僧であった清玄は、桜姫の不義の相手として濡れ衣を着せられ、寺を追われてしまう。 かつて愛した稚児の少年・白菊丸の生まれ変わりである桜姫への執念を抱き続ける清玄は、今は病み衰え、弟子だった残月と桜姫に仕えていた長浦のいる庵室に身を寄せている。しかし、残月と長浦は、金欲しさに清玄を殺すと、墓穴掘りとなった権助に後始末を依頼。そんななか、女郎として売りに出された桜姫が連れて来られ、桜姫と権助が再会するのだった。一方で雷が落ちた衝撃から、清玄は息を吹き返し…。
元禄16年、大阪。醤油問屋・平野屋に奉公する徳兵衛は、主人で伯父の久右衛門が勧める縁談を断った。徳兵衛には天満屋の女郎・お初という夫婦約束を交わした相手がいた。怒った久右衛門は徳兵衛に、渡…
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