不満足な結婚生活を強いられている若妻（麻生かおり）が、画家の青年（佐藤栄一）を相手にした、二重婚生活に没入していく。二面性を駆使する夫人の幸せ探しを描いている、日活ロマンポルノ。

「父権主義（＝亭主関白）に耐える妻」と「互いに束縛しない別居婚を大切にする妻」の、二面性を題材にした作品。夫（信実一徳）が自宅に愛人（黒木玲奈）を連れ込んだことにより、奇妙な三角関係が生じる展開が用意されている。

主人公夫人は、傲岸な夫に対して従順なふりをしながら、目の奥底では反骨の炎を燃やす。そして、「女のしたたかさ」を巧みに利用して、自分なりの幸福を掴もうとする。この「静かに怒れる人間」の表現が大きな見どころ。

ロマンポルノの醍醐味がコンパクトにまとめられており、総じて好印象を受けるが、1986年度の作品にしては時代錯誤ともいえる。

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土地持ちってくらいしか取り柄のなさそうな大学教授の夫が、80年代に入ってなお妻妾同宅する。麻生かおりはそれを責めるでもなく、家では夫にかしずく古めかしい妻だが、昼間は魅惑の変身～フォンテーヌって感じになって、画廊やクレープ屋へ、という二重生活。

松本清張的な些細な綻びで、麻生かおりの企んだ犯罪が明らかになるんだけれど、そんなに重罪でははないよね？心臓病の薬も間に合ってないだろう、あれは。

ロマンポルノ後半に麻生かおりは頑張ってましたね。話としては二重結婚生活でDV旦那と若いツバメ。そこにDV旦那の愛人が絡んで「ゼロの焦点」チックな感じ。昭和30年代な話によく似合うがバブル前夜で予算も少ない作品で盛り込むのはチト辛い。

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