩人のおじさんが なぎら健壱にしか見えない病にかかり 変な気持ちに。
でも 愛おしい場面がたくさんあった。いぬ〜ねこ〜ぬいぐるみ〜抱きしめたい。
あと やはり水辺は最高。大きな水を欲する。
ホンサンスの撮るキムミニはなんてかわいいんだろう。いつだって傷ついてるのに哀れさはなくて、無防備で。
綺麗なモノクロの世界にただよう、人が人を思うぬくもり。それぞれの関係。
ときめかなくなった、の言葉のわかりやすさと突然さと残酷さ。
眩しいほどの白。美しい外界
微睡んでいた僅かな時間にも
静かに積もる雪と美しい女達
それは黒い死神。白鳥の歌と
老残の白日夢。緩やかな悔恨
三途の川沿いのホテルの時間
個の意識と内外の関係が歪む
寝ることと死ぬことの類似性
彷徨いながら主を探す飼い猫