Ryomaさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

Ryoma

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ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(2007年製作の映画)

3.8

評論家筋からの評価が異様に高かったので過度に期待してしまった。
オープニング、レディオヘッドのジョニーグリーンウッドが生み出す不気味で異様な音世界、の中で黙々と進められる石油作業、を捉える滑らかなカメ
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ストーカー(1979年製作の映画)

4.3

もちろんいい意味で偏執的な感覚、神経質な感覚、人間が併せ持つ最も鋭敏な感覚を湿っぽい大気に向かって解放する、そんな感覚。タルコフスキーの映画からは常に、人間と自然の狭間でぼうっと灯される魂のような、微>>続きを読む

ブレードランナー(1982年製作の映画)

4.5

一切誇張無く、奇跡でしょ、この映画。キラキラ煌めいて放出される無数の露玉の結晶体、のような奇跡的なショットの連続。湿度高め。
別にストーリとか脚本とかに哲学性とかは感じなかったし、別にSF物全般個人的
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レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)

4.1

映画って一口に言っても、色々やんなきゃいけないことがあるから、ほんとめんどくさいと思う。カメラ撮影、脚本の執筆、役者の演出、映画音楽、映像編集・・・、いろんな要素が混然一体となって「映画」が出来上がる>>続きを読む

悲情城市(1989年製作の映画)

4.4

正直なところ、あんまり寝ずにって言ってもまあ大体五時間ぐらいは寝て駆けつけた映画館、なので、やっぱり映画館っていうのはむんむんと眠くなる環境、真っ暗、生温かいシート、ゆっくりと流れる時、などがそろって>>続きを読む

ヤンヤン 夏の想い出(2000年製作の映画)

5.0

詩的に幻惑的に煌めいていて同時に静謐な「人生=映画」を感じる映画だった、そんな映画を映画館で観れたのは、多分一生後引く素晴らしい体験・記憶で本当によかったなあと見終わった後何度も何度も反芻する。そうい>>続きを読む

バルタザールどこへ行く(1964年製作の映画)

3.7

はっきり言って僕はこの映画の発する魅力を十分に感じ取ることが出来ず、終始異国のよう分からんパンを食っているような気分に見舞われた。それは僕にとって、硬くぼそぼそとしたパンであり、同時に、慣れた人や地元>>続きを読む

ノマドランド(2020年製作の映画)

3.0

同じくアカデミー賞候補の「ミナリ」よりかはこっちの方が個人的な好みではあった。しかし、どちらも秀作止まりといったところで、例えば「パラサイト」のように大傑作!とは謳えないかな。
「ノマドランド」はさら
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(1974年製作の映画)

5.0

大傑作。二度目の鑑賞。一度目は「マジ意味不!」ってなったが、二度目で分かった。これは大傑作だ。みんなもう一回観てほしい!
母の存在と父の不在。曖昧な幼年時代の記憶、戦争の記憶。全てが絡み合って受け継が
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ミナリ(2020年製作の映画)

2.8

不完全燃焼な感じがするのは、僕だけか?
家族と仕事、息子と祖母、韓国とアメリカ、農作物とミナリ・・・、それぞれの要素が低い旋律を奏でたまま、深く交わったり絡み合ったりせず、また一向に突き抜けようともし
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大人は判ってくれない(1959年製作の映画)

4.8

はぁ。恐ろしいほど静謐だ。夜にかかる虹のように異様だ。なめらかに、密やかに、胸の底まで響いてくる、決して触れることのできない、水晶のような哀しさだ。痛ましい、崩れ落ちてしまう、でも瑞々しい。とんでもな>>続きを読む

生きる(1952年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

前半と後半で大きく語り口が異なる。前半は、自らの命がそう長くないことを知って、焦燥と絶望の中で街中を彷徨する、主人公の日々。後半は、そんな主人公が死んでしまって、彼の通夜の席で同僚や家族の口から語られ>>続きを読む

自転車泥棒(1948年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

芥川龍之介の羅生門のような話で、「極限状態における人間の意志の揺らぎ」を虚無の眼差しで描いている。でもそのテーマがかなり普遍的なものだから、いつの時代でも多くの人々の心を揺さぶり、こうして映画史上の古>>続きを読む

街の灯(1931年製作の映画)

4.0

僕は常々、映画を観るということは、絵画を観るということよりも、音楽を聴くということに近しいんじゃないかと、そういう風に考えてきた。つまり、映画とはショットの連続であって、その積み重なるショットの中に、>>続きを読む

緑の光線(1986年製作の映画)

4.1

現代アートハウス入門というイベントで鑑賞。
まず目についたのは原色が散りばめられたビビッドな画面。今まで見た映画だとゴダールの「気狂いピエロ」「軽蔑」にかなり似通っている画面だと思ったが、それもそのは
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動くな、死ね、甦れ!(1989年製作の映画)

4.2

現代アートハウス入門というイベントで鑑賞。
映画の魔術を感じた。それはやはりカットの奥の方に潜む魔術なんだけど、うまい言葉で説明できないのは「本当の映画」だからか。全体的には洗練されてないし、荒っぽい
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

4.7

現代アートハウス入門というイベントで鑑賞。
僕にとって「いい映画」というものをかみ砕いて考えると、それは結局「詩」であったりする。最近観た映画だとタルコフスキーの鏡がそうだし、まあ大体の名作が「詩」を
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