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聖なるもの
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目次

聖なるものの作品紹介

聖なるもののあらすじ

大学の映画研究会に所属しながら、一本の映画も撮れないまま、3年生になってしまった「岩切」(岩切一空)橘先輩の撮る新作の主演女優を探し始めた彼はある日、舞先輩から4年に一度現れるという「新歓の怪談」の話を聞く。新歓合宿時に現れる、黒くて長い髪、大きな目透き通るような白い肌を持った少女。「彼女を見た者は、衝動的に映画を撮りたくなり、唯一彼女に選ばれ、彼女を被写体に撮った映画は必ず大傑作になる」という。だがそこにはルールがあった。 ①彼女のために脚本を書くこと。②何があっても撮影を止めないこと。③は今だ誰もわからないという。 そして、迎えた新歓合宿の当日。彼の目の前に、例の「怪談少女」(南美櫻)が現れ、「僕」は思わず声をかけてしまうー「僕の、映画に、出てくれませんか?」 無口どころか、名前も名乗らない彼女に自宅にあったマンガから「南」と名付けた「僕」の、彼女のための映画製作が始まった。自身の工房で、特撮映画を準備中の優秀な後輩「小川」(小川沙良)も巻き込み、「外の世界に憧れる少女の物語」の撮影が開始されるが、あまりにもシュールな設定やありえないセリフ回しなどに、ついていけないクルーは、次々に違和感を持ち始める。それに対し、何かにとりつかれたように撮影を止めようとしない「僕」。だが、その異変は、いちばん疑問を感じていた「小川」にも訪れ始めるのだった・・・。

聖なるものの監督

岩切一空

原題
製作年
2017年
製作国
日本
上映時間
90分

『聖なるもの』に投稿された感想・評価

3.8
敢えて素人っぽいカメラワークで描くドキュメンタリータッチの作品。
若き才能が作る、実験的な作品ってどうしてもオシャレに特化してしまったり、意味不明なものでわかる人にわかればいいという作品になったり、寒い感じにになったりしがちだけど、この岩切監督作品においてはそういう不安定な感じはしない。
一言でこの作品を説明してって聞かれると無理だし、結局この怪談ミステリーに関しては答えも明らかにされずでプロットはめちゃくちゃイミフなんだけど、この作品の面白い所は監督自身が、この不明瞭さを劇中でいろんな形でディスられ、みっともない所を出しつつも、学生の自主映画という視点をドキュメンタリータッチで撮るというこの設定を最大限に遊んでしまってる点なのかもって思う。

監督がたまに映るが(これが好き)それ以外男の の登場は最小限に抑えられ、アップで映し出されるのは巨乳の先輩の彼女と、この作品のミューズ的存在の南、気の強い小川、そして映画に途中参加したエロスな姉さん。
これを岩切さんの視点で映し出される非モテ系男子の妄想作品とも言えなくもないのだが、不思議と嫌な感じはしない。
めちゃくちゃ野暮ったい鬱屈とした世界の中に、いくつかの男の妄想の具現化みたいなものを入れ込んで、時にはまるでガールズムービーみたいなPV的シーンまで出てくるこのアンバランスさは他にはない。
結局映画とは、監督の欲望とか撮りたい映像のコラージュから始まるのだから、それを思いっきりやってのけたのはある意味潔い。
あぁ早稲田美学。
ただ、これはかなり好き嫌いははっきりすると思うので、謎の少女南ちゃん登場シーンまで観てダメだったら諦めて下さいね(笑)
「もし選ばれても必ず3つの約束を守らなくてはいけない。1つ目は脚本。少女のために物語を書かなくてはならない。2つ目は撮影。その脚本で映画を作る。たとえ何があっても途中でやめたらダメ」
「最後の約束は何ですか?」
「それがねぇ…最後の約束は知らないんだよねぇ」

いや〜キショかったですね。絶対無許可で撮ってるであろうシーンがまぁまぁあっておもろかった。一般人が普通に映りまくりだけど、やっぱ自主制作はそうだよな!
案の定、女性を可愛く美しく撮るスキルは圧巻としか言いようがない。嫉妬まで覚える。それでも、盗撮の演出によって観てるこっちもハラハラするわけですが、やはりド変態。やはりオタク的。たしかに庵野秀明っぽいわ。そうなるまいとして何とか逸脱しようとしてたけど、結局は同じであるという…。監督なんてエゴイストだから、自意識を投影するわけですが、隠そうとしても露骨に出ちゃうもんですね。全編に滲み出る自意識、相変わらずの一空スタイル。こういう撮り方でしか魅せられないのが強みでもあって、弱みでもあるなぁ。

"南、町に行く"のエモい写真羅列のカットは最高だったけど、花に嵐と比べるとバチバチにイケてるカットが少なかったし、タイトルコールも曲調が違うだけでパターンが花に嵐と同じという。あと文字の演出が全部ダサかったなー。

創作にありがちな、とりあえず何か創りたいという欲求だけが独り歩きしておかしくなっちゃうやつ。結局、最初のテーマとか目的とか忘れちゃって有耶無耶になるけど、創りたいという衝動自体は、純粋無垢で尊いものだ。創作をしている人間なら、この愛おしさは身をもって分かるはず。本作は、現実(フェイク)と映画の中の映画と妄想が何度も入り乱れてごっちゃになる。創りたいという衝動を映像表現として上手く落としこみつつも、映画そのものに対して批評的に切り込んでいたのはお見事。加えて、映画とは一体なんなのか、そして映画のためならば全てをどんな事でもするのか、を踏まえて自身に対しても問いかけているようだった。まぁその結果よー分からんで概要できるようになっちまってたけどね。

p.s.排水溝の掃除のとこだけ汚い&キモくて見れんかった。
8bit
5.0
【再レビュー】

ついに劇場公開されたので、さっそくポレポレ東中野で観てきました。
都合4回目の鑑賞(スクリーンでは2回目)。観るたびに新たな発見や驚きがある反面、謎は深まるばかり笑。
やっぱり観れば観るほど面白いし、深みにはまってゆくし。中毒性高すぎますよ。

劇中のセリフそのままに〝独り善がりなんじゃない?〟って感じる部分もあるけど、そんなことをものともしない勢いと才気を感じる。
監督自らが裸になったような(実際なってるし笑)、内に秘めた創造性を無理矢理吐き出したような(実際吐いてるし笑)。
とんでもなく魅力的なゲロだこの映画は。

出てくる女性全員をことごとく美しく撮ってみせるセンスに魅了され、
時折みせる背筋の凍るような恐怖カットの数々に戦慄する。
セルフドキュメンタリーから徐々に静かに狂ってゆくストーリーは、とてもジャンル分けなど不可能な異様なもの。
強いてゆうなら、映画を作ることの恐さを描いた、〝映画ホラー〟。いや、怪談版エヴァンゲリオンかも知れない。

劇中で撮影される映画、その監督を務める〝岩切一空〟によるセルフドキュメンタリー、さらにその外側と思われるもう一つの視点。
さまざまな世界線がマトリョーシカのように幾層ものレイヤーによって形成され、どこまでが虚構でどこまでが現実なのかわからなくなる。
そんな映画を劇場のスクリーンで凝視する自分の立場ですら、映画の中の一要素として構成されているんじゃないかと思えてくる。
劇中のセリフで〝外の世界へ〟という言葉が繰り返し出てくるけど、映画という虚構が外の世界(現実)に侵食されてゆくような感覚を味わった。

パンフレットに記載されていた監督のインタビューでほんの少しだけど理解を深められた気がする。
南美櫻さんと小川紗良さん、そして松本まりかさんのキャラクターや立ち位置はやはりエヴァを意識しているらしい。
制作を手伝うだけのつもりがいつの間にか出演もすることになり、撮影が進むにつれどんどん出番が増えたあげく、ヒロインのひとりになってしまったという小川さんのエピソードが映画そのまんまで笑うと同時に(監督も小川さんも)只者ではないと感じた。
映画の公式インスタが小川さんのプライベートショットみたいな写真ばっかりなのにもちゃんと理由があった。やはり映画が外の世界に侵食しているのだ。

監督によると自主映画はこれが最後になるらしい。
つまり次回作からついに商業映画を撮るということ。いったいどんな事になるのか。
いまから楽しみで仕方ないけど、しばらくはこの映画の衝撃や余韻に浸っていたい。

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