yuienさんの映画レビュー・感想・評価

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As I was moving ahead, occasionally
I saw brief glimpses of beauty

ラブ・ウィッチ(2016年製作の映画)

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絶妙にダサい…!

踏襲しているジャッロ映画への復元度は高いけれど、所々照明が素人っぽいのが気になった。それに、ジャッロ映画は大概約90分前後の時間内に収まるからあっさりとその毳毳しい色彩やナンセンス
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心と体と(2017年製作の映画)

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現実の世界で巡り会うよりも前に 内在的の世界で既に惹かれ合っていた、というコンセプト…なんて素敵なの…。幻想的なロマンチシズムやドリーミィな物語を、対照的である、神経質且つ禁欲的に整えられた空間の中で>>続きを読む

シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

4.0

どんどん多様化する現代のメルヘンの形、または、古典的なお伽話への21世紀のアンサーなんだと、そんな風に思う。ここには誰からも愛される可憐なお姫様も人々から慕われるハンサムな王子様も登場しない。スポット>>続きを読む

フェリーニのアマルコルド(1974年製作の映画)

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猥雑で野卑な騒々しさと幻想的でロマンチックなセンチメントを絶妙なバランスで配合したスタイルはフェリーニにしか創り出せない。劇画調な女性のアクの強さと春の到来を告げる綿毛の儚さは互いをかき消す事なく成立>>続きを読む

ゴスフォード・パーク(2001年製作の映画)

4.2

今更ながらに観始めた『ダウントン・アビー』とジュリアン・フェロウズ繋がりで。

まず、とにかく濃度が高く、圧倒的に登場人物が多い!しかも関係が複雑に絡み合っているから、把握しておかないとかなり混乱して
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君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

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ドラマティックなエピソードを排除し、初恋の甘酸っぱい疼き、繊細で綿々とした情感にフォーカスしている。風光明媚な北イタリア田園風景、長閑で心地好い夏の風物詩をたっぷりと堪能できる、雰囲気良好、且つ上質な>>続きを読む

人生は、奇跡の詩(2005年製作の映画)

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ロベルト・ベニーニの前ではイラク戦争でさえ詩的要素であり、愛を貫くための試練の一つでしか無い。反戦でもなく平和祈願でもない。戦火を花火の様に幻想的に見立て、その様子を対岸から眺める下りが顕著的にそれを>>続きを読む

カフェ・ソサエティ(2016年製作の映画)

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肝心な部分は詰めが緩く、浅薄な物語はあくまで精緻な衣装やハリウッド黄金時代の設定背景を展開する為の下敷きといった印象。徹底してこだわり抜いた映像は確かに見応えがあり、基盤色である暖かい橙色や、歌う女性>>続きを読む

ロアン・リンユィ/阮玲玉(1991年製作の映画)

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「人言可畏(人の噂ほど恐ろしいものはない)」という遺言を残して僅か24歳で自ら命を絶った中国のサイレント期の伝説的な女優・阮玲玉の伝記作品。しかし、伝記を作るにあたってどうしても真実のみでは無く、噂や>>続きを読む

フェイシズ(1968年製作の映画)

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“Nobody cares. Nobody has the time to be vulnerable to each other. So, we just go on.”

チェットの台詞がそのまま
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妻は告白する(1961年製作の映画)

4.0

社会倫理の偽善性を鋭く抉る。妻は確かに弱い女性で幸せを希求するあまり、常軌を逸しているが、彼女になんの躊躇いもなく、悪女のレッテルを貼る人間の方がよっぽど怖い。

三月のライオン(1992年製作の映画)

4.0

アイスの儚く 壊れてしまいそうな雰囲気にひどく憧れた。

ジェリーフィッシュ(2007年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

“A ship inside a bottle cannot sink,
or collect dust.

It's nice to look at
and floats on glass.

No
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天使の涙(1995年製作の映画)

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刹那的に交差する男女、そこにあるのは必ずしも恋愛ではない。少しだけの純粋な優しさと一瞬だけの体温を求めて。夜明け前の都会の空に溶け込んでゆく寂しげな紫煙とラヴソング。

ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

4.0

今この瞬間もまた、世界のどこかで、タクシーは乗客を乗せ、運転手と客は、愛と人生と哲学についてとめどなく語っているんだろうなあ。

ふたりのベロニカ(1991年製作の映画)

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微熱を孕んだ色彩。ミスティックな雰囲気。繊細な光影。そうした美しいエレメントによって織りなされた映像的シンフォニーは、画面いっぱいに、超俗的な美学を湛えていた。ただ、キエシロフスキーの作品全体にも言え>>続きを読む

愛に関する短いフィルム(1988年製作の映画)

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『アンナと過ごした4日間』といい、現実では拒絶される窃視という行為も、こうしたアートフィルムの中では純粋な愛の形として描写されがちだよね。客観的に観察すれば、彼達の清らな感情を見出せるけれど、実際に同>>続きを読む

やさしい女(1969年製作の映画)

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ドミニク・サンダの氷点下の視線に睨みつけられ、窮鼠になったような居心地悪い気分で、息苦しく気詰まりの空間に鳴り響く足音がひどく脳裏にこびりつく。ブレッソン監督の映像構築云々よりも圧倒的に退屈がまさった>>続きを読む

ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

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一見取るに足らない小さな綻びがやがて大きな破綻を呼ぶプロセスを無機質で冷徹に観察し、主婦の閉塞的な世界を日常の細部や繰り返されるルーティーンの描写によって、観客にも追体験させる。これを苦痛と感じる事が>>続きを読む

コングレス未来学会議(2013年製作の映画)

4.5

流動的な世界に変わらない物など無く、若さはやがて萎れ、技術の進歩によって、世界はどんどん変貌を遂げる。混沌を極めるディストピアの中でこそ、より一層作品の根底に流れる不変的な存在を際立たせ、人が人を思う>>続きを読む

バッファロー’66(1998年製作の映画)

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確かにヴィンセント・ギャロのセンスは冴え渡っていて、お洒落インディーズフィルム感全開で、ムチムチリッチの可愛さは悶絶級。一方で、こんな俺だけど、全身で受け止めてほしいという理想を押し詰めて、彫塑された>>続きを読む

コックと泥棒、その妻と愛人(1989年製作の映画)

4.8

ラストのシークエンスが、暴君の悪政のもとで抑圧された民衆の蜂起に重なり見え、恰もあの銃声によって革命が完成されたようで、言い知れぬカタルシスを感じた。ゴルチエの煌びやかな黒いドレスを纏ったヘレン・ミレ>>続きを読む

エンドレス・ポエトリー(2016年製作の映画)

4.0

¡Vive! ¡Vive!

鮮烈な色彩、過剰にデフォルメされた登場人物、仮面を被った民衆、目眩く豊穣なイマージュ。全編を通してカーニバルみたいで、88歳になってもなお、こんなにも華やかでエネルギッシ
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ゴッホ~最期の手紙~(2017年製作の映画)

4.5

こんなにも異質で、ユニークな作品を大スクリーンで邂逅出来たという純粋な悦び。荒々しいタッチでありながら、潤んだ瞳の繊細さをも捉える、豊かな絵画の世界に引き込まれた。ゴッホの作品やエピソードからは、創造>>続きを読む

ポンヌフの恋人(1991年製作の映画)

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愛に対して持っていた甘い幻想を嘲笑われたようで、男女の汚れた支配欲や執念がひどく醜悪に映り、観ていて、とても苦しかったのを覚えている。互いに対して優位に立とうと傷つけ合い、エゴを剥き出しにぶつかり合う>>続きを読む

ツバル(1999年製作の映画)

4.5

プリミティブなエロティシズム。磨けたよく光る原石のようで、セピア色の表面から内側の煌めきが滲み出ている。

苺とチョコレート(1993年製作の映画)

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原作には書かれていなかったあの抱擁は、確かに安易な表現ではあるけれど、相互的な理解や友情の証として、真正面から、目に見える形で力強くラストを飾ってくれたのはとても素敵だと思う。映像でしか味わえない熱量>>続きを読む

ミスター・ロンリー(2007年製作の映画)

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不確かなアイデンティティを他と同一しようとする模倣者の空虚や孤独に、どこか同調してしまうのは、私もやはり自己存在に対して自信がないからなのかもしれない。

アメリカの影(1959年製作の映画)

4.0

ヌーヴェルヴァーグをアメリカに落とし込んだらこんな感じなのかも知れないと思った。のちのアメリカンニューシネマとはまた少し趣を異にしている気がする。荒削りから生まれるスタイリッシュさ、ジャジーで生き生き>>続きを読む

2つ目の窓(2014年製作の映画)

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まず、冒頭のテロップ

『Un Film de Naomi Kawase』

日本人監督としてはカンヌ映画祭出品が最多らしいけれど、これは流石に魂胆丸見えで失笑。しかも本作を最高傑作だと監督自身が称し
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軽蔑(1963年製作の映画)

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『女は女である』の多幸感から一変して、アンナ・カリーナとの破綻した夫婦関係を反映した、またしてもゴダールの個人的な作品。

監督の作品を何作か観て来なければ、分からないような小ネタ(例えば、女と男がい
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ロスト・ハイウェイ(1997年製作の映画)

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オープニングとエンディングに流れていたDavid Bowieの危うい色気むんむんな歌声も素晴らしいが、個人的にダンスシーンに用いられたSmashing PumpkinsのEyeが最高すぎた。歌と映画を>>続きを読む

乙女の祈り(1994年製作の映画)

3.5

私自身、彼女達と同じ年齢だった頃も、かなりの空想家で 美しいものだけの世界を夢見ていたから、全然尊敬できない周りの大人たちに対して強いフラストレーションを感じ、自分の小さい殻に閉じこもっていた。だから>>続きを読む

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