ジョンさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

ハート・ロッカー(2008年製作の映画)

4.2

〜男の意識下で目覚めた、死への願望〜

作品賞というのは少し納得いかないけど、個人的には凄く良かった。ドキュメンタリー風の撮影、メリハリの効いた音響などあらゆる演出が緊張感を最大限に高めていて、鳥肌モ
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マーメイド・イン・パリ(2020年製作の映画)

4.0

フランス製ボーイミーツ人魚。なぜか観る前からベタなストーリー展開という予感がしていたけどやはり。『シェイプオブウォーター』ほど高尚じゃないし、『ゆれる人魚』ほど尖ってないけど、ポップな世界観が可愛くて>>続きを読む

幸せへのまわり道(2019年製作の映画)

4.2

感想としては第一に、いやあ、やっぱしトム・ハンクスは凄い役者だ、というのが来る。柔和な表情、しっとり温かい声、人間としての深みが演技に完全に還元されている。ベストアクトと言っても過言ではないのかもしれ>>続きを読む

愛・アマチュア(1994年製作の映画)

4.1

この間近所のTSUTAYAに行ったらCDやDVDの100円セールがあって、ラーメン食べるつもりやったのにその金で計10枚ほど買ってしまった。その中の一枚がこの『愛・アマチュア』。

元尼僧のポルノ作家
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クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)

3.6

これは映画館で観たかったなー。緊張感はだいぶあったけど、パソコン画面じゃ物足りない。ポップコーンも容赦なくバリバリ食べちゃったしね。むしろ食い過ぎて数時間気分悪くなった。

設定はとても面白いし、それ
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トゥ・ザ・ワンダー(2012年製作の映画)

3.7

巨匠その⑧テレンス・マリック監督!

この監督の作品は初めて観たけど、壮大な景色と音楽の、クライマックスのような始まり方の時点で、この監督ただ者ではないぞ感を感じた。
哲学的な内容で(監督はハーバード
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トップガン(1986年製作の映画)

3.5

巨匠その⑦トニー・スコット監督!
続編が公開されるので&最近リドリーの方を贔屓し過ぎていたので。

...ちょっと続編観に行くか悩むな~って感じ。フレッシュなトム・クルーズはめっちゃカッコいいし、音楽
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カジノ(1995年製作の映画)

4.1

〜星くずとなった歌、過ぎ去った、恋の思い出を、、、、、ホーギー・カーマイケル〜

巨匠その⑥マーティン・スコセッシ監督!
スコセッシが描くラスベガスの栄光と転落。

3時間なんて普通長いけど、スコセッ
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ザ・マスター(2012年製作の映画)

3.8

巨匠その⑤ポール・トーマス・アンダーソン監督!
この監督の作風なり技術なりを理解して映画通に仲間入りしたい所存。

ストーリーはまあ思った通りというか、ちょいムズいなぁ、という感じ。新興宗教の教祖と帰
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プライベート・ライアン(1998年製作の映画)

4.2

〜映画史上最もリアルな戦場の光景〜

巨匠その④スティーヴン・スピルバーグ監督!

冒頭のノルマンディ上陸任務がとにかく凄い。本当に凄い。なんせ、最初の5分で「あ、これを超える戦争映画はないな」と確信
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ザ・クレイジーズ 細菌兵器の恐怖(1973年製作の映画)

3.5

巨匠その③ジョージ・A・ロメロ監督!

人間を狂わせる細菌兵器による、人々の混乱を描いた作品。

強烈なポスター画像やあらすじから期待したほどは面白くなかったけど、ガスマスクの追っ手や対ヘリコプター戦
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パリのランデブー(1994年製作の映画)

4.1

巨匠その②エリック・ロメール監督!
濱口監督が『偶然と想像』で参考にしたというロメールのオムニバス作品。初ロメール。

恋愛物語に疎いもので、ついていけるか心配やったけど杞憂!面白かった!三話ともトホ
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ゼイリブ(1988年製作の映画)

4.2

春なので、今年も巨匠たちの作品を観ていく。毎年恒例にしていきたい。

巨匠その①ジョン・カーペンター監督!
この間映画館でジョン・カーペンターレトロスペクティブとして本作が上映されていたけど、予定が合
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ポネット(1996年製作の映画)

4.0

この映画は子役の演技の凄さに尽きると言っても過言ではない。
ポネット役の女の子の圧巻の演技はもちろん、子供だけでこれほど濃密な人間ドラマを展開できるのが驚き。しかも展開とか台詞は(記憶が正しければ)割
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ヒトラーに盗られたうさぎ(2019年製作の映画)

3.9

良かった。ヒトラー政権下でドイツから逃亡せざるを得なくなったユダヤ系一家の話で、過酷な生活の中で逞しく生きる人たちの姿に心打たれた。スイスへ行きパリへ行き、子どもたちは言葉を覚えるのに一苦労。でも希望>>続きを読む

ザ・ベビーシッター(2016年製作の映画)

3.9

金髪美女×悪魔崇拝なんて最高やん!と心から思う。これ観て思った。

結構グロいし下ネタとかも下らなくて良かったけど、もう少しエッジ利いていたらな~。割と普通の殺人鬼もの×青春物語に思えてしまった。ただ
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ジャックは一体何をした?(2017年製作の映画)

-

サブスク否定派やけど何個か観たい作品があったので、NETFLIXに期間限定で入ってみた。

やっぱりリンチって天才ですな...と思わされる極上の17分。リンチと猿の会話は全く噛み合わず、観ているこちら
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ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

4.1

な、長かった...。退屈ってほどではなかったけどもう少し短く出来るんじゃないかと思ってしまった...。でもそれでも、お釣りが返ってくるぐらいに面白かった。

手品やイリュージョンといった非科学あるいは
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チョコレート(2001年製作の映画)

4.0

〜アメリカの社会構造のなかに浮かび上がる人間の業〜

ハル・ベリーが非白人として初めてアカデミー主演女優賞を獲得した作品。差別主義者の男と、死刑によって夫を失った黒人女性の物語。

親と子の物語であり
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ガールフッド(2014年製作の映画)

4.1

セリーヌ・シアマ監督作品。日本では劇場公開どころかDVDも発売されていないレアな作品。センキューWOWOW!

ピリピリひりついたり温かく迎え入れられたり。人間関係とか気持ちがコロコロ裏返っていく感じ
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つぐみ(1990年製作の映画)

4.3

作品の世界に一生身を沈めていたいぐらい好き。原作の『TUGUMI』ももれなく好き、なんなら世界一好きな小説やけど、あの空気感を大切にしたような感じでとても良かった。

全盛期?の牧瀬里穂さんが超可愛い
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DEATH DAYS(2021年製作の映画)

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演出自体は『そうして私たちはプールに金魚を、』の方が好きやった。監督がCMディレクター出身ということで、ストーリーあるよりも脈絡なくポンポン斬新な演出かます方が向いているのかもしれない。でもめんつゆ視>>続きを読む

水の中のつぼみ(2007年製作の映画)

3.9

この監督は女性を撮ることに関しては、間違いなくトップクラスやと思う。思春期の女の子の憧れ、恋心が繊細に表現されているし、アデル・エネルの魅力が爆発している。描いていることは『なまいきシャルロット』に似>>続きを読む

ザ・スイッチ(2020年製作の映画)

3.8

おじさんが女の子みたいな話し方と動きをするなんてベタ中のベタやけど、やっぱり面白いよな。てかブッチャー萌え~やわ。あの悪趣味な寝床も自分で頑張って作ったんかな~とか、一生懸命女の子の演技してるな~しか>>続きを読む

ヒメアノ〜ル(2016年製作の映画)

4.5

吐きそうなぐらい素晴らしい作品。自分の中では「吐きそう」というのが最高級の褒め言葉。

前半の間の抜けたラブコメでも十分楽しめてたのに、後半のサイコスリラーがもうねぇ...堪らない。
あのタイミングの
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世界にひとつのプレイブック(2012年製作の映画)

4.2

カオティックな会話が面白かった。カラッとした陽気さと哀愁を持ち合わせている登場人物たち。みんな変なんやけど不器用で、その人間味がとても愛おしい。

練習シーンの湿っぽさはベタに良いし、ダンスシーンから
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ザ・タウン(2010年製作の映画)

3.9

足洗いたい系映画。先人達が偉大すぎるから重厚感にやや物足りなさは感じるものの、巧くまとまってるし飽きることなく楽しめた。銃撃戦も素晴らしかった。

アンサンブル・キャスト賞ってのを初めて聞いたけど、そ
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パリのどこかで、あなたと(2019年製作の映画)

4.1

過眠症のメラニーと不眠症のレミー。孤独な二人のすれ違いの物語。これは隠れた良作発見だヤッター🙌

部屋が隣で、通勤で前後になったり同じお店で買い物したりすれ違ったりするのに二人の人生は全く交わらない。
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たかが世界の終わり(2016年製作の映画)

4.3

家族、時間、人間。それらが哀しく絡まり合う名作やと思った。

もう観ていて気が遠くなるほどの感情のぶつかり合い。特に兄貴の毒づいた様子が腹立つし切なかった。弟と比べて出来が悪いけど、男一人頑張ってきた
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ラブレス(2017年製作の映画)

3.9

これはダメージがしばらく残るタイプの映画やった...。離婚間近の夫婦の息子が失踪するお話で、とにかく重い。

役者さんたちの演技が生々しすぎて、作り物感が全然感じられない。知ってる俳優は勿論いないし、
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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

4.3

オンライン試写会にて

とにかく痛そう。刺したりぶつけたり、行為そのものの描写も痛そうやけど、それ以上にひきつる顔とか吐き出されるあれとか曲がったあれとか反応が痛い。そのへんのリアルさが観ている側の痛
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偶然と想像(2021年製作の映画)

4.5

モデルナワクチン接種のついでに観てきた。全体の評価が4.2ということでハードルは上がってたけれど、それを優に超えてきた。正真正銘の傑作。

と言いつつ、魅力を完全に言葉にできない。副作用と闘いながらレ
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フォーリング・ダウン(1993年製作の映画)

4.6

サスペンス風のコメディの皮を被ったサスペンスといったところかな。笑えるけど笑えないみたいな。理不尽なストレス社会によって心を病んだ中年男性の暴走が痛烈で可笑しくて哀しい。でもこういうギリギリでスレスレ>>続きを読む

ザ・ロイヤル・テネンバウムズ(2001年製作の映画)

4.4

~いまを生きることに手をこまねいている、すべての人々に捧げられた、映像と音楽の万華鏡~

好きすぎる。気の抜けたお笑いと少しドキッとするエログロと徹底した画作り。この3つは20年前の初期作品から変わら
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グリーンルーム(2015年製作の映画)

3.8

演奏しにやって来たライブハウスがネオナチの巣窟だったら...という最恐のシチュエーションを映像化した作品。

面白いけど、これも『パージ』同様、あらすじ負けしてる感があるなあ。ゴア描写はかなり良かった
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パージ(2013年製作の映画)

3.7

年に一度、12時間だけ犯罪が合法化される日の話。これぞアメリカ映画!という感じの面白そうなあらすじ。実際結構楽しめたけど、ストーリーが家の中だけで完結しており、物足りなさもあった。どうせならもっと魑魅>>続きを読む