聖なる夜、復讐の銃声が鳴り響く。

ジョン・ウー監督、ジョエル・キナマン主演によるアクション。
ギャング同士の抗争に巻き込まれ、子どもを亡くした主人公が復讐に転じる姿を描く。
主人公となるブライアン・ゴッドロックをキナマンが演じているほか、スコット・メスカディ、ハロルド・トレス等が登場。
冒頭、普段着ながら手が血に塗れたキナマン演じる主人公が登場、街中を走り、結果派手なカークラッシュが起きるというアクション作品の導入としては文句なしの仕上がりとなっている。
そのシークエンスで、ブライアンは子どもを殺され、自身も喉を撃たれて瀕死の重傷を負い、一命を取り留めたものの声帯を失い、声が出なくなっているのだが、以降、そんな彼が復讐を果たすべく奮闘するというリベンジものとしては王道の物語となっっている。
そして、本作品のポイントは、主人公が普通のお父さんという設定であることから、復讐日を事件が起きた12月24日に定め、そこに向けて虎視眈々と準備をしていくこと。
そのため、中盤はアイテムを集めたり、筋力トレーニングに励んだりといったシーンに大半が費やされており、これはこれで他にはあまりない展開で面白かったところ。
反面、声が出ないという設定が活きていたかというと正直微妙で、特にそのことが有利になるような場面があるわけでもなく、また声が出ない故に台詞が殆どないため、アクションはそれなりに派手ではあるものの、全体的には淡々としていた印象は拭えない。
クルマ好きの視点からすると、冒頭登場し、派手なクラッシュを起こすのが三菱のランサーエボリューションであったのに加え、主人公がリベンジを果たすために乗り込み、スピンターン等を練習する愛車が、SUVのようにフロントグリルに堅牢なグリルガードを装着したフォード・マスタングであったのは見逃せないポイント。
リベンジ・アクション作品としては過不足ない内容ながら、前述のように、声が出ないという設定が他作品と差別化できたはずなのに活かしきれておらず、絵面にもあまり変化がなかったのが残念であったとともに、スローモーションや長回し等、随所でウー監督らしさは感じられつつも、白い鳩がいつ出るのか気になって、肝心の中身が頭に入ってこなかったのに加え、これは後から気づいたことで、狙ったわけでもないのだが、結果として奇しくも公開日である11日に、ユナイテッド・シネマ阿久比の1番スクリーン、I列11番と、1づくしとなったものの私のナンバーワン作品にはならなかった一作。

最悪のクリスマスだ。

"2022年12月24日…全員、ぶっ殺す…"

ギャングの抗争での撃ち合いに巻き込まれ、最愛の息子を失い、声も失ったブライアン…

どうすることも出来ない悲しみと絶望がブライアンを復讐の鬼へとその姿を変えていく…皆殺しへのカウントダウンが始まる…

何故かこの春の新作は、復讐モノアクションの公開が目白押し…という訳で"春の復讐祭り"を勝手に開催の一本目…

かなり久々のジョン・ウー監督作…ならば鑑賞せねばなりません。

印象的なスロー、二丁拳銃、派手なカースタント、ここぞという時のレザーコートと手榴弾…そして…"鳩？"…

随所にジョン・ウーらしさを押さえつつ、"ジョン・ウイック"シリーズの制作陣との絡みにより新たなアクションを模索しているかのような中々の力作。

主人公が声を失った男という設定で、セリフがほぼゼロ…よって表情や身体を使ってその感情を表現しないといけないという難しい役どころをジョエル・キナマンが熱演しています。

全くの素人がYouTubeで格闘技を会得したり、銃やドライビングをトレーニングし、定めた目標に向けカウントダウンしていく展開なのですが、最初からムキムキ・キナマン、けっこう強い…この辺りはちと頂けない印象でしたが、セリフがない分、アクションに集中出来、またそのアクションが濃い…そんでもって、ラストがしっかりジョン・ウーっぽく切ない…

派手な宣伝がないので、見落としがちな作品ではありますが、案外拾い物の一本かと…

ジョンウー監督最新作。久しぶり。
映画館も久しぶり。最近、週に1回ペースにまで落ち込んでいる。
仕事が忙しくなってきているからか、悔しい。どこかで挽回したい。

ジョエルキナマン。
まだ観れてないけどイカれニコケイの『シンパシーフォーザデビル』とかにも出ていて、最近よくお見かけする。

いわゆる、イケおじ系のカッコ良さ。こういう顔、風体、憧れる。
チェックのネルシャツがなんでこんなにオシャレな着回しに見えるのか、もはや、ズルいレベル。

そのジョエルキナマンを主演に迎え、ジョンウーがノワール系のリベンジアクション、それは観るしかない、と。

この主人公の息子がギャング同士が撃ち合ってる流れ弾で命を落としてしまい、そのギャングを追いかけてる間に自分も喉を撃たれる。
一命は取り留めるものの、“声”を失った男。

息子を失い、声を失い、夢も希望も打ち砕かれ失意のどん底に打ち落とされた彼が、、、復讐に立ち上がる、、、。

、、、と、話は至ってシンプル。
しかも、“声”を失っている分、セリフ、会話が極端に少ない。
彼だけでなく、“声”が出せるはずの周りの面々の“声”も少ない。

だから、他の“音”がとても際立つ。
車のエンジン、銃撃、酒の瓶を持つ音など日常的な“音”でさえも、、、こちらの耳も研ぎ澄まされていくのか。

この辺はとてもジョンウーのこだわりを感じる。
こだわりと言えば、“鳩”はいなかったけど、“インコ”、かな、、、いた。

そして、このバイオレンス感。
最初の手術シーン。そういうシーンや血液が苦手な人、暴動からこれはかなり堪える。

そのシーンから始まり、銃撃戦や格闘、銃撃戦、、、“音”もさることながら、このバイオレンス感。
爽快な疾走感も残してはいるものの、重厚感というか、タフで濃厚。

この主人公が復讐に燃え、計画しながら、孤独に修練を積み、“鬼”と化す。
だけども、素人筋でもあるから、その道のプロのギャングを相手にすればそれなりに反撃にも遭う。

その辺がリアルに描かれていて、この男の“覚悟”がいかなるモノか、、、推して知るべし。

なかなか圧倒的なリベンジアクション、さすが、ジョンウー。

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