しばらく前に購入したハル・ハートリーがクラウドファンディングで自主制作したというBlu-ray集から、今更に試聴してみた。折り畳みのブック仕様のケースに3枚づつ納めらたディスクは綺麗な半透明のもので手>>続きを読む
再販されたIVCのBlu-rayで。
とてもフェリーニらしく、とても良い映画だと思う。原色の道化がどこまで冗談なのか、どこまで本気で殴っているのか分からない下卑た笑いを取りながら、ぐるぐる回って、ず>>続きを読む
モディリアーニ。女との再会、大きな明るい空を垂直に捉えた後、陽がしっかり差している林でジェラール・フィリップの背後から回り込んだ顔に胸が詰まる。悲壮な顔がそこにあるのは分かっているのだけど、なんだろう>>続きを読む
『ボーダーライン』シリーズのテイラー・シェリダンが監督&脚本。制作費は『ボーダーライン』(Sicario)の3分の1だそうだから、細部に金が回らなかっただろうが、そこそこ健闘したか。ただ、エンタメ以上>>続きを読む
今回で観るの3回目か、4回目かな。初めて観たのは、95か96年くらいであったろうか。レオス・カラックスの作品で初めて観たのがこれ。長編は5本しか撮ってないが、どれもこだわりの作風で、彼の作品は基本的に>>続きを読む
オープニングで、林の中を緩い坂道が写るのだが、意図したのかどうか不明であるが、カメラが妙に水平でなく、不穏さを煽っている。Blu-Rayで見たが、映像のリマスターは上手くいっていて、風に揺れる木立と夕>>続きを読む
『2001年 宇宙の旅』は、「人間とは?」をテーマにしているので、猿に始まるし、機械(HAL)が不気味なほど人間的であり、SFにしてはやけに静かな機械との闘いは非常に内面的で、孤独である。その闘いの後>>続きを読む
☆ドルビーシネマで、アーサー = ブルース・ウェインの構図を観賞するのは、ジョーカー=ノーラン&ヒースへの愛に適うのか?
ノーランのダークナイトシリーズ以外で、ジョーカーのことは知らない。ヒー>>続きを読む
ジャン・ジャック・ベネックスが35の時の作品。
青春のころは、映画好きなら『グランブルー』だろ、みたいな空気がライト層にはあった。他にもっとあるでしょって感じでしたね。もうちょい高尚なものが好きな連>>続きを読む
モノクロ。同じくモノクロで、デュラスの『モデラートカンタービレ』にジャンヌ・モローとJPベルモンドをフィーチャーした、『雨のしのび逢い』が、なんだか世間では評価されているらしいモローの叫びを除いてだが>>続きを読む
『風の谷のナウシカ』のナウシカは胸が大きい。しかしその胸は性的な欲望に奉仕することはなく、宮崎駿によると、「死んでいく爺さん、婆さんを抱きとめるために大きい」のだと言う。また、ナウシカはエコロジカルな>>続きを読む
盲者の映画をいくつか観た。
清水宏『按摩と女』(1938)
新藤兼人『賛歌』(1972)
両者とも素晴らしかった。盲者の愛と言えばアンジェイ・ヤキモフスキの『イマジン』(2012)だろうが、清水さ>>続きを読む
ヒロシマ②
1912年生まれの新藤兼人監督は100才まで生きたが、オリヴェイラのように、もう数年ご存命だったら、フィルマークスのレビュー欄を先生は目にして・・・、南無阿弥陀仏。
映画を観て>>続きを読む
20年ぶりだろうか、ゴダールを観るのは。今回、夜見始めて30分もたたずに寝落ちしたが、起きてから続きをちゃんと観た、と思う。すぐに落ちたのに、物凄い悪夢を見た。映画をつけても不安が高まり、今も落ち着か>>続きを読む
「風花って知ってるかい? 晴れたお天気の良い日に、どこからか風にのって来る、こんな雪のことなんだよ。なんだか、さいさきが良いじゃないか。」
木下恵介のかの有名な『楢山節考』(1958)は歌舞伎の舞>>続きを読む
子供って、分子が結合でもするかのように、非常に簡単に、くっつくんだな。彼らはまったく異質で、繋がりようがなくても、結合できる。ドゥルーズが『ミルプラトー』で語る、精神病の狼のようだ。だから、フェリーニ>>続きを読む
今度、プロジェクターを導入してみようかと思い、この『惑星ソラリス』と『インランドエンパイア』と最新の録音のオペラの3つのBlu-rayディスクをこっそり持って、プロジェクターの視聴ができるところに行っ>>続きを読む
音楽の天才が作った本当に幸せな気持ちになるオペラを、歌手たちが口ぱくで演技するのをケネス・ブラナーが映画にした。数ある『魔笛』のパフォーマンスの内でも、指折りの出来栄え。この種の映画的要素を取り入れた>>続きを読む
たしかにこの映画はまるごと『ア・ゴースト・ストーリー』であり、アルフォンソ・キュアロンがゴーストになっているのは、なるほどと思いました。『ゼログラビティ』を連想させるジョン・スタージェスの映画が映>>続きを読む
ニコラス・レイのデビュー作で、ボウイとキーチーという恋人たちのフィルムノワール。この2つの名はおそらくボニー&クライドのアナグラムである。
冒頭、クレジットとタイトルが示される前、重なり合うように身>>続きを読む
話しがめちゃくちゃ面白い。『穴』よりもよいかな。あれの京マチ子もかっこよかったけれど、船越英二の役もこっちの方が多いし、有名女優もたくさん出てきて、モノクロームのカッコいいショットがたくさん。
ただ>>続きを読む
日本では、ダリオ・アルジェントは『サスペリア』が先行して売れたために、『サスペリア』よりも早く製作されていたこの”Profondo Rosso”は配給側の判断で『サスペリアpart 2』なる邦題になっ>>続きを読む
ヴィスコンティの『夏の嵐』のような、古典的な風物に満ちてはいるが、ストーリーは他愛のないメロドラマ、ということになるだろう。死に向かう存在が、これ見よがしに、桜の舞い散る花に包まれたり、麗しい岡>>続きを読む
アニエス・ヴァルダが亡くなった。90だったという。今から50年ほど前に、ジャック・ドゥミと結婚して、この映画を撮り、ヌーベルバーグの中を生きた映画人だった。ジャック・ドゥミはバイセクシャルであったらし>>続きを読む
遠い昔に観たことがあるような気がします。田中裕子のリメイク版(1987)の方かもしれません。黒木瞳のドラマ版(2004)もあるようです。また、少年少女文庫とかいう感じのタイトルの叢書で、貝殻の挿絵が>>続きを読む
映画を撮らせてもらえるなら、なんでもやるよね・・・(小沼勝)
小沼勝という日活の監督さんの助監督をしていた中田秀夫が、小沼氏本人、中田秀夫を含めた小沼組の面々、役者たちとのインタービューを集めた>>続きを読む
我が子に対する罪悪感から、世界に愛を、貧しき者に施しを、孤独な者に慰めを、仕事もしないが子供だけはたくさんいる、適当でふしだらなダメ女(ジュリエット・マシーナ)には仕事とくだらない情事の手伝いを。>>続きを読む
2005年にペドロ・コスタが映画美学校で、ということは私が今いる場所の階下で、ハロー filmarks! 行なわれた講義でジル・ドゥルーズを引用しながら映画撮影について次のように述べている。>>続きを読む
『セカンドサークル』(90)、『ストーン/クリミアの亡霊』(92)、そして本作、『静かなる一頁』(93)と、この時のソクーロフは何かのエチュードとでもいったような、ミニマルな小品を立て続けに作る。>>続きを読む
壮絶。ツタヤのDVDだが、1966年の映画であることを考えると優秀なリマスター。アルジェリア戦争の1954年から1957年の経過を辿る、ドキュメンタリー調の白黒映画。フランスの植民地主義に抗して独立を>>続きを読む
ユーロスペースのソクーロフ特集。凄まじい。が、激しく眠かった。飯を控えめにして、酒も飲まず、コーヒーを飲んで、かなり集中して挑んだのだが、3回、意識を奪われかけた!その度に集中しろと自分を叱咤した>>続きを読む
いや〜、すっげえ面白いですねー。
☆清順 meets スポ根マンガ
はじめの30分くらいは昔の少年漫画のスポ根ものに、多少のエロが入っただけなのかなって思って、途中でやめようかって思った。『>>続きを読む
前情報なしで見たほうがいいかなって思いますね。ゆっくり暇な時に鑑賞されてください。
何も知らないで見てたら、『初恋の来た道』みたいなのかなって思った。そしたら木が映ったのでタルコフスキーっぽく。>>続きを読む
成瀬巳喜男の『女が階段を上る時』は1960年に公開された。この時代には、「原色の街」を舞台にした作品が大量に生産される。吉行淳之介の小説は1956、溝口健二の『赤線地帯』も同じく1956年である。しか>>続きを読む
女性看護師に対する家宅侵入とハト時計の窃盗、それから数年前に起こった同じ女性への強姦の容疑をかけられた男に裁判官が問う。
「なぜ押し入ったのですか?」
「・・・愛です。」
「もう少し大きな声で>>続きを読む
オーストラリアの奥地の荒野を女の子が、丈の短いスカートとローファーで歩く。このいかにも都会から来たという風采のガールを演じるジェニー・アガターは劇中では14才の設定であるが、1969年8月の撮影開始時>>続きを読む