鈍色の雨が降り注ぐ中。
ゆっくりと退廃していく世界。
思いついたとしても誰も触れなかった“それ”を描いてしまった禁忌の作品。
ミステリと思ったらオカルト。
SFだと思ったらオカルト。
美人だと思って>>続きを読む
青臭い四畳半ロックの物語。
1980年代後半。
人類が木星に着いたり、3年2ヶ月の一人旅に騒いだり、ドブネズミみたいに美しかったり、紅に染まったこの俺を愛する奴はいなかったり…そんな時代に育った自分>>続きを読む
報道されないY型の彼方へ。
もんげー!もんげー!
楽しくて楽しくて脳汁スビズバ出まくりの作品でした…が、これは三割くらい大げさな表現でありましょう。と言うのも、僕はダニー・ボイル監督との相性が良すぎ>>続きを読む
ブラックでサイケデリックな『オズの魔法使い』。
うはは。楽しい作品でした!
ミュージカルは苦手な分野なのですが、本作の突き抜けた演出はそんな先入観を吹き飛ばすほどにパワフル!圧倒的な歌唱力はダイナミ>>続きを読む
大人の都合で虐げられる子供たちを描いた問題作。
とても感情を揺さぶられた作品でした。
東南アジアの某国で行われる児童売春。
本来ならば守るべき存在である子供たちから搾取する構造。そこに抱く感情は怒り>>続きを読む
銀幕の向こう側にある楽園。
さぁ、メンソールの煙草を持って出掛けようか…。
とても楽しい映画でした。
劇場公開は1938年…と古い作品なのですが、フランク・キャプラ監督の切り口は絶妙ですからね。気構>>続きを読む
怪獣映画として正統な対決の物語。
神たる存在“コング”VS米軍の猛者“コング”大佐。
いやぁ。コング先輩はパネェっす!
人間がバカばかりで本当にサーセン!
…なんて言葉しか言えなくなるほどに。
キン>>続きを読む
鬼才クリストファー・ノーラン監督デビュー作品。
世間には色々な御方がいらっしゃいますよね。
生い立ち、外見、性格は勿論のこと、趣味を伺うだけでも多種多様。天井裏を散歩したり、椅子の中に入ってみたり…>>続きを読む
基本に忠実なミステリドラマ。佳作。
「事前に情報を仕入れない方が良いよ」
と伺っていましたので予告編すら見ずに鑑賞しましたが…複数の視点で物語を構成するという王道のミステリでした。しかも、正々堂々と>>続きを読む
普通にある普通じゃないラブコメディ。
“ぶっ飛んだ演出が多い”
そんな印象が強いダニー・ボイル監督ですが、ハリウッドデビュー作は“凡庸”と呼んでも差し支えない程度のラブコメでした。イギリスで大ブレイ>>続きを読む
軽薄短小なテレビ業界を皮肉たっぷりな筆致で描いた作品。
物語の簡単なあらすじとしては。
視聴率低下の責任を取らされたニュースキャスターが「クビになったので自殺します」とオンエア中に発言したら視聴率う>>続きを読む
言い訳されても変わらない哀しい過去。
第二次世界大戦時。
占領下にあったフランスが自国のユダヤ人たちを強制連行し、ドイツに引き渡した―という物語。それは、胸が張り裂けそうになるほどに無慈悲な史実。涙>>続きを読む
アメリカ人のアメリカ人によるアメリカ人のための作品。
第12回アカデミー賞ノミネート作品。
2016年が第89回ですから77年前―1939年の映画ですね。同年は第二次世界大戦が勃発した年。そりゃあ、>>続きを読む
《バットマン》ではなく《BATMAN》愛に満ちた作品。あ。発音は「ベトメーン」です。
原作の《BATMAN》は。
哀しみを背負いながらも不屈の精神を持ったヒーロー。人間を超越した能力は持っていません>>続きを読む
これは感動大作ではない。
繰り返す。これは感動大作ではない。
死、死、死。
見渡す限り、死の瞬間に満ちている作品でした。確かに戦争とは破壊と死をもたらすもの。どんなに綺麗事で飾っても、転がるのは瓦礫>>続きを読む
生と死。現実と妄想。光と影。
全ての輪郭線が溶け出していくような物語。
ぼんやりとした作品でした。
数年前に失踪した夫が“幽霊”となって戻ってくる―という物語なのですが、「何故、死んだのか」「何故、>>続きを読む
“期待”という毒蛇に騙され、楽園を追われた哀れな作品。
本作の劇場公開は2000年。
主演のディカプリオが『タイタニック』で一世を風靡してから、まだ2年も過ぎていない頃。だから「レオ様の作品だから観>>続きを読む
映画史上に残る効果音。
スゴイ作品でした。
全面核戦争となる“可能性”を描いた物語なのですが、シドニー・ルメット監督の筆致で描かれる緊迫した空気と足元に漂う恐怖は、画面から目を離すことが出来ないほど>>続きを読む
寒さと哀しみが痛いほど突き刺さる季節。
寄宿学校で学ぶ少年たちの瑞々しさを淡々と描いた物語。静かなる良作。
終戦から70年以上が過ぎ去っても。
毎年毎年、戦争の物語は新しく紡がれています。それは見渡>>続きを読む
スクリューボール・コメディ・ジ・オリジン。
寡聞にして初めて知りましたが。
本作のような作品を“スクリューボール・コメディ”と呼ぶのですね。「常識外れで風変わりな男女が喧嘩をしながら恋に落ちる物語(>>続きを読む
B級スリラー『パージ』シリーズ第三弾。
相変わらずツッコミどころが多いシリーズですな。
そもそも物語の根幹となる“パージ”の存在意義からして矛盾だらけですからね。経済活性化のために“貧民層根絶”って>>続きを読む
永久凍土に滲み込む赤い液体。
そして、眠れない夜に凍えるような闇を。
クリストファー・ノーラン監督の代表作。
…と言えば、やはり『メメント』『ダークナイト』『インターステラー』などでしょうか。少なく>>続きを読む
不連続猟奇殺人―。
犯人は逮捕されたのに似たような事件が連鎖していく…。果たして、これらの事件は繋がっているのか、繋がっていないのか…。加害者たちに影響を与える“謎の男”の正体は?首から胸にかけて刻ま>>続きを読む
―こんにちは。
声を掛けるところから世界は始まる。
ソリッドな形で描かれたコミュニケーションの物語。
あまり評判が芳しくない…。
と承知の上で鑑賞したからでしょうか。思っていたよりも楽しめました。>>続きを読む
人それぞれの“しあわせのかたち”。
知る〈know〉。
それは、とてもダイナミックな体験。
無の空間に生まれ咲き誇る花のように。
白いキャンパスに彩られた色のように。
新鮮で興奮に満ちた瞬間の積み重>>続きを読む
『DCエクステンディッド・ユニバース』第4弾。
何故、このタイミングで。
DCは『ワンダーウーマン』を選択したのか…そんな疑問も鑑賞してみたら、なんとなくですが理解できました。いや、理解と言うか…あ>>続きを読む
「もしも『DUNE』が完成していたなら…」
幻の作品『DUNE』の真実に迫ったドキュメンタリー。
なかなか見応えのある作品でした。
口が悪い人は「完成していない作品はすべて傑作」なんて言うかもしれま>>続きを読む
円熟した渋みが漂う人間ドラマ。
あー。これは配給会社の担当者も、キャッチコピーを付けるのに悩んだことでしょうな。
―犯人よりも危険なのは“彼女”だった―。
まあ、文章だけで判断したら間違いではな>>続きを読む
「よし、わかった!市川崑監督版《金田一耕助》シリーズ最終章だ!」
《金田一耕助》最後の事件として。
それまでに映画化された作品と執筆時期が違う本作は、やはり毛色が違う物語でありました。
だから、単>>続きを読む
筒井康隆氏の天才的言語感覚を映像化した比類なき傑作。
素晴らしい作品でした。
筒井康隆氏の難解な世界観を映像化するのは、困難極まる挑戦だったと思いますが…硬質ながらも酩酊した感の強い筆致を見事なまで>>続きを読む
悠久の大地に帰りゆく魂を優しい視点で描いた物語。秀作。
墓の掃除。レストラン。胸の谷間。
川のほとり。シャンプー台。胸の谷間。
テレビ番組。赤い自動車。胸の谷間。
というくらいにペネロペ・クルスさん>>続きを読む
ちょっと変わった三角関係。
今から30年以上前。
パソコンが日常的ではない時代に、自分のパソコン(当時の言葉で言えばマイコン?)が自我を持った…というコメディなのですが、21世紀の視点で観ると…とて>>続きを読む
『DCエクステンデッド・ユニバース』第3弾。
悪を以て巨悪を倒す―。
確かに物語としては面白そうな設定ですが、それには悪役が魅力的であることが前提。ヒーローたちと“互角以上”の戦いを繰り広げてきた“>>続きを読む
魂をくり抜く作業。
それは見世物としてのオナニズム。
物語を作るということは翻訳作業と同じ。
自分の中にある情念や経験や妄想や衝動などを形にする作業…だと定義付けるのは、いささか乱暴ですが“近からず>>続きを読む
日本と西洋の違いを明確に表現した物語。秀作。
よく「日本人は無宗教」と言いますが。
確かに目に見える部分―仏教とかキリスト教とか―で言えば、特定の宗教に身を寄せている人は少ないと思います。「冠婚葬祭>>続きを読む
「よし、分かった!バランスだけで言えばシリーズ最高傑作だ!」
市川崑監督が手掛けた《金田一耕助》作品第四弾。
古い時計台、開かずの間、密室殺人、暗号、謎の旅芸人…と、ミステリ好きが聞けば頬が緩む単語>>続きを読む