足りない二人の作品情報・感想・評価

足りない二人2017年製作の映画)

製作国:

上映時間:120分

3.9

あらすじ

「足りない二人」に投稿された感想・評価

QTaka

QTakaの感想・評価

4.3
「何を見たんだろう」
でも、それはとてもイイ時間だったと思う。
つまり、結構イイ映画を見たんだと思う。
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北海道プレミア上映(2019/04/08)で見てきました。
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ホント、何にも起きない映画ですから。
しかも、北海道の冬ですから。
「寒っ!」ってなりますから。
でも、ず〜っと見ていたい気にもなっちゃうんですよね。
なんだろう、この、「映画を見た」っていう満足感。
“感動巨編”でもなく、
“悲劇のヒロインに涙する”でもなく、
“劇的な展開に驚く”わけでもなく、
“スーパーヒーローが活躍する”わけでもない。
まして、“超怖いホラー・サスペンス”でもない。
でも、この映画には、じっくり向き合える人の姿が有るんだよね。
映画好きなら、スクリーンでじっくり見たい一本でしょうね。
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冒頭、雪の田舎町の通りを歩く二人の姿、というか風景。
これ、北海道の人は、普通〜の日常風景、この季節(上映の次期はようやく春になった頃)なら、つい先日までの冬の日常を見る思いだね。
漁港の風景、除雪の様子、真っ白な町をネコが歩いていく様子。
生活の描写も、ポット式のストーブにヤカンが載っていて、
ストーブの前には長靴が干してあって。
台所の雰囲気も、ちょっと昔の北海道の家屋の感じで。
バスを待っていてもなかなか来なくて。
あれも、これも、普通に日常なんですよね。
これ、とっても安心する映像ですね。
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登場人物は、ほぼ、二人。
登場する脇役の皆さんは、それぞれのシーンで、「あっ」という場面が有るけど、それ以上二人にからんでくる事も無く。
だから、二人の会話劇になる。
その二人の会話が、???どこか変?
ず〜っと、同じ感じの会話で、変?
この感じ?なにか、どこかで有る感じ。
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二人は、クリエーター。
漫画家で、一度は世に出た二人だけど、そこから先が続いていかない。
こういうクリエーターの世界は、一筋縄では行かないってね。
そこを、二人で頑張っているという流れが、徐々に見えてくる。
あ〜、業界の中のそういうポジションなんだねぇ〜。
難しいねぇ〜、うまくいかないねぇ〜。
世渡りへただねぇ〜、でもそこ曲げられないねぇ〜。
それにしても、生活厳しいわ〜。
という、状況表現が、無駄なく、分かりやすく、受け入れられるから、見ているこっちはどんどんスクリーンに取り込まれていっちゃう。
こういう映画は、入っちゃうと、気持ちが一緒になっちゃうんだよね。
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会話の不思議さは、映画の終わりになって分かりましたよ。
自分たちを主人公にした物語を漫画にする事に決めた二人。
二人が描く漫画は、「何も起こらない二人の物語」
小山内さんが書くネーム、それを元に仕上げる楓子さん。
その二人の漫画の吹き出しの中に入るセリフが、この映画だったのかな?
二人の会話をそのまま吹き出しにいれて見ると…
楓子さんの時折口にする「ふむ」という返事。
「これ、吹き出しのセリフだね」って思った。
「何を見たんだろう」という問いへの応えは。
“漫画の実写版”って事だと思う。
二人の姿を映画にしたのでは無く、一度漫画にして、その漫画の実写化を試みたのかな。
実写版と漫画が同時進行で制作されていて。。
結局のところ、実写版しか見ていないんだけど。
でも、見終わった私には、漫画も見得ていた気がする。
面白いですね。
出来てもいない漫画が見得た気がするのは、監督・脚本を務めたお二人の思いの賜物ですかね。
イイ映画でした。
楽しい体験でした。
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映画の帰り、コンビニでアイス買いました。
なんだか、そういう気分だったので。
yu8mi

yu8miの感想・評価

3.8
プレミア上映を観てきました。

「なんでさ、普通にちゃんと働いてさ
飲みに行ったり、欲しいものを買ったり
そういう毎日で満足できる人間になれなかったんだろう?」
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僕の人生は真逆だ。
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普通に働き、飲みに行って欲しいものを買う
そしてそれで満足している
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多分ほとんどの人が僕と同じようにそうなんだと思う
そして、特別な普通じゃないことに憧れている
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だからもしかしたらこの映画は大衆には共感を得ないかもしれない
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ただそれ以上に描かれる理想と現実の乖離と二人の繊細な関係が観るものを引き込んでゆく
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そして、この映画「足りない二人」は様々な人の足りなさを描いている
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人は完ぺきじゃないからこそ魅力的だし支え合い時に反発し合う
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ほんとにいい作品と出会えました😊
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本日のみ公開というには惜しい作品だからこそこれからいろんな劇場で公開されて欲しい

このレビューはネタバレを含みます

現在、「29歳」の私が
観てきました。笑

ホン・サンスがキム・ミニと
タッグを組んだ近年の作品や
リチャード・リンクレイターの
「ビフォア」シリーズを
想起させる会話劇

リチャード・リンクレイターが
RHYMESTERの「ONCE AGAIN」に
インスパイアを受けると
こんな作品になるんじゃないかと
いうのが個人的な感想です。

最初のシーンで
セリフに抑揚がないうえに
しかも声が聞き取りにくい。

そして、極端な話ですが
「生きてる?」と
スクリーンに投げかけたくなるほどに
表情がほとんど動かない

ということまありまして…

「これ、大丈夫かな?」と
少し不安になるもの
最後には、そこにも納得できる
作品ではないかと思います。

現代劇では珍しい
スマホ画面と時計の
登場頻度の少なさもあって
時間軸が分かりにくく
唐突に進む印象もあるし

気をつけて設定を追うと
現実と照合したときに
細かな粗さは出ているのかなと…

ただ、この映画は
「LA LA LAND」のように
「主人公たちだけの狭い世界」を
舞台にして描いているので
そこは、あまり気にしなくても
良いかなと思いました

この映画で注目なのは
「目線」の「ベクトル」だと
思いました

主演のお二方
かなりの身長差があるので

お互いが立っている状態で
カットバックすると
必然的に身長の低い女性側が
男性を「見上げる」ことになる

ここで、男女の力関係を
示してしまう恐れがあるために
出来るだけ
2人の目線が「平行」になるように
撮影されているように思います

それは「高低差」という意味でもですし
なにより「ベクトル」という意味でも
あります

2人は、映画のなかで
ほぼ全体的に「目線が合わない」ので

「あぁ、コイツら
話しが合わないコンビだな」と
分かりやすいなと…

この目線が、時々合う瞬間に
実は、2人だけのカタルシスが
生まれてたのではないかと思います

29歳(男)の私からしても
「オマエ、童貞かよっ!」てくらい
女心を逆撫でしまくりで
優しさが100パー空回りしてる
ダメすぎ男も

前を向かなきゃいけないときに
下向いてウジウジしたままで
決断力が無さすぎな残念女も

「30年間」の平成の終わる現在の
日本のどこかしらには必ずいて

そんな「平成世代」代表の2人が
燻んだ灰色に白が映える
静謐な銀世界で
2人なりに1つの答えを出せたのは

「彼ら」のなかでしか
共有することが難しい
人間的な成長なんだと思います



エンドクレジットに「照明」が
見当たらなかったので
たぶん自然光撮影かな?


その「成長の一瞬」の
目線の動きは注目です

欲を言えば
入浴シーンの声は
リバーブかけて反響させても
良かったのかな…と。

細かなツッコミどころにまで
言及しようとすれば
その指摘箇所は少なくないとは
思います

しかしながら
監督経験に乏しかったり
低予算で撮影に苦しんだ所も
多々見受けられたなかで
ここまで撮影して完パケただけでも
十分に拍手に値する作品だと思います

この映画での経験を
今後の俳優業に活用して
より「高み」を目指せるように
陰ながら応援をしたいと
思わせてくれる作品でした。
2019新宿ピカデリー
プレミア上映
好きな空気感。もう少しコンパクトだとなおよかった
DDD

DDDの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

細かい点が気になる性分としては、2人がなぜ積丹まで来なければならなかったのか。積丹に来てから何年も経っているはずなのに、その間ずっと泣かず飛ばすだったのか、などの2人の現在に至るまでの歴史が気になった。
そもそも、2人がコンビを組むきっかけも描写されていない。
また、現在としても冒頭の描写から三ヶ月時間が戻り、終盤また戻ってくるため、今作は基本2人の三ヶ月間を描いているはず。
それに対して、映画の序盤では連載を持っていて締め切りがあったはずなのだが、後半は新作にばかり注力し連載が描写されなくなっていく。
また、楓子の派遣が更新されない件も、通常一ヶ月前には告知されるはずで、失業はもちろん困るとはいえいつの何に2人が頭を悩ませているかはっきりしない、などタイムライン的に気になる点があった。

とはいえ、2人が現在漫画製作で頭を悩ませている様子は、共同監督をしている主演2人の様子とそのまま重なる。
自分たちが欲が深いと結論づける一連の下りは、映画を見てアウトプットせずにはいられなかったりしたまま三十代半ばを迎えた私にも思い当たる節はあり、2人の言い争いも含む言葉は痛切に突き刺さった。
また、2人が住む家の中に洗濯物が干してあったり、2人でお風呂に入ったり寝たり生活シーンの描写力が高い。
そして2人で食べるスパゲティなどの低予算ご飯をはじめとして飲食シーンが多いのも特徴的だった。
積丹の雪深い冬もカメラはとらえており、2人で漫画を描きながら生活している様を切り取ったような映像の構築力の高さは素晴らしかった。
合間に入る2人で描いた漫画や、絵を描く様子の描写の確かさも、作品を支えている。
そして2人の言い争いのぎすぎす感やそこで放たれる言葉は、いささか直截的にも感じられるが、生々しく印象に残る。
この2人の監督が撮影当時にしか撮ることができず、また内発的に撮らざるをえなかった作品だと、強く感じた。

このレビューはネタバレを含みます

・『親密さ』まだ観れてない
・誕生日のシークエンス
・喧嘩のシーン

自分は『親密さ』をまだ観れてない。『親密さ』を観た人は佐藤秋さん良かったいうので今ものすごい興味がある。今度『親密さ』が下高井戸シネマでかかるらしくチャンスありそうだからたぶんもう少しでみれるはず。もっと前にほんとは観たほうが良かったのだと思う。

だから自分の中での2人は飲み屋でみた2人で。そんな2人が映画作って新宿ピカデリーで公開するなんて離れ業をみせると聞いて是非偉業を見届けたかった。そんな人周りに中々いない。

映画は意外にも会話劇だった。役者さんは動き強みかなって思ってたので。もやし?食べてるシーンの音が気になった。なんかあってない気がした。

誕生日のシークエンスすごい良くて、めっちゃ微笑ましかった。スーパーも仕事部屋でのやりとりも。

「誕生日は特別な日じゃなくて良い。わざわざ嫌な思い出増やさないで。来年はなにもしないで」

こんな感じの台詞があった。なんか来年も一緒にいる前提の台詞がめっちゃ羨ましい。

5年前の喧嘩のシーンのあとの小山内くんの風子といたい理由を言うシーンが告白だなこれと。山口さんの良いところ。

ラストシーン雪道を進む2人がそのまま今回のチャレンジをあらわしていたようにおもう。

オープニングの被せというのかこの技法にはなにか名前があるのかもしれないけどあーいうのテンポを生むのだなと勉強になった。

たいがい僕は自分のことネガティヴだと思ってるのだけどもこの2人も中々。でもやっぱり進行方向一緒で両輪みたいな関係がとても羨ましい。一対一の関係良いなあ。

途中アクシデントで映画が一時停止とか初めての経験だった。何事もなくて良かったと思う。映画館の対応も誠実だった。

点数なんて飾りだけど、(特に自分のは)応援込みで5点す。2人にこれからたくさん役がくると良いと思う。自分も頑張る。映画ってすごいなあ。舞台挨拶の2人カッコ良かったです。

北海道の地震何事もないと良いのだけれども。

スキンヘッドのサングラスの人一般人?

一回相談してからルール良かった。
4432101

4432101の感想・評価

3.7
二人のリアルな生き様がそのまま映像化されたような、、、自身がこの映画を作り上げるまでに感じてきた苦悩を漫画家という職種に置き換えたドキュメンタリーといってもいいと思います。
彼らの映画製作に対するストイックさ、想いの丈をどストライクでぶつけられた気がしました。
極寒の北海道を舞台にした、静かだけどアツい映画です。
andhyphen

andhyphenの感想・評価

3.5
まず、この制作規模でピカデリーを埋めて上映会にまで持っていくというその意気込みと頑張りは本当に尊敬に値すると思う。想像するしかないが相当大変というレベルじゃなかっただろう。
その上で、率直に観た感想を書く。
多分、映画に拘りがすごくあるおふたりが撮ったからゆえだと思うが、画面全体、やり取り全体に既視感を感じる。どこかで見たシーンのような、どこかで聞いた会話のような。
特にふたりの会話劇が延々と続くのだが、会話はそれなりに面白く機知に富んではいるのだが、やっぱりどこかで見た何かの焼き直しにみえてしまう。特に何に似ているというわけではないが、映画とは難しいものだなと思ってしまった。
あと、会話劇に徹する中で120分はかなり...かなり長い。90分くらいにできたら...いや難しいか...。過去に飛ぶシーンは正直なくても大丈夫だったと思う。
とはいえこれは個人の感想でしかなく、作った、それ自体に意義がある映画でもあると思う。
そうなるとピカデリーという大きな箱以外のミニシアター系でじっくり繋いで見せていって色々な感想を浴びてほしい。ある種の共感性はものすごく高いので。おそらく先に繋がると思う。なんか偉そうですみません。