こたつむりさんの映画レビュー・感想・評価 - 51ページ目

バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生(2016年製作の映画)

3.8

『DCエクステンデッド・ユニバース』第二弾。

あー。これは。
ヒーロー映画としては失敗作。
と、断言できてしまうほどに分かりづらい作品でした。

ヒーロー映画の大前提は気軽に楽しめること。
つまり、
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ホーリー・マウンテン(1973年製作の映画)

3.4

人は圧倒的に理解できない存在に平伏す。
消化どころか咀嚼すら困難な作品。怪作。

太陽と地球の間は約1億5千万キロメートル。
それだけ離れていても…太陽は僕らにとって不可欠な存在。そして、遠く離れた太
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ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

3.3

打上げ花火だと思っていたら…線香花火だった作品。

アカデミー賞史上最多14ノミネート。
そして、結果としては6部門受賞。
いやぁ。春先は盛り上がっていましたよねえ。
自分は劇場に行く機会が無かったの
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獄門島(1977年製作の映画)

3.1

「よし、分かった!詰め込み過ぎて失敗したんだ!」

市川崑監督による《金田一耕助》シリーズ第三弾。
監督は『犬神家の一族』『悪魔の手毬歌』と続けて映画化を成功させていますし、原作は《金田一耕助》長編デ
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サマーウォーズ(2009年製作の映画)

3.1

セミの鳴き声が聞こえない夏、のような作品。

細田守監督作品初鑑賞でした。
なるほど。とても緻密な作画なのですね。作画から伝わってくるこだわりは素晴らしく、特に都会と田舎で微妙に違う空気を描き分けた手
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トーク・トゥ・ハー(2002年製作の映画)

4.0

「言葉じゃ全ては伝わらない。
だけど、言葉じゃなければ分からない」

そうなのですよねえ。
「以心伝心」とか「目は口程に物を言う」とか。そんな言葉がありますが、多分に相手の想像力に委ねている部分がある
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眼には眼を(1957年製作の映画)

4.1

疑心暗鬼の極み。
荒野に広がるものは、果たして?

TSUTAYA発掘商品ラインナップの一本。
うん。これこそ、まさしく発掘。
見事に埋もれた名作を掘りだしました。

物語としては至ってシンプル。
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マン・オブ・スティール(2013年製作の映画)

3.2

孤独を抱えた鋼鉄の男の物語。
DCエクステンデッド・ユニバース第1作目。

あー。これは、確かに。
超有名少年漫画の“戦闘”を彷彿とさせるアクションですなあ。これで“光線技”があれば“そのまんま”です
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リアリティのダンス(2013年製作の映画)

4.7

アレハンドロ・ホドロフスキーの奇妙な冒険
        第一部 その青春

いやぁ、最高でした!
特に終盤からスタッフクレジットまでの場面。
背後で流れる物悲しい旋律も含めて完璧の一言。というか、
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エスコバル 楽園の掟(2014年製作の映画)

3.6

最凶の麻薬王に翻弄された青年の物語。

《パブロ・エスコバル》。
コロンビア最大の麻薬密売組織“メデジン・カルテル”の創始者であり、一時期は上院議員にも就任。全盛期には“世界で七番目の大富豪”と称され
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犬神家の一族(1976年製作の映画)

3.8

「よし、分かった!やはり遺産相続はドラマだ!」

市川崑監督による金田一耕助作品第一弾。
ということで、本作が“探偵・金田一耕助”を忠実に映像化した、というのは有名な話ですが…なるほど。その評も違わぬ
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MIND GAME マインド・ゲーム(2004年製作の映画)

3.9

“個性”という名の爆弾。
それは究極のB級アニメ。

いやぁ。これは熱量が高い作品ですなぁ。
落ち着かない線(せん)。
実写と融合する顔面(めん)。
コントのような大阪弁(べん)。
方向性が掴みづらい
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オール・アバウト・マイ・マザー(1999年製作の映画)

4.0

隅々まで“女性への敬意”に満ちている作品。

一部のファンからは。
“愛すべきスペインの変態”と呼ばれるアルモドバル監督。本作もその評価に違わぬ“変態ぶり”が発揮されるのであろう…と思って臨んだら。
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ヤング・ゼネレーション(1979年製作の映画)

3.4

19歳の密かな欲望。そして、さらば青春の光。

ひたすらに高い熱量。
むわっと立ち上る汗のにおい。
有り余る時間。明日が見えない苛立ち。
そんな“若さ”に満ち溢れた作品でした。

でも、これは、かなり
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スーパー!(2010年製作の映画)

3.7

「“正義”とは何か?」と問い掛けてくる秀作。

なるほど。
これは騙されました。
前評価が高いこと。“残酷描写”が多いこと。ポップなパッケージ、キャッチーなオープニング…などから、某ヒーロー映画と同じ
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ホドロフスキーの虹泥棒(1990年製作の映画)

4.0

図画工作の時間で作った「色々な石を使って仕上げた顔」のような作品。

いやぁ。楽しい作品でした。
個人的に “わちゃわちゃ”した物語は大好物。
一言で表すならば“サーカス”なのです。取り敢えず「楽しめ
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ヒトラーの忘れもの(2015年製作の映画)

3.9

“忘れもの”ではなく、次世代に“遺すべき映画”。

デンマークの砂浜で。
ドイツ軍が戦時中に埋めた地雷を。
ドイツ軍の少年兵たちが撤去する物語。

自国の後始末は自分たちで行う。
確かに、それは当然の
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ラビッド(1977年製作の映画)

2.7

交通事故に遭い、皮膚移植した主人公に訪れた悲劇。

本作は1977年の作品。
当時、女性が“襲う側”という設定は珍しかったと思います(あまりホラー映画は詳しくないので断言できませんが)。今では“貞子”
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スクリーム4:ネクスト・ジェネレーション(2011年製作の映画)

3.5

『スクリーム』新章。

前三部作が。
『1』『2』→『3』と右肩下がりでしたので、多大なる期待を寄せずに臨んだところ…うん。なかなか面白かったですよ。

やっぱり、このシリーズは"脚本"次第なのですね
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ライフ・オブ・デビッド・ゲイル(2003年製作の映画)

3.0

死刑制度反対の急先鋒である大学教授《デビッド・ゲイル》が殺人容疑で捕まった。はたして、彼は本当に殺人者なのか、それとも冤罪なのか。死刑執行間近で真相を探るサスペンス!

…というわけで。
死刑制度の
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抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より-(1956年製作の映画)

2.7

“リアル”とは何か?を突き付けてくる作品。

第二次世界大戦中のドイツ。
監獄に入れられた主人公が脱獄を目指す―という物語ですが、その手触りは圧倒されるほどに写実的。脱獄の参考になりそうなくらいに(…
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人間の値打ち(2013年製作の映画)

3.8

“あなたのお値段はいくらですか?”
イタリア発、人間の本質を痛烈に描いたドラマ。

人間の“イヤな側面”を強調した物語でした。
自分勝手過ぎて場の雰囲気から浮いていたり、社会的価値だけで物事を判断して
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カーズ/クロスロード(2017年製作の映画)

4.0

『カーズ』から約11年。
いつまでも“挑戦”は終わらない。
明日につなぐ“よろこび”を描いた物語。

いやぁ。さすが、ピクサーですね。
批判を恐れずに、主人公《マックィーン》の“中途半端な状況”を描き
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机のなかみ(2006年製作の映画)

3.9

机のなかみ≒心のなかみ。

相変わらず吉田恵輔監督はエグいですな。
日常で秘された部分をあえて描いてしまうので、“イケないもの”を観ているような気分になるのです。本作で言えば…やはりボールペンですね(
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クラッシュ(1996年製作の映画)

3.8

変態の変態による変態のための映画。

余談から入りますが。
昨年の愚息へのクリスマスプレゼントは。
“カークラッシュを意図的に起こして楽しむオモチャ”でした。勿論、アメリカ製(トイザらス限定商品)です
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スクリーム3(2000年製作の映画)

2.3

享楽という薄皮に包まれた空気のようなシリーズ…でしたが、最近、素材となる享楽も手に入りづらくて…しかも、物価も高騰して…なかなかお望みの娯楽作品を提供できないのですが…それでもお値段は据え置きですよ!>>続きを読む

ザ・コミットメンツ(1991年製作の映画)

3.9

ダブリンの片隅から聞こえる叫び。
「バンドやろうぜ!」

そのバンドの名前は「ザ・コミットメンツ」。
意味は「責任を持った約束・公約・確約」…ではなく、たぶん、元となるラテン語の「一つに組み合わせる」
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告発(1995年製作の映画)

3.9

堅牢で“脱出不可能”と言われたアルカトラズ連邦刑務所で脱獄を企てたために、長期間(1000日間)に亘って地下牢に閉じ込められた囚人《ヘンリー》の物語。

排泄物が垂れ流された部屋に置かれた食事。
着る
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ヒドゥン・フェイス(2011年製作の映画)

3.6

軽挙妄動が行き着く先は悲劇という名の喜劇。
もしくは、人を呪わば穴二つ。

なかなか見応えのあるサスペンスでした。
恋人に捨てられた男性《アドリアン》と、そんな彼への同情から恋に堕ちる女性《ファビアナ
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ロスト・ハイウェイ(1997年製作の映画)

4.0

♪止まらない愛しさ溢れて、連れ出してRUNNAWAY。

デヴィッド・リンチ監督の作品の中で。
僕が一番好きなのは『ツイン・ピークス』なのですが、そのノウハウを基に作られたからなのか、難し過ぎず、易し
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サマータイムマシン・ブルース(2005年製作の映画)

3.8

「あれは夏の幻だったのかな、兄さん」

本広克行監督作品。
ということで、サービス精神溢れる小ネタに満ちている、楽しい映画でした。舞台であるSF研究会の部室は“色々な場所から拾い集めてきた小物”が溢れ
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デビッド・クローネンバーグのシーバース(1975年製作の映画)

2.5

エロとゾンビと寄生虫と。
足して割って見つめてマンション、マンション。
鬼才クローネンバーグ監督の劇場デビュー作品。

本作は1975年の作品なのですが。
デビュー当時から“我が道”を歩まれている御方
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スクリーム2(1997年製作の映画)

3.4

享楽という薄皮に包まれた空気のような作品。
あ、空気量は30%増量していました(当社比)。

一世風靡した『スクリーム』の続編。
ということで、前作と地続きの物語です。
“前作を鑑賞していること”が前
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別離(2011年製作の映画)

4.2

真の才能は“制約”すらも武器にする…それを実感できる傑作。

すごい映画でした。
柔道の稽古(乱取り)のようにグイグイと引きずり回されて、最後には見事なまでの一本背負い。背中に残る衝撃と、右手から伝わ
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ミッドナイト・エクスプレス(1978年製作の映画)

3.7

アメリカ人の“傲慢”ぶりを知るには最適な作品。

深夜特急。
と和訳すると、まるで沢木耕太郎氏の小説のようですが、本作では“脱獄”の隠語。薬物(ハシシ)を密輸しようとして捕まった若者の物語でした。
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ミニミニ大作戦(2003年製作の映画)

3.2

先発として5回2失点を計算できる投手のような作品。

本作の主役はミニクーパー。
「ミニに乗る男性はオシャレ」という都市伝説があるほどに、スタイリッシュでコンパクトな車です。だから、ミニがアメリカの街
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