矢吹健を称える会さんの映画レビュー・感想・評価 - 28ページ目

矢吹健を称える会

矢吹健を称える会

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キラー・セッション(2017年製作の映画)

3.2

 悪くない映画だと思うのだが、キャラクター描写におけるウェイトの置き方が間違っているようにも思う。さして面白くもない刑事パートに時間を割きすぎだし、(主人公に監禁される一家をイジメてた)村人たちのほう>>続きを読む

暴(や)る!(1978年製作の映画)

3.2

 長谷部安春監督の他作品と同様のえらく抽象的な物語で、八城夏子がとにかくあらゆる男たちから、いたるところで犯されまくる。しかし不条理展開のなかにある種の寓話性を感じさせる『襲う!!』とか『レイプ25時>>続きを読む

ホームズマン/ミッション・ワイルド(2014年製作の映画)

3.7

 ずっと楽しみにしていた作品。が、DVDスルーという扱いになったうえ、ここ最近でもぶっちぎりに酷い邦題をつけられたので、まったく困ったもんだと呆れながら見始めたのだが、まあ、わからなくもないなと思った>>続きを読む

リュミエール!(2016年製作の映画)

3.7

 『工場の出口』やら『列車の到着』やらは知っていたし、色々な意味でこれらを超える映像というのはないのだろうなあと思って見てみるとなんとまあこれが驚きの連続、アクションの面白さ、構図の端正さ、発想の大胆>>続きを読む

ナイトビジター(1970年製作の映画)

3.3

 ちょっと面白いミステリー。徐々に状況が明らかになっていくオープニングから結構ひきつけられる。ただ70年代らしいというか、全篇に渡ってなんかのっぺりと平坦な画面なのだが、マックス・フォン・シドーの頑張>>続きを読む

ヒットマンズ・ボディガード(2017年製作の映画)

3.3

 個人的には『レッドヒル』で期待して、『エクスペンダブルズ3』で失望したパトリック・ヒューズ監督だが、この作品ではちょっと盛り返したと思う。ヨーロッパの街なかを河に沿ってバイク・車・ボートで駆け抜ける>>続きを読む

ザ・ボディガード(2017年製作の映画)

3.0

 実質83分。激甘な脚本だがアクション・シーンはどれもちょっとした見どころがある(ブックスタンドを撃って雑誌が弾け飛ぶというのがなぜか良かった)ように思うし、女子高生を演じたオデイア・ラッシュという人>>続きを読む

映画監督ジョニー・トー 香港ノワールに生きて(2010年製作の映画)

2.2

 どうも何年間かかけて撮影していたっぽいのだが、腰が据わってないんじゃないか。何がしたいのか。英語ではしゃぐサイモン・ヤムは可愛い。

 この監督はピンク映画やヤクザ映画についてのドキュメンタリーも撮
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ホリデイ(2006年製作の映画)

2.6

 最後に4人で笑って踊ってるのとか見て、明るい気持ちになる程度にはぼくもお人よしなのだが、それにしてもすべてが軽く薄い。

 ジュード・ロウが男前すぎる。このジュード・ロウに迫られたら(いや、迫られま
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スター・ウォーズ/最後のジェダイ(2017年製作の映画)

2.4

このレビューはネタバレを含みます

 スター・ウォーズ神話の否定、血統主義の否定というのはまあ、納得できなくもないのだが、ついでにヒロイズムも否定するとなると、冒険活劇としてそれでいいのかという感じがする。序盤の爆撃機作戦から後、反乱軍>>続きを読む

ラブ・アクチュアリー(2003年製作の映画)

2.8

 こういう表現も紋切型なのだろうけれども、脚本家らしい映画だなと。それを役者の魅力でもたせているといった感じ。ミスター・ドーナツで売ってる色んなドーナツのちいさいやつがミックスされた、ア・ラ・カルトで>>続きを読む

女神の見えざる手(2016年製作の映画)

3.8

 2時間を超えて面白かった映画は久しぶり。いやあ面白かった。ジョン・マッデンの演出は律儀すぎるくらいだと思うが……ジェシカ・チャステインとマーク・ストロングの声が素晴らしい。

やくざ対Gメン 囮(1973年製作の映画)

2.5

 序盤のトンネル?内での取引シーンは『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』を想起するくそカッコいい画面。期待値は一気に上がったのだが、松方弘樹の愛人のなんともビミョーな存在感と、彼らがイチャつく浴室のピンク>>続きを読む

無宿者(1964年製作の映画)

3.7

 アンソニー・マンばりの岩山から始まる。このタイトルバックだけでもただごとじゃない雰囲気で素晴らしい。その後の展開も時代劇というよりは、なんというか民話とか神話とかそういう類の抽象性で、三隅研次のドラ>>続きを読む

西陣の姉妹(1952年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

 老舗の商家が借金でにっちもさっちもいかなくなって崩壊していくさまを描くドラマだが、嬉しいのは本当に家を文字通り壊し尽くす描写である。調度品も何もかも運びだし、家屋を破壊しつくし、ついには土台の石?を>>続きを読む

歌麿をめぐる五人の女(1959年製作の映画)

3.0

 1959年製作の映画ながら、乳房がほとんど見える際どい描写がある。っていうか、そんなのばっかり。極めつけは「女中100人、トップレスで鯉のつかみどり」とかいう80年代のTV番組みたいなシーンで、ウー>>続きを読む

KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016年製作の映画)

2.8

 おそろしく沈鬱なムードで始まるうえに、お母さんなんかほとんど狂人なので「こういうテンションの話か……」と身構えた。しかし「三種の武具」だかなんだかを探す旅が始まると、サルと虫との軽妙なかけあいなど、>>続きを読む

おじいちゃんはデブゴン(2016年製作の映画)

2.8

 老人なりの強さじゃない。普通に強い。まあそれはいいんだけど、アクションシーンになると突然映像がカクカクしだすのがよろしくない。
 老いたサモハンの役者としての魅力にはなかなかグッとくるものがある。ア
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遊侠三国志 鉄火の花道(1968年製作の映画)

3.7

 圧倒的小林旭。裕次郎も英樹もルミ子も全員どうでもいい。

 日活の歴史を感じる。片目の小林旭は丹下左膳のよう。映画館(電気館と書いてある)のスクリーン裏でチンピラと戦うシーンは、紙吹雪が舞うのも含め
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オペレーション・メコン(2016年製作の映画)

3.4

 ダンテ・ラムのフィルモグラフィー中では(あのまったく印象に残っていない)『ブラッド・ウェポン』系の作品という感じがしたので、どうかなと訝りながら見たのだが、杞憂でした。アクションシーンだらけである。>>続きを読む

プライム・ターゲット(2016年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

 主人公たちを追い詰める、というか、可能性をひとつひとつ潰す描写が、執拗で良い。加えて、主人公と行動を共にするStijn Van Opstalという人が演じる役(IMDbでは「Driver」としか書い>>続きを読む

囁く死美人(1963年製作の映画)

2.8

 ムードはすさまじいものがあるのだが、謎ズーム、謎パンニングなどがうざい。

 殺人を犯した人間が罪の意識から幻を見るという『四谷怪談』パターンだと思ってみていたら逆に裏切られた。川崎敬三の死にっぷり
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B・G物語 易入門(1962年製作の映画)

3.2

 これでもうちょっとテンポがキビキビしていたらと思わなくもないけれど、楽しい喜劇。メインを張る4人のBG(死語……)たちは万里昌代以外本当に華がないのだが、まあ、そういう役でもあるし。渋沢詩子のおきゃ>>続きを読む

殺し屋人別帳(1970年製作の映画)

2.7

 石井輝男もこのあたりになると随分テキトーに撮っている感じがあるが、男優陣の敢闘に比べると、女優が良くない。やくざの親分のぶっとんだ娘役も、若き日の三原葉子だったらさぞかし魅力的な役になっていただろう>>続きを読む

女体渦巻島(1960年製作の映画)

2.7

 いきなり「東洋のカサブランカ・対馬」と出てきてツカミはバッチリ。しかし見ているうちに「おや、これは妙に見覚えがあるぞ」という展開の数々……どうやら以前見たことがあるらしい。すっかり忘れてたし、なんな>>続きを読む

リベンジ・リスト(2016年製作の映画)

2.2

 もう後半、指数関数を思わせる勢いで台詞が酷くなる。とはいえ90分でテンポよく進むので、まあそれなりに楽しく見られます。しかしちょっとどうかという演出が度々ある。聖書の一節を読ませる際にそこだけ光って>>続きを読む

グッド・バッド・ウィアード(2008年製作の映画)

2.5

 ・おもしろいシーンがない
 ・話がてんで定まらない
 ・過去の因縁の作り方が下手すぎる

 「目をつぶれ」はちょっと笑いました。あと白竜が日本軍の軍人なんだけど、ろれつが回ってなくて現地役者っぽい。

宇宙からのメッセージ MESSAGE from SPACE(1978年製作の映画)

2.3

 『八犬伝』みたいな話なのだが、リヤベの実とかいう木の実(『八犬伝』の珠)が配布される範囲が狭すぎる。8個中4個は真田広之とその知り合いのところに届いてる。宇宙規模の話じゃねーのかよ。
 まあ、この設
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ヒーロー・ネバー・ダイ(1998年製作の映画)

4.2

 ジョニー・トー史上でも最高のエモ度合なのでは。日活、東映、そして北野武と、さまざまな記憶を架橋しながらも過剰なまでのロマンがすべてを染め上げる。過剰すぎてもはやかっこいいのかどうかてんでわからない、>>続きを読む

スター・ウォーズ/フォースの覚醒(2015年製作の映画)

3.2

 見終わってまず「カイロ・レン m」までGoogle検索窓に打ちこんだらちゃんと「カイロ・レン 無能」と補完された。スクリーンの向こうのおまえらと気持ちが通じたので嬉しかったです。
 あと、このシリー
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アトミック・ブロンド(2017年製作の映画)

2.8

 かっこつけすぎでウルトラダサい。やばい。

 まあ、実際にかっこいいところだってあるのだが、混迷を極める話運びで台無し。全篇が回想シーンなのはもともとの設定上しかたないにしても、視点もへったくれもな
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LUCK-KEY/ラッキー(2016年製作の映画)

2.6

 ユ・ヘジンの初(?)主演作品とあれば、これは見ます。最初の10分でどの程度の出来かは概ね察しましたが、乗りかかった舟だと思い見続けてみて、まあやはり原作が面白いので結構見られないこともないのだけれど>>続きを読む

伝説のロックスター再生計画!/寝取り男はロック★スター(2010年製作の映画)

2.5

 アルダス・スノウというキャラクターが、落ち目のロックスターらしいのだが、復帰コンサートがチケット即ソールド・アウト、直前にやったイベントも大盛り上がりと、全然落ち目感がない。そして"African >>続きを読む

ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦(2016年製作の映画)

3.3

 ちょっと寄った画面ばかりで息苦しいのだが、悲劇に相応しい顔面を堪能できるともいえる。特にキリアン・マーフィーの美しさが過去最高クラスで、青い瞳は痛々しいまでに綺麗。キリアン・マーフィーのファンにとっ>>続きを読む

ギャングバスターズ(2012年製作の映画)

2.8

 アヴァン・タイトルがスーパーダサいので心配になったし、その後も全然良いとは思えないのだが、やりたいことは嫌いじゃない。しかし車いすの少年に肩入れする過程はもっと上手い描き方があったろうにと思う。
 
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ドラッグ・ウォー 毒戦(2012年製作の映画)

4.1

 ジョニー・トーの無慈悲ぶりに震撼する。殺戮の嵐が老若男女を問わず巻きこんでいく終盤のガン・アクションは最高。ルイス・クーのクズっぷりも最高。骨の髄まで刑事なホン・スンレイと同じように、骨の髄までクズ>>続きを読む