◯「『ちょっと待って』とあなたは言うかもしれない。ゴダールはある時期、毛沢東主義を公言していたのではないか?彼は映画界で最も一貫して反ブルジョア、反資本主義的な人物の一人だったのでは?そうですね。彼はタバコのコマーシャルもやっていた。ナイキのCMもいくつかやっています。『パリジェンヌ』のCMを見てください。後期のゴダールの典型的なCMで、文学的、政治的、そして故意に難しい。ゴダールと彼の長年のパートナーであるアンヌ=マリー・ミエヴィルの両方にクレジットがされているこのCMは、大きな箱に詰められたタバコの間を滑るスケートボーダー、『パリジェンヌ』が散らばった床をすり足で歩く裸足の男、そして裕福な女性が『パリジェンヌ』という小説を読んでいる姿を描いている。音声では、ゴダールがジャン・ラシーヌの詩を読み上げている。 ドン・ドレイパー(『マッドメン』の主人公)が喜ぶようなことではないだろうが、バラス(F.J.Burrus、『パリジェンヌ』を売っているスイスのタバコメーカー)は喜んでいた。」(Jonathan Crow『Open Culture』「Cigarette Commercials from David Lynch, the Coen Brothers and Jean Luc Godard」05/01/2014 から抜粋/翻訳)