湯っ子さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

わかるようでわからない、常識では辻褄が合わないところがリンチ作品の面白さであり肝なんだな。やっぱり夢とか無意識の世界なんだよね。
彼のドキュメンタリーを観てから、作品そのものよりも、リンチが何を思って
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ブルーベルベット(1986年製作の映画)

3.6

90年代頃、石川美千花のイラストエッセイ「勝手にシネマ」が大好きでした。その中で知ったこの作品を当時観たはずなんだけど、ほとんど覚えておらず。ただ、チューリップが乱れ咲きしている様を見るたびに「ブルー>>続きを読む

デヴィッド・リンチ:アートライフ(2016年製作の映画)

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デヴィッド・リンチの語る「アートライフ」とは…「煙草を吸い、酒を飲み、絵を描く。創造が最上の喜びである人生」。
映画監督になるまでの人生をリンチ本人が語ったドキュメンタリー。
この作品につけられたタイ
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ロスト・ハイウェイ(1997年製作の映画)

3.9

リンチの映画はそんなに観てないのに、学生時代に「ツイン・ピークス」にハマっていたので、リンチ的なキーワードをたくさん見つけることができたのが嬉しい。「ツイン・ピークス」のseason1は普通にサスペン>>続きを読む

ラブ&ポップ(1998年製作の映画)

3.8

この映画を観た後、なんとなく浮かんできたのが“Smells Like Teen Spirit”、Nirvanaの言わずと知れた名曲のタイトル。これまで歌詞の意味を気にしたことはなかったのだけど、調べて>>続きを読む

ションベン・ライダー(1983年製作の映画)

3.5

今は昔。ほんの数ヶ月のことですが、わたくし、坂上忍のファンでした。当時私は12歳、彼は17歳くらいだったと思う。たしかきっかけはラジオ番組だった。繊細さと反骨心を合わせ持った少年の雰囲気でした。「JD>>続きを読む

イングロリアス・バスターズ(2009年製作の映画)

3.8

これはちょうど映画から離れてた時期の作品で、今回初めて観ました。これでタランティーノ作品はひととおりコンプリート。結末はすでに見聞きしていたので驚きはなかったけど、なるほどこの作品でタラさんは映画で復>>続きを読む

キル・ビル Vol.2(2004年製作の映画)

4.2

こっちは観てなかったんだ、今回Vol.1から続けて観られて良かった!ハチャメチャなVol.1を受けてのドラマ重視な復讐劇。やっぱりすごく面白くて、あ〜私が欲しかったのこれかも、タランティーノが足らんテ>>続きを読む

キル・ビル Vol.1(2003年製作の映画)

4.0

やっぱり面白いな〜タランティーノ。敵を見つけた時のあのサイレンみたいな音楽、私はずっと「ウィークエンダー」(昔の日本のテレビ番組)から持ってきたのかと思っていたけど、クインシー・ジョーンズの曲だという>>続きを読む

恋極道(1997年製作の映画)

3.6

基本的にヤクザ映画は苦手なんだけど、「スキンレスナイト」がよかったのでこちらも。
相手への尊重?パートナーシップ?…しゃらくせえ、男と女はセックスじゃ!しかも魂のぶつかり合うようなセックスじゃ!
…み
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茶飲友達(2022年製作の映画)

3.8

少し前に「夜間もやってる保育園」というドキュメンタリーを観た。そこの園長先生は、利益度外視で使命感に燃える人だったけど、夫と子供を置いて出奔した過去もあった(どちらかの実家で子供を育てられる環境もあり>>続きを読む

ジャッキー・ブラウン(1997年製作の映画)

3.7

面白いんだけど長いのよね…当時彼氏だった旦那をわりと強引に付き合わせて観に行ったのに寝たし、今回も何度かウトウト…、
ひとりの女がいて、
①これから女となんかありそうな男
②女とは今は利害関係だけど、
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スキンレスナイト ―デジタルレストア版―(1991年製作の映画)

4.7

なんとなく眺めていたX(旧Twitter)で昨日知った作品をなんとなく観に行ったのだけど、思いのほか良かった…泣いてしまいました。

感情をあまり出さずに抑揚なく喋るあの感じの男の人っているなあ、意外
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水のないプール(1982年製作の映画)

3.8

「水のないプール」と聞いたところから「早春」を思わせるけど、好きな女が映画館でデートしてるところを後ろの席から見てる状況なんかもやっぱ「早春」じゃんとか思って、裕也演じる主人公は妻子もいる立派なおっさ>>続きを読む

昼顔(1967年製作の映画)

3.6

映画は今まで観たことなかったけど、若い頃、ドヌーブの白襟ワンピースは雑誌や本で見かけて憧れてました。安物の黒ワンピースに白襟をつけて気分だけ真似っこしたこともありましたっけ…

とにかくドヌーブが美し
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エクソシスト(1973年製作の映画)

4.2

言わずと知れたホラー映画の金字塔。やっぱりすごい作品だった。
「君の名前で僕を呼んで」でのハエが気になったところから、ハエの羽音が印象的だったこの映画のことをなんとなく思い出していて。
今回は、リーガ
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キャリー(1976年製作の映画)

4.0

誰も幸せにならない…悲しいお話。

何歳だったんだろ?大昔テレビで観た。私の記憶に残っていたのは、冒頭のシャワーのシーンと、目を左右させてお母さんにナイフを投げるシーン。やはり今回観ても強烈に恐ろしか
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彼女のいない部屋(2021年製作の映画)

3.8

夢、記憶、想像。現実と非現実がともに存在する彼女のビジョンを、モザイクのようにつなぎ合わせて見せる。静かで美しい映像に、ピアノの音色が物語的にも耳にも印象深く、光あるラストが救い。

ヌイグルマーZ(2013年製作の映画)

3.6

こちらもぬいぐるみとしゃべる人の映画。
しかもこちらは本当にぬいぐるみがしゃべっていて、人間と合体してヒーローに変身します。
原作大槻ケンヂ、に惹かれて観ました。筋肉少女帯として活動してる頃、私は音楽
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ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい(2023年製作の映画)

3.9

ふわふわしたものに、つぶらなおめめをつければ、それはぬいぐるみ。

ぬいぐるみサークルの学生たちが言う「やさしさ」は、「共感性」のことなのではないかと感じた。ひとの気持ちがわかる、ひとの痛みがわかる、
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君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

4.0

ずっと気になりつつそのままになっていたけど、夏も終わるし…とこのひと夏ものをチョイス。
ティモシー・シャラメ…まともに出演作品を観たのはこれが初めて。
ほぅ…(ため息)私にとってのリアル・ジルベール(
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さよならミス・ワイコフ(1978年製作の映画)

3.7

とても消化が難しい作品。
ミス・ワイコフの生活歴や人となりであったり、当時のアメリカ中西部の空気を丁寧に描いていてドラマとして見応えがあるし、彼女が何を考えていたのかということにも掘り下げる価値のある
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プラットホーム(2000年製作の映画)

3.6

「青の稲妻」と二本立て。

長くて、特にお話らしいお話がなくて、なのに寝なかったのが自分でも不思議。この人の映画のじんわりとしたおかしさや物哀しさはやっぱり好みなんだなぁ。
唯一、映画的と感じたのが字
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ナイン・マンス(1976年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

哀愁漂う劇伴も印象的だけど、鑑賞中私の脳内では🎵生きて〜る生きている〜が再生されていた。日曜のけだるい午後、つけっぱなしのテレビから流れる「ザ・ノンフィクション」をなんとなく眺めているうちに釘付けにな>>続きを読む

アダプション/ある母と娘の記録(1975年製作の映画)

3.6

「ナイン・マンス」との二本立て

信じて疑わなかった幸せの素顔を見たとき、あなたならどうするか。そう問いかけているように感じた。

小さな悪の華(1970年製作の映画)

3.9

あまりにも反キリスト教的で淫靡な内容から、フランス本国を初め各国で上映禁止になり、アメリカと日本のみで上映された作品とのこと。
ふたりの少女は悪に心酔し、サタンに身を捧げることを宣誓する。ふたりだけの
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THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY リミット・オブ・スリーピング ビューティ(2017年製作の映画)

4.0

美しい悪夢との闘いと勝利。涙は心にとどめて、今この瞬間を見据えよう。

ファーストシーンから、夢うつつの世界観に心奪われる。え〜、これって「チワワちゃん」の監督なんだよね?すごくいい。なんで「チワワち
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Cosmetic DNA(2020年製作の映画)

3.6

「人類はやがてメスだけになるらしいよ」と教えてくれた人がいる。すでにたくさんの動植物に単為生殖(一般には有性生殖する生物で雌が単独で子を作ること、なんですって!)が発見されてるみたいだし、あながち嘘じ>>続きを読む

シャイニー・シュリンプス!世界に羽ばたけ(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

シャイニー・シュリンプスが東京へ!ときたら、ワクワクせずにいられない、と劇場に駆け込んだ人々が一転、「こんなハナシなの…?」と愕然とする…というレビューをタイムラインで見かけていたのですが、まさかこん>>続きを読む

エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版(1994年製作の映画)

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ウトウト通り越してスヤスヤしてしまった…、
でも、今活躍してる監督たちにいろんな影響を与えたっぽいことはなんとなくわかった。

アボカドの固さ(2019年製作の映画)

3.8

ジャック・ブラック似の彼が原案・主演。自分の見え方をとてもよくわかっている人なのかもしれない。思いがけず別れを宣告された男性がジタバタする様子を、観察記録のように綴る。絶妙な気持ち悪さが素晴らしい。>>続きを読む

真実(2019年製作の映画)

3.9

樹木希林母娘をモデルにしたのでは?と言及されたフォロイーさんのご紹介を受けて。
ドヌーブのセリフや動作を、自然と希林に変換しながら観ていた。ドヌーブの濃厚なエロスと貫禄を、ユーモアと狂気に変換すると希
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バービー(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

夢の国バービーランドでは、カワイイが正義!女の子最強!…ってことに溜飲を下げるほど、私たち女はもはや弱者ではない。女性もいつまでも被害者意識に甘んじてちゃいけないと思う。
この映画の中でも、バービーた
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モリコーネ 映画が恋した音楽家(2021年製作の映画)

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天才。モリコーネという人は、映画を音で語れる人なんだな。
私がこの人の名前を認識した時にはすでに巨匠と呼ばれる存在だったけど、もともとは映画音楽は地位が低かったり、なかなかオスカーが獲れなかったりと、
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歩いても 歩いても(2007年製作の映画)

4.2

私が専業主婦で息子たちは赤子〜幼児だった頃、義母は孫の顔見たさと、おそらく隣に住む親類へのアピール(隣家の親類は早婚の家系で、子供が次々と産まれていたのが羨ましかったようだ)で、最低でも月に一度は義実>>続きを読む

シャドウプレイ 完全版(2018年製作の映画)

3.8

走る、飛ぶ、跳ねる、揺れるカメラ。にじむ極彩色に、ぶつかり合う激情。
場面や時系列があちこちに散らばってめまぐるしく惑わされ、ときに驚かされ。けだるく埃っぽい夜の街を駆け抜けているみたいな気分になる。
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