くたびれた探偵と、名前もわからない不思議な少女の出会い。まさに中年男のロマンティシズムであり、センチメンタルな恋。主人公がぼそぼそと喋っている背後で自然と３Pが始まったりするのは、やはり神代辰巳が源流なんだろうなあ。なんとなく全体に神代の気配を感じてしまった。

この当時のナイスバディで脱ぎっぷりのいい女の子の「あっけらかん」とか、そんな形容が思い出される軽さ。会うたびに表情の違う不思議ちゃんぶり。女から見ると「やってるなあ」という感じだけど、男性は「振り回されたい」って思いそう。
この当時の、こういった男のおセンチなピンク映画らしいピンク。映画らしい終わり方はかっこいい。

志水季里子が出てるだけで、にっかつ感が出る。もう、にっかつは、映画製作が厳しくなってきて買取。しかも主演の二人はAV女優。ビデオ屋でアルバイトした時に菊池エリの「シスターL」が貸し出しされ過ぎて池袋の問屋街に買いに走らされた記憶が蘇る。嵐寛寿郎の甥である山本竜二が出演。菊池エリが意外なほど演技しているのが不思議。

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浮気調査専門の私立探偵（佐野和宏）が、隣人の娘（菊池エリ）が織りなす性生活に翻弄されていく。堅実な探偵と自由闊達な娘の付かず離れずの関係を描いている、日活ロマンポルノ。ユープロビジョン共同製作。

谷崎潤一郎「痴人の愛」の系譜に「墜ちていく女の美学」を加味させているような内容。主演女優・菊池エリ（AV女優と二足の草鞋）の雪を欺く美肌と、思わず頭に乗せたくなってくる「たれぱんだ型」のパイオツがインパクト絶大。

浮気調査という特殊な職業が足枷となり、妻（志水季里子）と別居婚を強いられている探偵。そして、虚勢を張りながら「Let it go!（流れに沿って突き進むしかない！）」している若い娘。この両者の取り合わせが、とても面白い。

表面上では性格が異なっているように見えるけれど、不器用な生き方という観点では、心が繋がっている。「人生に翻弄される女に翻弄される男」という多重構造を考えてみるのも、また一興。

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