harunomaさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.7

トップガン マーヴェリック
これは歴史である、続編ではない西部劇。ヴァル・キルマーのこともあり、オリジナルは見ておこうと思ったら、正解だった。
まさかトップガンのトニー・スコットをジョセフ・コシンスキ
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トップガン(1986年製作の映画)

3.1

トニー・スコットの中で、唯一見ていないのがこれと、もう一つ。
トム・クルーズなのに。
その透明性と、一番の大ヒットから最後まで見れないのか、はたまた女優がよくないのか。80年代の限界か。
それにしても
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スクラップ・ヘブン(2005年製作の映画)

2.5

みなとみらいがいい感じの空。
オダギリジョーの全盛期であり、才能のなさ彼の画面的浅はかさが露呈している。

BORDER LINE(2002年製作の映画)

-

なんか光石研が燃えてる炎の前にいた記憶しかない。
李相日は『怒り』しかいいと思えない。ノーランが『インターステラー』が一番いいと思えるのと近い。自称俳優の演出派の監督と言えども、俳優自身が反射を超えて
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八つ墓村(1996年製作の映画)

1.0

なぜか再見したくなって、400円払った。
市川崑、市川準、伊丹十三、森田宏光とかいう大根ジャンルは永遠に分からない。
この人たちは何が楽しくて映画なんて撮ってるんだろう。
Fujiかどうか知らぬが、こ
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市民ケーン(1941年製作の映画)

4.6

なかんづくジョゼフ・コットン。
グレッグ・トーランド。スクリーンではじめて観た『市民ケーン』において、ケーンと同志たるリーランドが仲違いした後、リーランドからケーンが与えた小切手とともにケーンの書いた
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CUT(2011年製作の映画)

4.1

シネマは身体であり、身体はそのまま目の前のシネマである。
アミール・ナデリは食わず嫌いだが、これはプリミティブによかった。
文字通り傷だらけ、満身創痍に映画をまま体現する西島の顔は、固有名すら消える「
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あの電燈(2014年製作の映画)

3.9

面目躍如。
冒頭一連の、ラジカセを耳にあて、颯爽と歩く小林万里子とラジオのノイズ、あの電燈は永遠にシネマに刻まれるだろう。
いい小品。

うつろいの標本箱(2015年製作の映画)

1.0

壊滅的。ワークショップとはそもそも壊滅的な詐欺商法なのだが、わたしがわたしのままで映画になるなら、iPhoneで完結するはずだ。そして、そんなものは映写してはならない。配信のURLを送ってくれ。
電車
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人生の約束(2016年製作の映画)

-

貴重な、とんでも映画。点数付けが不可。
開局年記念2夜連続テレビドラマならまだいいが、本当にこんなものが2016年に上映されていたのことがすごい。失敗作ですらないある意味とても貴重な邦画。

日本テレ
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怒り(2016年製作の映画)

4.8

響きと怒りの物語(エルセサー)

広瀬すずは『海街diary』も『四月は君の嘘』『三度目の殺人』も好きだ。群像劇ながら、今作が一番の代表作となっただろう。彼女の叫びが沖縄の波の音とともに坂本龍一のピア
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流浪の月(2022年製作の映画)

1.3

壊滅的だけど、続けなければならない産業芸術の魂の抜け殻。
東宝『怒り』に比べての感想。
重厚さの欠片もない。疑わしい主人公。反メロドラマ。サスペンスですらない。
フラッシュバック(3つの時間のマッチカ
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心の指紋(1996年製作の映画)

3.5

偉大なる失敗作。
イーストウッドもいる。
ラストの山頂の美と体ごとの走りはピートなのだろうか。
それにしてもアンバランスなバランス。あらゆるものがないまぜになりながら映画史の記憶がときに足枷にもなる。
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サブウェイ123 激突(2009年製作の映画)

5.0


映画史上、ラストに牛乳ミルクが重要なプロップスになるのはこのサブウェイ123とマキノ雅弘の『侠骨一代』だけ。帰る場所は違うのだけど。

ミルクを買って帰路につく微笑み。
全然必要のないパトカーの横転
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夜よ、こんにちは(2003年製作の映画)

4.5

確かに21世紀初頭にベロッキオ・ルネッサンスというものがあった。
『愛の勝利を』と『母の微笑』までだが。
『肉体の悪魔』
微細で執拗な観念の信仰は肉体的であった。ルー・カステル。
艶かしい肌の発色と全
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ジョー・ベル ~心の旅~(2020年製作の映画)

2.5

この映画がA24予告編詐欺だと思うのは、
当のテーマそのものではなく、
幽霊問題を何の境界もなくやりすごしてしまうからだ。
放浪者の如く荒野を行く二人は、現代の問題を最優先させるのはいいとして、ほとん
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罪の天使たち(1943年製作の映画)

5.0

あなたのこえを私の誓にかえすほどに、雨の中の微笑みはミメーシスとしていきつづける。反響-反射とは共鳴であり、沈黙の、時間を遅らせる反復、おそらく触れていたのだ二人は。

罪の天使たち
LES ANGE
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自由、夜(1983年製作の映画)

5.0

自由、夜
Liberté, la nuit

その峻烈にはためく風のありかに、白いシーツに、ミシンに、灰色の路地に、夜に、世界の声は、見つめ合う二人の、そしてひとりの、眸の微動のふるえの前では、自由と
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ゴールデンスランバー(2009年製作の映画)

3.8

貫地谷しほりがおばさんかを表明する間際の映画。
仙台を舞台にした逃亡劇であり、かつての旧友(復讐ではない)が肝になるというか。仙台繁華街なのだが、「表徴(記号)の帝国」すらないのは、仙台がそもそも無風
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あの彼らの出会い(2006年製作の映画)

5.0

These Encounters of Theirs

深く
時のクレヴァスの中で、
光でできた氷のかたわらで、
待っている、息の結晶、
おまえの反駁し得ぬ
証言が。

パウル・ツェラン

フィルムの
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心のともしび(1954年製作の映画)

5.0

ジェーン・ワイマン、心のともしび、天が許したまうすべては
溝口における田中絹代的なことだと理解するとわかりやすい。
『西鶴一代女』(さいかくいちだいおんな)1952年(昭和27年)4月17日。

風と共に散る(1956年製作の映画)

5.0

WRITTEN ON THE WIND
Promises Written in Water
人類 VS ダグラス・サークとは本当だったのだ。あらゆるショットの知覚が破格。5万点満点、ファミリー・メロ
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ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル(2011年製作の映画)

4.6


すでにクレムリンは地下から爆破倒壊されている。Peace Attack 平和攻撃 Sonic Youth
帝国でも皇帝でもなんでもいいが、偏執の顔だとしても、プーチンには狂気が足りない。ドヴジェンコ
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祈りの幕が下りる時(2017年製作の映画)

4.5

このシリーズの映画版はいい。阿部寛は安定だが、毎度ゲストがいい。松嶋菜々子は赤とともに圧巻。近年の松嶋のドラマはほとんど見ていないが、役者としての顔が。
曽根崎心中とは言い得て妙だが、結局出突っ張りの
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アバウト・タイム 愛おしい時間について(2013年製作の映画)

5.0

“My extraordinary, ordinary life.”
レイチェル・マクアダムスが最高にかわいい。大雨、嵐のシーンは思いっきりよく水の世界でありすばらしい。ジミー・フォンタナの「Il M
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花とアリス(2004年製作の映画)

2.0

爽やかな正しい戦争などない。
映画ではない しかしゼレンスキー、ウクライナ・レジスタンス。

内在的根拠のなしのジャンプカットとは、まやかし以外のなにものでもない(Godardではない)が、
ともする
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マイ・インターン(2015年製作の映画)

4.0

マイ・フェア・インターン。もはやクラシックにすら見える。人のいい懐の深い歓待のデニーロは、ホテルのベッドでアッパーシーツに包まるアン・ハサウェイの隣で、テレビに映し出される雨に唄えばのジーン・ケリーを>>続きを読む

8月の家族たち(2013年製作の映画)

2.5

この題材で、ローキーで構える南部の陰影が深い家、怪物でありコメディである母親とその家族。引いてはサム・シェパードっていいですかという問いが、彼不在のままラストを迎え、何も解決し得ない「歓待はない」の身>>続きを読む

ブルータル・ジャスティス(2018年製作の映画)

2.5

悪くはない。悪いはずがない。
なぜならもはやフォルムとは呼べないようなものをフィルムとして扱う現代映画の旧現代の刑事なのだから。
よくやっている。見事なものだ。ここには幾ばくかのニヒリズムと存在者たち
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めまい(1958年製作の映画)

5.0

タブロー、似ていること、類似の罠。
見直すことはないが、だがおそらく死と愛の、むしろ完璧なキム・ノヴァクの肖像ではなく、すべての映画に現れるジェームズ・ステュアートのあの声と顔の顫え(長身であるロング
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イコライザー(2014年製作の映画)

4.7

あさまだきの時間、デンゼルは一人、モンクのように髪を手入れし、靴を磨き、ミキサーをセットし、バスと電車で通勤し、キッチンで皿を洗い、就中いつも本を読み、眠れない夜はティーパックをペーパーに包み込みダイ>>続きを読む

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

-

「かつてはスタジオ映画というものが存在していました。今やマーベルの映画だらけです。マーベル映画とは、どういうものなのでしょうか。マーベル映画とは、それぞれが違うものに見せるため、これまで繰り返し繰り返>>続きを読む

オデッセイ(2015年製作の映画)

1.2

わけわかんない。だらしない。
リドリー・スコットの民主は犬にでも食わせろ。
むしろ犬を見たい。

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

-


白い神話学。バーニング風。
証言の不-可能性、パッションの教室シーンの拡張、信憑な嘘の告白という恐怖政治(テロル)、そして軽薄な魂の浅薄な顔たち。微笑みを忘れたの?ニンゲン合格ではない。

これは反
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アンナと過ごした4日間(2008年製作の映画)

5.0

非常に雑駁な議論になるが「愛の不可能性」ということだけ言うなら、『接吻』への最良の解答として『アンナと過ごした4日間』はある。『アカルイミライ』『サッドヴァケーション』『接吻』とここ数年の面会室におけ>>続きを読む

ファララ(1983年製作の映画)

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吉祥寺で70-80年代の8mmを観たのだが、所謂サークルの先輩と比べる(画面に才能が張り付いている黒沢、どこまでも何食わぬ顔でギャグをきめてくる万田、予想の範囲内の早稲田高橋、恐らくこれ一本だけが生涯>>続きを読む