物語的にも精神科医vs製薬会社の彼氏といった感じで、精神分析による治療を進める医者と、独自のビタミン剤での治療を進める彼氏が互いを批判し合って敵対視している。そして窓から見下ろす彼氏は去っていくけど、ナイフを持った男はやってくる。そういった描写からも『Night of the Eagle』と同様な男権的な支配からの脱却か否かで揺れているように感じた。
実際に、主人公は過去のことを気にするばかりで、流産したことに対して異常なほど執着が見られず、彼氏との結婚も躊躇している。この母親との同一化を恐れるのは、のちの『The Perfume of the Lady in Black』に引き継がれてる。じゃあさっさと別れたら良いじゃんってなるけど、カルト教祖と彼氏のマッチカットによって、欲望が別れを留めているのだということが示唆されてて、キモくて良い!そんで本人も全くそのことに気づかず、自己混濁したまま迎えるラストと恐らく「母親化」するのだろうな〜と思わせるフリーズフレームでのエンドが素晴らしい!