アルジェント版は編集もサントラもイタリアンに豪快なので各バージョン中いちばん完成度が低いと思っているが、その粗雑さが疾走感と高揚感を生んでいるところもあり、なにがなんだかわからんがなんかすごいもんを観>>続きを読む
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あのエンディングは続編を匂わせてるんじゃなくて、たぶんこの物語が「実際の凄惨な飛行機事故から宇宙人の置いていった闇のスーパーヒーローの存在をでっちあげたブライトバートのフェイクニュース」であることを示>>続きを読む
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『ジョーカー』を観てなんとなく頭に浮かんだので備忘録的に。
このなんだか掴みどころのない物語をどう捉えるかというのはたぶん復員直後の板尾が幽霊のようにふらふらと高座に上がる場面で、その姿に大笑いする>>続きを読む
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『楽園』というタイトルについて。
あの集落と村を見てこれのどこが楽園かと思う人もいるでしょうが、楽園の意味するところを安息の地とするなら、あそこは紛れもなく楽園なわけです。毎日毎日同じことの繰り返し>>続きを読む
冒頭の神武天皇東征パートを除けば天皇周辺を描いた戦中戦後の再現ドラマ+記録映像の構成になっているがそれはさすがに不敬でしょうってことで再現ドラマ中に昭和天皇は映らず(場面には出てくるがソフトコアポルノ>>続きを読む
スラッシャー映画のクラシック「プロムナイト」の7年ぶりの続編は「エルム街の悪夢」をパクって(クレイヴン先生なる役名が…)「キャリー」をパクって「死霊のはらわた」もちょっとパクって果ては「エイリアン」に>>続きを読む
無実の罪で絞首刑に処された丹波が霊体となってシャバに出てくると折よく護送車到着、なんだかよくわからないがとりあえず乗ってみた丹波は運転手に憑依してミニミニ狂った野獣チェイスを始めるのだった。「一度こん>>続きを読む
最近の映画にはエンドロールの末尾に撮影に際して動物は傷つけておりません的なテロップが載ったりするが間違ってもそんなテロップは載せられない過酷どうぶつ映画。巨熊殺しに執念を燃やすマタギの西村晃が熊の毛皮>>続きを読む
開始1分ぐらいで都市のヴィジョンをヒトの種が持つ内在的な傾向として捉えて「ウィリアム・ギブスンはそのヴィジョンに従い『ニューロマンサー』を書いた」などと言っているのだから政治映画である以前にこれはサイ>>続きを読む
「この映画に登場する人物・団体はすべて架空の…」的なお断りが映画とかドラマの頭に付くようになったのはいつ頃からなのか知りませんが1960年のこの映画にはもう付いてくる。その使い方がまったく気が利いてい>>続きを読む
ユルグ・ブットゲライトのチープな血まみれヒトラー短編「血のエクセシーズ」が好きで、これと同じぐらいの製作年かなぁと思ったら1982年だったのでもうちょっと前だった。そういえばラストに出てくる赤ん坊人形>>続きを読む
ラスト数分眠ってしまったのでシュリンゲンジーフが新市長に要求していた弱者救済宣教所の広場への拡大設置が叶ったのかどうか知らない。たぶん叶わなかったんでしょう。でも叶わないからユートピアは夢想されなけれ>>続きを読む
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俺も観た翌日くらいに佐々木浩久のツイートでようやく気付いたのであんま偉そうに言えないのですが、そこを単純に作り手の至らなかった点として評価されてしまうのはちょっとと思ったので書いておくと、愛の讃歌のオ>>続きを読む
ストーリーがまったくわからん上にイマジネーションに乏しい幻覚を延々反復するばかりで全然面白くないのだがジャンキーの生活は別に面白くないし肉体的にも精神的にも疲れるだけだとディックから学んだのでジャンキ>>続きを読む
藤子F先生原作の映画ドラえもんは冒頭にテーマを持ってきて伏線的に活用することが多く、全編を観てから冒頭シーンを見直すと何についての物語かあまりに明確に語られていて驚かされたりする。
『創世日記』はその>>続きを読む
あまりの低評価に納得がいかず支援目的で書いてるので、以下少しも中立的ではない批判に対する応答であることを前もって断っておく。
「バースデーワンダーランド」ですが、俺としては原恵一の映画で見たいものが>>続きを読む
制作年も近いので不思議惑星キンザザがダブって見えてしまう箇所多々で、キンザザのゲオルギー・ダネリヤもジョージアの人だというからこういうのがジョージア感覚というか、知らないがジョージアニューウェーブ的な>>続きを読む
唯物論的演出法により雪原を這いずり回らされたりするソ連の役者は命懸け。寒さと栄養失調で肺を病んだ兵士の咳が客席にまで伝染してしまっていたからすごいリアリズムだ。
だが仮死の経験で聖性を宿した兵士がナチ>>続きを読む
テントが赤ければプリントも赤くてかつ豪雨。それがなんだか埋もれていたフィルムっぽさを醸し出して物語の悲劇性を高めているようでもあり、プリントの状態なんか良いに越したことはないのだが、これはこれでまぁ…>>続きを読む
電車が中核的なモチーフになっているので『銀河鉄道999』の映像が二度出てくるが、その直後にマルケルカメラが捉えた電車の中で寝る日本人が松本零士っぽかったという映画の奇跡。旅には思いもよらぬ出会いがある>>続きを読む
含蓄に富んだ邦題はオリジナル通りなのか違うのか分からないが素晴らしいもので、その語感から最初にイメージしたのは戦没者式典かなんかで政治家がもったいぶった偽善的な演説を垂れている光景だったが、映画を見る>>続きを読む
キレているんだかからかっているんだかよくわからない絡み方をしてくるモスクワ住民たちに困惑しつつキンザザの原型を見る。人と人の距離がやたら近いが近いわりには塩めの対応。なんなんだ。これがモスクワの流儀な>>続きを読む
大好き。墓地を舞台にした猥雑な民衆の世界。悲哀が濃すぎて笑えない群像喜劇。弟に斧で頭蓋をかち割られた墓守が病院を裸足で抜け出して雪に埋もれた墓地に戻ってくるオープニングでもう最高。墓場にしか居場所がな>>続きを読む
唐突な編集といいニューウェーブ系のアグレッシブなサントラといい(すげぇDAFっぽい曲があるんだよ)変なスローモーションの多用といい、それからグロテスク趣味といいなんだかすごくイタリアン・ホラー的なセン>>続きを読む
諸般の事情により後半部分しかまともに見ていないのでなんとも言えないが「2001年宇宙の旅」のエピゴーネンと思わせておいて「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」感。ロボットの手が千切れる怖いシーンはなんと>>続きを読む
組織運営を撮る都合だいたいいつも金の話は出てくるワイズマン映画の中でもとりわけこれは金絡みのエピソードに比重が置かれている印象があり、同じように学生デモが出てくる公立校ドキュメントと言っても「高校2」>>続きを読む
カンザスの農民ギャングがビッグコンバインで襲ってきたりオーバーオールに散弾銃のアンチ洗練スタイルで警備に当たっていたり最終決戦はのどかに牛舎とヒマワリ畑。売るもんがなけりゃヤク漬けにした孤児院の少女の>>続きを読む
兄貴の対戦相手が素足で木柱キックしてるのを目撃してアイツやべぇよ狂ってる!ってテンパるヴァンダム、なんて常識的なことを言うんだろうと思ってなんかグッときてしまった。
トレーニングの合間にフッと差し挟ま>>続きを読む
横柄な新聞記者が飲み屋で絡んできた硫黄島帰りの復員兵の足跡を追う犯人のいないミステリーといった体で、今で言ったらこの復員兵はPTSD、玉砕戦後も生き残り僅かな仲間と共にトーチカからトーチカへと逃げ隠れ>>続きを読む
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ぼくケイゾク好きだったんで公開時に観に行ってるんですが平成もいよいよ終わろうという頃になって再見、ここに辿り着くとスペックとの繋がりが云々という感想が結構あって、当たり前なんですが当時そんな風に観てな>>続きを読む
タヒミックが息子を連れてカメラ片手に世界の映画祭を回るところから始まるのでホームビデオかと思いきやすぐさま逸脱、コッポラが出てきたり小川紳介(ボイス)が出てきたり自力で橋を建設しようとする部族のオッサ>>続きを読む
裸はそれなりに出てくるがこの世ならざる光をその肌は柔らかく吸収してエロティックという感じにはならない。セックスも複数の肉体の絡み合いというよりは融合という感じ。
無上の愛と思われたものも長く付き合って>>続きを読む
意味わかんないなぁと思いながら観ていたら最後まで意味わかんなくてその一貫性は評価できるがただ意味がわからない。
製作は黒澤満で冒頭にTOEI+GAGAシネマプロジェクトのロゴが出る。これどんなもんな>>続きを読む
基本寝ていたので筋なんかわかっていないが伝統が資本主義に呑まれていく様を子供の視点から捉えていてやわらかノスタルジー。ドイツに民芸品かなんか売りに行く親父の誇らしげな顔と一抹の寂しさ。ドキュメンタリー>>続きを読む
『狼の時刻』のDVDに入ってるドキュメンタリーで評論家かなんかが「『狼の時刻』はベルイマン唯一のホラー映画で…」とか言っていたので完全に油断していたが嘘つけこれもホラーじゃないか!主に第四部と五部です>>続きを読む