yuienさんの映画レビュー・感想・評価

yuien

yuien

映画(28)
ドラマ(2)
  • List view
  • Grid view

As I Was Moving Ahead Occasionally I Saw Brief Glimpses of Beauty(原題)(2000年製作の映画)

4.0

光、ぬくもり、慈しみ
記憶の波間にとっぷりと たゆたう

遠くて 懐かしい時代。見知らぬ 親しい人々。幸せなのにどこか寂しそう。夢を見ているような。

16mm ボレックス に収められた世界は、いつ
>>続きを読む

象は静かに座っている(2018年製作の映画)

4.6

どの地点から方向を間違えたのか、迷路に迷い込んだことに気づく頃には、既に手の施しようもなく、退路すら見当がつかない感覚を経験したことはあるだろうか。

或いは。
逃げ込んだ先が小さな袋小路で、背後から
>>続きを読む

ハッピー・アズ・ラザロ(英題)(2018年製作の映画)

-

アリーチェ・ロルヴァケル監督の作品はいつも、うっすらと 穏やかな哀しみのヴェールに覆われている。それでいて、しめやかに内面から、生命に対する肯定が 発光体のように輝いてる。

かわいそうなラザロ。人々
>>続きを読む

リーン・オン・ピート(原題)(2017年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

控えめな表面の内側に、確かな熱を孕んでいる。濃密な寂寥感が横溢しながらも、どこか清涼感があり、澄徹としていた。
淡々としたセンチメントが、殺風景な荒野とミルフィーユな空が織りなす壮観に融けこむ。繊細な
>>続きを読む

悲しみに、こんにちは(2017年製作の映画)

4.0

優しい色の夏、ほろ苦い味の悲しみ
飾らない素朴な日常の中で展開される、ありのままの喜怒哀楽

光が柔らかく、透き通っていて、あらゆる感情をそっと包み込む。すべてがナチュラルでびっくりするほど生き生きし
>>続きを読む

生きのびるために(2017年製作の映画)

4.7

マーガレット・アトウッドの『侍女の物語』を非現実的だと言って SF枠に一括りする人にどうかこの映画を観ていただきたい。

未だに世界のどこかで、女性は半人前で男性の所持品として扱われているという現実。
>>続きを読む

夜の浜辺でひとり(2016年製作の映画)

-

まるで気にかけていないと装いながらも、心の奥底ではきっと来てくれると、うすい可能性に期待して… ぼんやりと、浜辺の砂上で まぶたの裏に浮かぶ顔をなぞる。

彼女が恋人を想い、海辺に佇むときの後ろ姿から
>>続きを読む

アントニアの食卓/アントニア(1995年製作の映画)

4.2

「種をまく 食卓を囲む 愛し合う
いのちは踊り 季節はめぐる」

なんて的確で素晴らしいキャッチフレーズなんだろう…

これは、ひとりの女性・アントニアを軸にすえた“ファミリー”・サーガであり、
その
>>続きを読む

大人のためのグリム童話 手を失くした少女(2016年製作の映画)

4.2

素朴で味わい深い 水墨画タッチの線がまるで呼吸しているみたいで、曖昧な輪郭を縁取る。非常にミニマムな作画でありながら、豊かな躍動感やエモーションを巧みに表現していた。

小さい頃に読んだグリム童話の『
>>続きを読む

ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

-

ラグジュアリーなドレスを装い、ゴージャスなセットによって格式高く整えられているが、語られているのは、しかし、いちばん極北な“愛”のありよう。
ひどく排他的で、その畸形な渇愛は、『愛の嵐』や『赤い航路』
>>続きを読む

心と体と(2017年製作の映画)

-

現実の世界で巡り会うよりも前に 内在的の世界で既に惹かれ合っていた、というコンセプト…なんて素敵なの…。幻想的なロマンチシズムやドリーミィな物語を、対照的である、神経質且つ禁欲的に整えられた空間の中で>>続きを読む

シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

-

どんどん多様化する現代のメルヘンの形、または、古典的なお伽話への21世紀のアンサーなんだと、そんな風に思う。ここには誰からも愛される可憐なお姫様も人々から慕われるハンサムな王子様も登場しない。スポット>>続きを読む

ゴスフォード・パーク(2001年製作の映画)

-

とにかく濃度が高く、圧倒的に登場人物が多い!しかも関係が複雑に絡み合っているから、把握しておかないとかなり混乱してしまう。人間関係だけを抜き取ってみても、テレビミニシリーズにした方が良いのでは?という>>続きを読む

天使の涙(1995年製作の映画)

-

刹那的に交差する男女、そこにあるのは必ずしも恋愛ではない。少しだけの優しさと一瞬だけの体温を求めて。夜明け前の都会の空に溶け込んでゆく寂しげな紫煙とラヴソング。

ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

4.0

今この瞬間もまた、世界のどこかで、タクシーは乗客を乗せ、運転手と客は、愛と人生と哲学についてとめどなく語っているんだろうなあ。

愛に関する短いフィルム(1988年製作の映画)

-

『アンナと過ごした4日間』といい、現実では拒絶される窃視という行為も、こうしたアートフィルムの中では純粋な愛の形として描写されがちだよね。客観的に観察すれば、彼達の清らな感情を見出せるけれど、実際に同>>続きを読む

コングレス未来学会議(2013年製作の映画)

4.6

流動的な世界に変わらない物など無く、若さはやがて萎れ、技術の進歩によって、世界はどんどん変貌を遂げる。混沌を極めるディストピアの中でこそ、より一層作品の根底に流れる不変的な存在を際立たせ、人が人を思う>>続きを読む

コックと泥棒、その妻と愛人(1989年製作の映画)

4.8

ラストのシークエンスが、暴君の悪政のもとで抑圧された民衆の蜂起に重なり見え、恰もあの銃声によって革命が完成されたようで、言い知れぬカタルシスを感じた。ゴルチエの煌びやかな黒いドレスを纏ったヘレン・ミレ>>続きを読む

エンドレス・ポエトリー(2016年製作の映画)

4.0

¡Vive!

鮮烈な色彩、過剰にデフォルメされた登場人物、仮面を被った民衆、目眩く豊穣なイマージュ。全編を通してカーニバルみたいで、88歳になってもなお、こんなにも華やかでエネルギッシュな作品を創
>>続きを読む

ゴッホ~最期の手紙~(2017年製作の映画)

4.0

こんなにも異質で、ユニークな作品を大スクリーンで邂逅出来たという純粋な悦び。荒々しいタッチでありながら、潤んだ瞳の繊細さをも捉える、豊かな絵画の世界に引き込まれた。ゴッホの作品やエピソードからは、創造>>続きを読む

ツバル(1999年製作の映画)

4.5

プリミティブなエロティシズム
磨けばよく光る原石のようで、セピア色の表面は内側の煌めきを隠し切れない。とびっきりにチャーミングでハッピーが溢れている。

苺とチョコレート(1993年製作の映画)

-

原作には書かれていなかったあの抱擁は、確かに安易な表現ではあるけれど、相互的な理解や友情の証として、真正面から、目に見える形で力強くラストを飾ってくれたのはとても素敵だと思う。映像でしか味わえない熱量>>続きを読む

アメリカの影(1959年製作の映画)

-

ヌーヴェルヴァーグをアメリカに落とし込んだらこんな感じなのかも知れないと思った。のちのアメリカンニューシネマとはまた少し趣を異にしている気がする。荒削りから生まれるスタイリッシュさ、ジャジーで生き生き>>続きを読む

あんなに愛しあったのに(1974年製作の映画)

4.0

We thought we'd change the world, instead the world has changed us.

理想と夢想は現実に擦り切られ、残るは幻滅とビタースウィートなノ
>>続きを読む

夏至(2000年製作の映画)

-

額に映る水紋だとか、頸に滴る汗の湿度感だとか。繊細で瑞々しい。ボサノバ感の強い映像空間で、湿潤としているが、不思議と清涼感もあり、清らかで透明な朝露を彷彿させる作品。
映画を通して何かしら問題が解決さ
>>続きを読む

青いパパイヤの香り(1993年製作の映画)

4.8

望郷者の夢の中で息づく故郷。
何度も観てるから偏愛度と愛着が強い一作。エスニックの豊かな香りが映像から匂い立ち、流れる様な滑らかなカメラの動きも窃視する様な視線も、ドキドキするくらい色っぽい。ドビュッ
>>続きを読む

ワンダーウォール(1968年製作の映画)

4.0

サイケデリックでスウィートな夢。壁の穴を覗いたら虚構と現実の境界線が曖昧になるとか顕微鏡の中に宇宙遊泳する美少女がいるとか、アイデアに浪漫があって素敵。これくらい破綻したカオスな映画の方が愛嬌あって好>>続きを読む

まじめに愛して(1974年製作の映画)

4.0

カウンターカルチャー精神に溢れていて思わず顔が綻んでしまう。物語は無いに等しいけれど、既存の価値観と反対のベクトルを行く姿勢、好き。悪戯っ子みたいな三人が兎に角可愛い(少し『ドリーマーズ』ぽい。この映>>続きを読む