笠智衆が死に場所を探し彷徨う。子どもや孫との関係が円満なのは、まだどうにか健康であり、誰にも迷惑をかけていないからで、これが耄碌し始めると、そうもいかない。旅ができるほど元気なうちに自殺しようと思う。>>続きを読む
結果としての反植民地主義、テーマ性のある映画は撮らない。宗教議論ではなく、単なる対話の一つなだけ。求められた企画にもしっかりと応え、格好つけずにノラリクラリと素晴らしい映画を創造してしまうブニュェル爺>>続きを読む
流れ者がその土地の悪を成敗する、という筋だけではなく、デカいキャバレーで歌ありヤクザあり、小さな子供と母親、殺されたと思ったら生きていた終盤など、どこかで見たような展開ばかりで、どれがどれだか分からな>>続きを読む
で、『デイ・シフト』を見てから久々に再見したり。80年代アメリカ映画で忘れることは出来ない良作の一本。コリー・フェルドマン演じるヴァンパイアハンターのクソガキ二人組が最高。「映画」を躍動させるのは、こ>>続きを読む
デイヴ・フランコがデタラメになって(覚醒して)からの終盤が良い。兄フランコがハリウッドから追放されたあとは、お前しかいない!アメリカ映画をヤッたれ!
定期的に制作されるヴァンパイアもの。吸血鬼なのかゾ>>続きを読む
デカい話のようでチマチマと箱庭的なのは、がっつりコメディに寄せているからで、これは作り手の手法、癖。『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』をヤりたいのはよく分かる。それならそれでデタラメさ>>続きを読む
どんでん返しの空虚さについてぼんやり考えたくなる。ドラマも物語もなし崩しにされ、しょうもない伏線回収、そのキャラクターに一貫性はなく、結末への手がかりのために無理やり作らされた関係性。なにかこう、ああ>>続きを読む
日々疲弊しているので楽な映画ばかり見てしまう。ドルラン(ドルフ・ラングレン)がゴロツキの傭兵集めてミッションを遂行する『特攻大作戦』もの。まあまあよくある。ドラマパートのシナリオはジョン・セイルズが書>>続きを読む
デヴィッド・ロウリーの映画って結構のっぺり淡々としている。語られる物語や主題がありきたりだと、その平凡さに独自のエンジンを積んで映画を次のレベルへ走らせることができるような作家ではない。ロウリーはどの>>続きを読む
『13日の金曜日』シリーズってジョセフ・ジトーとかダニー・スタインマンに撮らせて、志があるのかないのかさっぱり分からない(まあ、ないんでしょうが…)、場当たり的な人選は殺人鬼ホラーの切り口が何周もして>>続きを読む
社会から弾かれ見世物小屋に流れ着いても、嫌われて殺される奇形な大男。下には下がいて、水は下にしか流れない。結局は見かけや生い立ちではなく、単にそいつの性格が悪かったり自分勝手だから周りがうんざりしてみ>>続きを読む
刺青ヤクザにバブル期日本のオッサンが女体盛りしていたり、指詰め、腹切り、大衆浴場での裸アクション。いまさら外国人が描くトンデモニッポンをゲテモノ映画として笑ってもしょうがないし、突き詰めると神風精神論>>続きを読む
カンタン・デュピューの映画は俺が大嫌いな「芸人がコントの延長線上(文脈)で書くテレビドラマ」と同じ臭み。幼稚なコスプレした大人が着ぐるみの怪獣と戦うとかクソ笑える的な日本の戦隊モノを馬鹿にしまくってる>>続きを読む
SFではあるが、「誰が生き残るのか」の異常な場としての宇宙で、仲間か敵なのか判断がつかない疑心暗鬼は孤島での犯人(殺人鬼)探し、身体を乗っ取る宇宙人は精神を狂わす幽霊の変異体。思ったより色々なジャンル>>続きを読む
当初はグレタ・ガーウィグとジョン・タトゥーロが演じるはずだったらしく、どちらも監督という端から色を付けた夫婦を、なぜにこれだけ歳の離れた設定にしたのか疑問だったけど、見ているうちにわかってきた。おそら>>続きを読む
冷血な殺人サイボーグとして育てられたドルフ・ラングレン、色々あって善悪の判断を己で下せる「人間」に戻るきっかけが、先住民族のシャーマン儀式。謎めいたサソリ入りの器から粉液体を飲まされ、うなされるラング>>続きを読む
エンドロールに流れるバルコニーで踊る女性は拒食症に苦しみ事故死したダリオ・アルジェントの義理の娘。
アメリカで撮ったアルジェント映画だが、ホームのイタリアとは違って、アルジェントのみ100理解している>>続きを読む
ホラーというより鬼強いドラッグでラリった裕福な若者四人がメチャクチャやっているだけの90分で楽しかった。キチガイのホーンテッドマンションって感じ。不幸な未来を過剰なイメージのみで繋げて見せる終盤、ベタ>>続きを読む
明確に濡れ場(というほどでもないが)を撮りたいとの意思を持ってこの短編に挑んだのは間違いなく、いまではいけ好かないガキが箱庭で人形遊びをしているようなくだらない映画しか撮らなくなったとしても、まだこの>>続きを読む
偏愛している一本。銃と虚無感。結局は90年代日本映画育ち。鈴木一功演じるヤクザのおっさんが最高。このキャラクターをいまだに追い求めて映画や表現に触れているところもある。
仁義の世界にいまいち不釣り合いな石原裕次郎の肉体。ぽにょぽにょしている。迫力というか佇まいというか、ギラギラした裏社会を生き延びるほどの説得力がない。どれだけ斬られて刺されても不死身な終盤、病室の低い>>続きを読む
産院に入院している三人の女性のドラマ。閉じられた空間で女性たちが芝居を見せていく、広がりがないので映画としては弱いが舞台劇としてイメージを膨らませるなら上質。女性が抱えているそれぞれの人生と紐づけての>>続きを読む
Michael Snowの表現が好きなのはよく分かるが、その閉じたホテルから最終的には屋上まで到達し屋外の景色(川も見える)をただ映すキャメラに、前衛、実験映画では終わらず商業的な映画まで踏み込みジャ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
まあ普通なら「メチャクチャな持論ふっかけて教室から追い出した(出ていった)生徒が成功したのを落ちぶれた私が客席から見て終わる」みたいな流れになりそうだが、その方向にはあえて進まず、嫌がらせのようなオチ>>続きを読む
前作で足りなかった「殺害とエロス」を軸にして大成功の続編。もう二作目だし、キングの名前だけ借りて好きなように作らせてもらうわという身勝手で逞しいギャグホラー。地元の田舎娘は能天気に色っぽく、子どもたち>>続きを読む
大人を殺しまくるクソガキ集団も煮え切らないし、この呪われた地に迷い込んだ若者カップルもわざわざ厄介事に首突っ込んでギャーギャー騒いでるし。『ターミネーター』シリーズ以外はこれぐらいの(レベルの)映画に>>続きを読む
メタが渦巻いてる。脇の人物含めて物語とリアルをふらふらと迷い、その「不安定」な立ち位置に強く引き込まれる。ああこれは真剣に向き合わなければならない表現だと思わされる。
書き換えられない現実(過去)の厳>>続きを読む
銃よりムチが必要になる展開にもっていくため逆算して出てきた設定が火薬会社。その火薬倉庫のアクションでは爆発を回避できるムチが有効だと思われたが、ごちゃごちゃした室内でムチが活きるはずもなく、逆に不利に>>続きを読む
ヤッたあとの兄と親友をぼんやりと見つめている少女のショットがえらく良い。正面ではなく、そこから映すのかと。やさぐれている米兵ヴィンセント・ギャロが現れるだけで映画に奥行き(不穏さ)が生まれる。終盤に用>>続きを読む
悲劇も喜劇もイコールで描かれ、中間が失われている躁鬱的な表現。マンハッタンに近づく船上からの画で映画が始まるが、まるでそれは密航者の視線のようで、旅行者のように飛行機でこの地に降り立つわけではなく、荷>>続きを読む
見世物小屋から逃げ出したフリークスが、その過去と向き合い決別する話で、こういった作品にはめっぽう弱く、心揺さぶられどうしても泣いてしまう。クズでもキチガイでもノータリンでも動物人間でも己を肯定していく>>続きを読む
アメリカを舞台にしたVシネを全うしている。チャド・マックイーンも売れる前のミラ・ソルヴィノも、Vシネと見れば適切、ど真ん中の配役。普通に凡作だけど、これぐらいのアメリカ映画は幾らでもあるし、ニューヨー>>続きを読む
アーシア・アルジェントを追いかけて久しぶりに再見したが、これ、タル・ベーラをやっているんだな。公開時はタル・ベーラなんて見ていなかったから気が付かなかったよ。結局、ガス・ヴァン・サントは00年代の『g>>続きを読む
若い頃の浅丘ルリ子、痩せた細川ふみえみたいで愛くるしい。小林旭が白なら郷えい治は赤。ラストは空港でのアクション、悪党が飛行機エンジンに吸い込まれてバラバラになるのを期待したがあるはずない。母と子の死に>>続きを読む
苦しい日々に打ちのめされて綱渡りの人生半ば、空いた時間にクリストフ・シュリンゲンズィーフ。ファスビンダー、シュミットの思いもよらぬ方向への過激な放射(魂)を憑依させて、その時代の表現として甦らせても、>>続きを読む
軸はメンヘラ男女の痴話喧嘩。そこにもう一組の男と女、後半は女性の父と母も話に巻き込まれていく。三組のカップルをくっつけたり離したり、日常に散らばした人物の配置で物語をでっち上げている。寄り道として男が>>続きを読む