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ルチオ・フルチのザ・サイキック
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『ルチオ・フルチのザ・サイキック』に投稿された感想・評価

〓映画TK365/417〓
◁ 2026▷

▫ルチオ・フルチのザ・サイキック 
▫配信/U-NEXT
▫️Y!レビュー ★★★★☆3.9
▫️T K評価:★★★★☆3.7
▫️映画TK通算: 7309本
▫️Filmarks通算:6197本
4.2
サイキック+ジャーロ!

夢で見た凄惨な殺害現場の断片。幼いころに母親の自殺を透視した経験を持つ主人公は、現実に起こった事件ではないかと疑い始める。割れた鏡、赤い部屋、特徴的なオブジェ、青い灰皿…「あれ?これって夢で見た殺害現場じゃない?」と思ったその部屋は、結婚したばかりの夫が所有する別荘だった…てな感じのフルチ製ジャーロ。

結局、夢で見た通りに死体が壁の中に埋まってたんで、別荘所有者の夫は逮捕。しかも埋められていたのが夫の元愛人だったこともあり、完全に夫が犯人じゃん状態。でも新婚6か月で夫を信じたい妻は、夫がそんなことするわけないじゃん!てな感じで、必死に犯人捜しをするよって流れ。

『マッキラー』の見せ場のひとつ、真っ逆さまな崖落ち顔面削りをプロローグで再び見せつけてくるサービス精神に感服!でもその後はエロもグロも無しな、ポー『黒猫』、アルジェント『サスペリアPART2』影響下の真っ当なんだけど、超病的なフーダニット。

夢と現実の一致により謎に迫った『幻想殺人』と同様に、夢の解釈により犯人に迫っていく中で、過去・現在・未来が交錯し始める。主人公が見た夢は一つ一つでは意味をなさないような非常に断片的な点。その連続性が次第に朧げな線を形成し始め、幻想と現実との交差点を浮かび上がらせていく。「これ夢で見たやつだ!」的に百発百中で全てのモチーフが現実に現れ始め、そんな進研ゼミも顔負けな夢→現実の答え合わせが、現実が夢に追いつき収束すべきところに収束していく予兆を感じさせ、ゾクゾクする快感となり物語に引き込んでいく。

本作の精神分析的なメスは犯人ではなく主人公に向けられ、原初体験としての母親の自殺をリアルタイムで透視してしまった幼少時の記憶・トラウマと現在の受動的なサイキック能力が結びついていることがわかってくる。果たして母親は本当に自殺だったのか。落下直前の突然我に返ったかのような表情、不自然に大きな悲鳴。もしも自殺でなく無垢ゆえの殺人であり、そのことに蓋をして自我を保っていたのならば、本作の「収束すべき結末」へと主人公が誘導されていく過程こそ、自身の過去と向き合う精神分析かつ治療であったことがわかる。

そう考えるならば、自身の意思とは無関係に映像を受信してしまう本作の受動的サイキックは、無意識下の領域から働きかけられた能動的サイキックへと転化し、蓋をした過去のトラウマに向き合うため(母親との同調のため)に自分で自分になぞ解きをさせていたという病的な心理状態が浮かび上がってくるから面白い。本来、「退行」と位置付けられるサイキック能力が過去へと戻る手段として設定されているのも丁寧。

映像的には完全に『幻想殺人』が好きだけど、本作は曲のセンスが素晴らしい。中でも退行を体現したかのようなラストシーンのメロディがすんごく良い!やっぱりフルチはジャーロの方が面白いなってことを実感させられる傑作!
kurt
3.4
幼い頃から透視能力を持つ主人公は、その能力で夫の別荘の壁に埋められた死体を発見してしまう。そのせいで警察に捕まってしまった夫の容疑を晴らす為に奔走する主人公を描いた話。ルチオフルチ監督作品。

主人公が透視能力で見たものをどの様に実証するのかを主軸に置いた作りで、フルチ監督作品にしてはエグい描写が控え目でサスペンス要素が強い作品。途中でも能力がガンガン発動するが、本人もいまいち制御し切れていないのが、重要な伏線となる。主人公が無茶をしがちなのでピンチの連続なのがハラハラさせられる。笑

「キルビル」で主人公が病室で覚醒する時に流れていたオルゴールの音色の元ネタはこの作品。しかもこの作品ではかなり重要な要素だった。

伏線をほとんど全部回収してからの余韻を残す様な終わり方が素晴らしい作品でした。

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