久しぶりのヴェンダース。面白いな。愛らしいな。ヨーロッパって繋がってるんだな。録音技師がドイツからポルトガルまでおんぼろ車でずっと行く。音楽がテクノっぽいのから、スペイン、ポルトガルのラテンのノリに変>>続きを読む
物語の5分の3は幼い恋人たちの距離に捧げられる。アニカという13才の少女と、ペールという15才の少年の恋の距離感。恋は距離がなければ成立しないのだが、それを視線と横顔で表現。こっちを見ては目をそらす。>>続きを読む
びっくりするくらい面白かった。内容は言うまでもないだろうから、観るに至った経緯を。
『去年マリエンバートで』というアラン・レネが監督、ロブ・グリエが脚本を担当した作品がある。ロブ・グリエはヌーボー>>続きを読む
一度は観ておかれることをお勧めするが、最初は多分、楽しくない(爆)。いったん心の襞に隠してから、再会するタイミングを待たねばならないという不可解な映画なのだ。しかし一度心に留まると、その心象風景は忘れ>>続きを読む
映画館に観にいくに値するかと。映画館で観てこそ楽しいのではないかと。ただ、実話に基づく話しで、エンタメだけではないです。当然ですが、炎の描写が素晴らしいです。テレンス・マリックが『天国の日々』で見せた>>続きを読む
心を傷めたアメリカ人の男とフランス人の女が、ポルトで、ある夜愛し合う。洒落た作品で、ポルトの石畳みの街並み、朝靄の中をカモメが飛び交う空へと開かれた部屋でのラブアフェアも良い。アントン・イェルチンも彼>>続きを読む
しかし、キズキの死んだ夜を境にして、僕にはもうそんな風に単純に死を(そして生を)捉えることはできなくなってしまった。死は生の対極存在なんかではない。死は僕という存在の中に本来的に既に含まれているのだし>>続きを読む
異次元。
フォローしているきのこがうまいこと言っていたのだが、「百万粒の文学的な砂」の物語。砂の量塊に埋もれて、エゴが風化していく男が描かれている。主演は砂男、助演は砂女。岡田英次は学校教師で、昆虫>>続きを読む
キェシロフスキ④
途方もない美しさ。
キェシロフスキの映画らしく光学装置がたくさん出てくる。例えば集中治療室に横たわるジュリエット・ビノシュのクリアーな黒い瞳とか、瓶の口で揺れ動いて鈍く光るスプ>>続きを読む
映画『プリシラ』でもフィーチャーされたCharleneの有名な歌、”I’ve never been to me”が奥深いところで響く。
Ooh I've been to Georgia and C>>続きを読む
この作品は1968年の制作である。ジョン・レノンとオノ・ヨーコが「ベッドイン」でLove &Peaceを表現したのが1969年のことだと言えば、どんな時代か分かるだろう。つまり、反戦活動等の政治社会的>>続きを読む
アル中のニコラス・ケイジが、この世の果てから、娼婦hookerのエリザベス・シューに、You’re my angel.と呼びかける物語。ニコラス・ケイジはこの映画でアカデミー主演男優賞に輝く。『月の輝>>続きを読む
非常に挑発的である。
「吐き気がするだろう みんな嫌いだろ
まじめに考えた まじめに考えた
あーあーあーあーあー
僕 パンク・ロックが好きだ」
と歌ったのは甲本ヒロトだったが、こういう「まじめに>>続きを読む
若い頃に見たときは、何だかおかしいけど、すごい作品を観たなっていう気がしていたが、今見直してみると、狂乱の内容だが、それを意外に折り目正しく構造的に作った作品なのかもしれない。映画史にその名を残すだろ>>続きを読む
中年の母、エスマは集団セラピーで瞑想しながら、自分が妊娠した時のことを、はらはらと涙を流しながら語りだす。
「妊娠して膨らんだ自分のお腹を何度も拳で叩きました。憎らしい腹の子が死んでくれたらいいと思>>続きを読む
全編に渡って胸騒ぎが止まらず、憔悴する。役者は最小限に、当時現場にいた人たち、デリー市民や元兵士、を起用し、クレーンも照明も使わず、長大な戦闘シーンを刻んで、相当なカット数で仕上げた映画。緊迫感でぐら>>続きを読む
ゲーテの『ファウスト』をソクーロフが自由に翻案したという本作。文学的変態耽美主義。
ソクーロフ②
映画が始まる。四隅が丸くカットされており、幅が短い、昔のブラウン管のような画面になっている。他>>続きを読む
渋谷のヒューマントラストシネマで、大音量でやってます。ロックが好きな人にはたまらないかと。
ザ・バンドの最後のライブをマーティン・スコセッシがインタビューを交えながら編集したもの。
雪に閉ざされたゴーストタウン、プリピャチはチェルノブイリ原子力発電所で働らく労働者のベッドタウンとして作られた町らしく、発電所から3キロ程度のところにある。1986年にメルトダウンが起こり、プリピャチ>>続きを読む
ヒロシマ①
低姿勢、これは通常、控えめで相手を敬う態度のことを言う。この映画では、信じがたいほどに、物理的な意味で、低姿勢である。ピカっと光って以降のことである。
先生と生徒たち。ある意味で牧歌的>>続きを読む
深夜に観るのにすこぶる楽しい。イランだからペルシア語になるんだろうか、発音の響きも文字のビジュアルもミステリアス加減がいい感じ。艶めかしくも退廃的なモノクロームの映像の中を、ボーダーのTシャツにマント>>続きを読む
キェシロフスキー③
黄色とは狂気の色なのである、と昔、20年ほど前の話だが、授業で教わった記憶がある。ゴッホのキャンバスには奥深いところから光が滲みだしている。画布の上に死んで動かなくなった>>続きを読む
渋谷のシアター・イメージフォーラムにて。私はソクーロフをこの作品を観るまで何も知らなかったので、以下に、自分の勉強を兼ねて、この映画のいきさつを適当にまとめながら、感想を書いた。
ソクーロフ①>>続きを読む
アレハンドロ・イニャリトゥの初期の傑作。まあ、彼のはどれもこれも傑作なのだろうが。アモーレス・ペロスというスペイン語は「犬の愛」ということのようで、その意味はこの群像劇では多重化しているようだ。
①>>続きを読む
「週末を神と過ごした男の話しだなんて言ったら、皆さんは信じないだろうか?」
このように始まる本作は、神を信じて苦悩を乗り越えるか、自分の苦悩に拘泥して憎しみに生きるか、どちらなのか?というアポリア>>続きを読む
およそ250年ほど前のドイツを舞台にしたベタなラブロマンスです。女の子が可愛いですし、ゲーテ役もイケメンでしょう。小難しいことを考えなければ、ラブスコールの中でのキスや、泥土の中での性愛の描写等の特筆>>続きを読む
宗教の歴史についてなんて、長くて、寝落ちするんじゃないかと思ってましたが、アニハカランヤ。エキゾチックな気持ちになりました。身近には見当たらないものを一つ一つちゃんと見て回る旅をしている気分ですね。イ>>続きを読む
ギレルモ・デル・トロの『シェイプオブウォーター』は今回のアカデミー賞で作品賞、監督賞、他2つを受賞した。この賞は発表のタイミングや作品外の条件が大きく関与してそうだが、ギレルモ・デル・トロのような「変>>続きを読む
キェシロフスキ②
キシェロフスキ監督は超弩級の方だということがわかりました。本作『愛に関する短いフィルム』は恋愛光学の話しです。
本作以前にも、恋愛光学に関してたくさん作品が作られてきました。例>>続きを読む
キェシロフスキ①
キェシロフスキー監督を観たかった。『トリコロール青』を20年ほど前に観たはずが、記憶喪失。トム・ティクヴァが遺稿を監督した『ヘブン』はばっちり刻印されて思い出すだけでドーパミンが>>続きを読む
キャスリン・ビグローの『ストレンジデイズ』のレイフ・ファインズとジュリエット・ルイスのカップルに久しぶりに会いたかったが、なかったので、こちらに。アナクロするが、『ベルフラワー』と『悪魔のいけにえ』と>>続きを読む
ラース・フォン・トリアー御大の一族の、ヨアキム・トリアーさんの監督作品。DVDのパッケージにもラース・フォン・トリアーの名前があり、スキャンダラスな作品なのだろうかと思いながら、鑑賞。派手な設定がある>>続きを読む
深夜、飲みながら、再生してみた。
壁面のミイラ。チャントというよりはお経のように厳かなコーラスの下で、いつのまにか心臓の鼓動音が鳴り始めており、カメラが手ぶれしているのか、ミイラが揺れているのか、そ>>続きを読む
レフンの『眼球譚』。フランスの作家ジョルジュ・バタイユの『眼球譚』は、玉子を眼球に見立てて性器に出し入れする戯れ、目玉とその運命の話しだった。それが後の『マダム・エドワルダ』では、股の間から「私」を見>>続きを読む
イタリアの難民問題を巡るドキュメント。
このドキュメントは、イタリアの ランペドゥーサ島を舞台にして、中東、アフリカからの難民が、船にぎっしり乗って、海を渡ってくる。
ぎっしり乗っているので、>>続きを読む
恵比寿のガーデンシネマで鑑賞。
初日だからなのか、お客さんがたくさんいて、嬉しくなった。
イエジー① 『早春』
15才の男の子が、deep end、つまり性の深みにはまる。性愛は>>続きを読む