marohideさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔(2002年製作の映画)

3.5

 面白いのに内容を忘れてしまう映画。今回でもう4回くらい見ているはずなのだが、やはり全然覚えていなかった。毎回新鮮に楽しめるのでそれはそれで結構なのだけど。

 エントの進軍は実にファンタジーをしてい
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ロード・オブ・ザ・リング(2001年製作の映画)

3.5

 久々に再鑑賞。
 2,3作目の出来事だと思い込んでいたシーンが次々に出てきて驚く。これほど展開の早い映画だったとは。それでいてこの長尺なので、流石にこれでクライマックスだろうと踏んで裏切られるタイミ
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ホビット 決戦のゆくえ(2014年製作の映画)

3.0

 面白いか面白くないかで言えば面白い。面白いのだが。

 前作のドラゴンの描き方がかなり好きだった自分は、街に竜が飛び去っていくあの絶望的なラストからどのように話が展開するのかという点に期待していた。
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ホビット 竜に奪われた王国(2013年製作の映画)

4.0

 物語も中盤に差し掛かり、前作にあった要素満載の満ち満ちた冒険感というものは少し目減りしてしまった印象。引き換えにキャラクターも増え、戦闘シーンなどはさらに変化のある面白いものになっていた。
 特にエ
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ホビット 思いがけない冒険(2012年製作の映画)

4.5

 ロード・オブ・ザ・リング三部作は随分昔に見たが、こちらは未鑑賞だったことに気が付きまとめてレンタル。

 いやぁ、面白い。実に面白い。ホビット庄でのドワーフとの出会いから始まり、竜の伝説、オークやト
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

4.0

 廃刊となる雑誌の最終号を飾る記事の映像化、という少々入れ子のような構造になっているのも理由だろうか。常に物語と距離を覚え、傍観者のような視点で観る事となった。時間的にも空間的にも遠くにある出来事を、>>続きを読む

パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)

4.0

 場面場面が強烈に印象に残る作品なのだが、全体を一本の筋として捉えると途端に曖昧模糊としてきて、観た直後の今ですら既に正確に思い出しにくくなっている。そういった意味で目覚めた直後に夢を思い出そうとして>>続きを読む

運び屋(2018年製作の映画)

4.5

 クリント・イーストウッドがあまりにも老人として美しい。ユーモアと色気、哀愁と渋みがあるのだが、それだけでなく年相応の弱さ、時代錯誤感が垣間見えるのがキャラクターとして魅力的である。
 そのような人物
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牯嶺街少年殺人事件(1991年製作の映画)

3.0

 不安定な50年代台湾を舞台に人々の微妙な機微が繊細に描かれている。
 取り返しのつかない人間関係を描いた作品特有の怖さがこの作品にもあった。その上若者特有の視野狭窄、衝動に近い恋愛感情、時代背景によ
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ブンミおじさんの森(2010年製作の映画)

3.0

 作中ずっとなっている環境音が心地よく、タイの森の湿った空気を感じる。鑑賞中、ずっと半跏思惟像のような表情で見ていた。半眼で瞑想するような気持ちで観る映画ではないか。

 本来全然笑いどころではないの
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八つ墓村(1977年製作の映画)

4.0

 夕暮れを背景に小高い丘から村を見下ろす8人の落ち武者のシルエットと舞台となる村の全景、そこへ真っ赤な文字でタイトルが入り、耳に残るテーマが流れ始める。
 この冒頭のシーンだけでも観る価値があるという
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キートンの探偵学入門/忍術キートン(1924年製作の映画)

3.5

 内容はドタバタ喜劇ながら、ずっと変わらないキートンのメランコリックな表情のおかげでどことない品の良さが漂っており素敵な作品だった。

 古い映画なので小手先の小細工ができない分を演者側の圧倒的な技術
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海底47m(2017年製作の映画)

4.0

 なかなか面白く、つい見入ってしまった。制約が多く物語が動かしにくいシチュエーションでありながら複数の様々な課題や脅威を上手く組み合わせることでマンネリ化しない展開を作り出せており、作劇上の苦心が見て>>続きを読む

サンキュー・スモーキング(2006年製作の映画)

4.5

 理屈っぽくて口が達者な人間を見ているのが好きで好きでしょうがないという人は間違いなく本作を気にいるだろう。自分はまさにそういうタイプなのでこの作品は大当たりだった。

 こういう映画は中盤で主人公が
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アメリカン・サイコ(2000年製作の映画)

3.5

「アメリカン・サイコ」という題の重点は「サイコ」ではなく「アメリカン」の部分にあったのだなと鑑賞後に理解。エネルギッシュな空虚さとでも言おうか、スマートな軽薄さとでも言おうか、とにかく実にアメリカを感>>続きを読む

L.A.コンフィデンシャル(1997年製作の映画)

2.0

 登場人物の誰も好きになれない映画だった。それぞれ異なるタイプの三人の刑事が三者三様の信念を抱えつつ闇に迫るという物語だが、三者三様に筋が通っていないように思え、なんだか誰も彼もに腹が立った。

 ポ
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カジノ(1995年製作の映画)

4.0

 面白い。
 タイトルはカジノだが荒稼ぎする話ではなく、賭場の支配人を主人公にしたマフィア映画である。

 主要人物は主人公とその妻、そして暴力的で危険な用心棒の男の三人だけであり物語自体はシンプルだ
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恐怖省(1944年製作の映画)

3.0

 冒頭の精神病院でのシーンから始まり、バザーでのやり取り、降霊術の事件と続く中で常に感じる圧迫されるような不穏な雰囲気には魅力を感じた。
 白黒映画であることも手伝ってか、どこか違和感のある謎めいた気
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エクス・マキナ(2015年製作の映画)

4.0

 美しい映画だった。本当に美しい映画でした。自分がAI崇拝者というのもあるのだろうが。

 そもそもこの映画、エヴァが素敵だと思えなければ成立しない映画だと思うのだが、エヴァを素敵じゃないと思う人間が
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七人の侍(1954年製作の映画)

4.0

 長年観なければ観なければと思っていた一作。アクション映画に分類されていたので派手なチャンバラのある時代劇かと思っていたが、実際は戦争映画であった。

 全てが薄汚れているのが良い。この汚れ方があまり
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シェフ 三ツ星フードトラック始めました(2014年製作の映画)

3.0

 手際の良いプロの仕事は単純に見ていて気持ちがいい。食べ物映画なので料理、食事シーンが良いのは当然として、そこに音楽という要素をさり気なく加えるのが上手いと思った。文化的なものは文化的なものと合わさる>>続きを読む

コララインとボタンの魔女(2009年製作の映画)

2.5

 前から観たかった映画の一つ、だったのだが期待値が高すぎたのか今ひとつ止まりだった。

 キャラクターの造形、色使い、雰囲気、モチーフなどどれをとっても自分好みなのだが、どうにも熱中できない。パーツは
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マイ・インターン(2015年製作の映画)

3.5

 ヒューマンドラマにありがちな不愉快な描写がなく心穏やかに観ることが出来た。また、フェミニズム的観点からみても男女共に受け入れやすい優作なのではないかと思う。

 紳士的で思慮深く社交的で洗練された男
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アナザーラウンド(2020年製作の映画)

5.0

 同監督の「偽りなき者」が素晴らしい映画だったのでこちらも鑑賞。やはり痛みを描くのがとびきり上手い。

 ラストシーンの直前までの内容では「偽りなき者」に一歩及ばず星4.5をつけるつもりでいたが、最後
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.0

 映画というのはその性質からしてどうしても群像劇的な形になりやすい/しやすい媒体だと思うのだが、この映画は徹底的に主人公である家福の為の物語をやっている印象があった。
 主人公というのは大なり小なりそ
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ウォルト・ディズニーの約束(2013年製作の映画)

4.0

 メリー・ポピンズが好きならば観ておいて損はない。原作者の過去の話などは知らなかったので改めてあの映画が味わい深くなった。個人的な傷を癒やすという、物語の持つ効能にスポットを当てた作品は多いが、その中>>続きを読む

KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016年製作の映画)

3.0

 人々の表情の作り込み、動きにとにかく説得力があるので、モブである村人一人ひとりまでキャラクターが立っている。
 ストップモーションだからすごいというだけで終わるのではなく、あくまで求める映像表現を生
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アリス(1988年製作の映画)

5.0

 予告編を見て一目惚れしブルーレイを購入までしてしまった作品。良い。やっぱり良いなぁ。好きです。
 蒐集癖や古物趣味の気がある人間にはこの色合いはたまらないのではないだろうか。趣味の良い悪趣味。

 
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オリエント急行殺人事件(1974年製作の映画)

4.0

 ロケーション、衣装、俳優たちの仕草などがどれも洗練されており美しい。クラシックな探偵ものを観る時に期待されるものが全て揃っている映画だった。
 様々な国籍の人々がごった返す様子もあの時代、あの地域の
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