ナショナル・シアター・ライブ 2024 「ディア・イングランド」を配信している動画配信サービス

『ナショナル・シアター・ライブ 2024 「ディア・イングランド」』の
動画配信サービス情報をご紹介!視聴する方法はある?

ナショナル・シアター・ライブ 2024 「ディア・イングランド」

ナショナル・シアター・ライブ 2024 「ディア・イングランド」が配信されているサービス一覧

ナショナル・シアター・ライブ 2024 「ディア・イングランド」が配信されていないサービス一覧

Prime Video
U-NEXT
DMM TV
Rakuten TV
FOD
TELASA
Lemino
ABEMA
dアニメストア
Hulu
Netflix
JAIHO
ザ・シネマメンバーズ
WOWOWオンデマンド
アニメタイムズ
Roadstead
J:COM STREAM

ナショナル・シアター・ライブ 2024 「ディア・イングランド」の作品紹介

ナショナル・シアター・ライブ 2024 「ディア・イングランド」のあらすじ

世界にサッカーを広めたイングランドは、その後、手痛い敗戦パターンを繰り返している。なぜイングランド代表は自分たちの試合で勝てないのか?世界最低のペナルティ記録を持つガレス・サウスゲートは、チームと国を約束の地に戻すためには、心を開き、長年の痛手を直視する必要があることを知っていたーー。ナショナル・シアターでの舞台をライブ撮影。ルパート・グールド(『ジュディ 虹の彼方に』)が演出を手がけた話題作。

原題
National Theatre Live: Dear England
製作年
2024年
製作国
イギリス
上映時間
184分

『ナショナル・シアター・ライブ 2024 「ディア・イングランド」』に投稿された感想・評価

桃龍
4.0
英国は、フットボールとシェイクスピアを生んだ。
サッカーを題材にした演劇はたぶん初めてで俺は嬉しい。けど客はまばら。それぞれのファンは重なってないんだろうな。
ナショナル・シアター・ライブはほとんど見ているが、なぜかいつものおばちゃんの解説がなくて寂しい。

イングランド代表は、2014年までのワールドカップで3度のPK戦すべてに敗北し、ユーロでも4度のうち3度敗北していた。
さらに1996年のワールドカップ準決勝の敗因は、この舞台の主人公サウスゲート監督がPKに失敗したからだった。

そういう事実があり、試合全体ではなくPKだけなら舞台化しやすい。題材や設定が絶妙である。
電光ボードの表示は分かりやすいし、決定的な場面での人力ストップモーションは効果的。

イングランドのプレミアリーグと言えば2016年、レスターが創設132年目の大番狂わせで初優勝。それが決まる可能性があった試合を、マンチェスターまで見に行ったことがある。
その年にレスターで大活躍だった岡崎慎司が先月、引退を発表。シンジのガッツが大好きだった。いままでありがとう。
para
4.0
現在のイングランド代表監督に現役代表選手たちを登場人物として、イングランドの文化、風土、笑いそして政治を描き、さらには人間が避けられない不安や恐怖といった感情への向き合い方を我々にも提示してくれる舞台。
イングランドだけにキツイジョークや悪ふざけの応酬満載なのに、品格は保たれている。
サッカー観ている人ならより楽しめるけど、それだけではない。

舞台美術エス・デヴリン
さすが、スタイリッシュでカッコいい。

毎週末プレミアリーグを楽しみにしていることもあり、公開待ち遠しかった作品。
コロナ禍やカタールW杯も描かれ、旬な話題を盛り込んでおり活きの良さを感じる。カタールまで含めたのはレイシズムを描くためだろう。
サウスゲートを筆頭に特にハリー・ケイン(新たなキャプテン像)やピックフォードは似ていて楽しめました。
(ハリー役はとにかく笑いをとっていて、イングランドのユーモア?を受け入れる度量や自虐的笑いに感心)
イングランドはタレント揃っているだけに現在の状況にファンの不満は相当だろうけど、欧州はタレント揃っている国が多いためEUROは楽しみ。
サウスゲートが大好きなマグワイアとヘンダーソンは登場。
サカ、ラッシュ、サンチョはPK戦とその後の物語枠。
そのためベテランでもウォーカーや飛ぶ鳥落とす勢いのライス、ベリンガムやフォーデン※、ジャック※などは登場せず。(※名前だけセリフに登場)

サウスゲート批判ではなく、イングランドサッカー界に新風?を吹き込んだ人物として応援している印象でした。

休憩時間あり
Be you , use your words !

サッカーについては全然詳しくないし、
ましてや、イングランドチームについての知識は皆無と言って良い。

しかしながら、ひさびさのNTlive、演劇大国英国本場の舞台がノーカットで観られる機会ということで、一律3000円のチケットで鑑賞することにした次第。

ナショナル・シアター・ライブ in Japan 2024 第1回目の演目は、シェークスピアやチェーホフといった古典ではなく、昨年初演され好評を博したジェームス・グレアム(1982- )の新作『ディア・イングランド』。

【以下ネタバレ注意⚠️】



2016年、長期低迷に悩んでいたイングランドの男子サッカー代表チームの監督に、1996年の欧州選手権大会の準決勝PK戦でシュートを外した戦犯、ガレス・サウスゲートが就任。
ファンやマスコミの失望をよそに、ガレスは、選手陣とスタッフの刷新から着手。
そして、長年チームを苦しめてきた勝負時における士気低下を克服するため、心理学者のピッパ・グランジ博士を招聘。
最初は、女性であるピッパが練習場に入ることさえ奇異に思われていたのが、彼女の心理療法的なサジェスチョンも功を奏して、2018年のワールドカップ ロシア大会では、ベスト16でのコロンビアとの対戦で、鬼門のPK戦に勝ち星をあげ、準決勝に進出。3位決定戦で惜しくもベルギーに敗退するという好成績をおさめた。
2020年、コロナ禍のなか、ウェンブリー・スタジアムで行われた欧州選手権ロンドン大会では決勝に進出するも、またも常勝のはずの主将ハリー・ケインがPK戦で外し、期待が大きかっただけに失望も大きく、何よりも選手自身が深く傷ついた。
しかし、
「あなたたちが学ばなければいけないのは、勝つことではなくて、いかに負けるか。負けたときに、どう学ぶか、よ」
というピッパの指導で、ガレスや選手たちは次第に自信を取り戻す。
今度こそは、と臨んだ2022年のワールドカップ カタール大会。
準々決勝でフランスに敗退する結果となったが、今度は、未来に向けて希望を語るチームメイトの姿があった。

‥‥という具合に、実在のイングランド代表チームの監督と選手、スタッフらが実名で登場するスポーツドラマである。

いわゆる『がんばれ!ベアーズ』型スポ根物に類型化されることにはなるだろう。

ただ、本作がより「現在的」なのは、ガレス監督の「改革」の最大の主眼が、ピッパ・グランジ博士を招いてのメンタル・ヘルスからのチーム改造にあったことである。
どうすれば、失敗を恐れないようにできるか?
選手相互が信頼しあい、自分がひとりだと思い込まないこと、
などの基本から始まり、SNSを使った発信による自己表現などが推奨されるあたり(ピッパ博士は異論を唱えていたが)、まさに「現在的」だ。

これには、ピッパ博士の助言も大きかったが、ガレス監督本人の哲学がそうさせたと見るべきだ。

冒頭に引用した、
Be you , use your words !
の言葉は、ガレス監督が主将ハリー・ケインに投げかけた言葉なのだから。

やがて、選手たちは、自身が受けてきた人種差別などの「政治的な問題」にも、さらなる批判を覚悟のうえで堂々と発言するようになる。
いつしか、保守的で差別発言を平気でしていたサッカー協会の会長は、そのことを陳謝しつつ責任を取って辞職。
ガレス監督のせいで、すべての選手が政治的な発言をするようになった、とまで揶揄されるようになる。
*このあたり、2021年の東京オリンピックをめぐる経緯についても、我が国でドラマ化すべきではないかと思いながら観ていた。

本作で扱われた3つの大会を経て、優勝こそ逃したが、イングランドチームはすでに長期低迷を脱していた。
何よりも、カタール大会ではベスト8にとどまったものの、最後に、かつては負け試合のあとには付きものだったフーリガンによる乱闘も暴行も起きなかった、という述懐が感動的だ。

ガレス監督は、イングランドチームを変え、そのイングランドチームが、かつては人種差別的で暴力的だったイングランドのサッカーファンを変えたのだから。

NTライブを観ての楽しみの一つは、映画などでお馴染みの俳優たちが舞台で演技する姿を観ることにある。

今回、ガレス監督は、『最後のランナー』『マンデラの名もなき看守』『恋におちたシェークスピア』などに出演のジョゼフ・ファインズ。

ピッパ博士に『つぐない』『ノッティングヒル』などに出演のジーナ・マッキー。

ハリー・マグワイア選手役のアダム・ヒューギルも観たことある顔だ。

ところが、クローリー(ロンドン南部郊外の小都市)出身というガレス監督含めて選手の多くが、「ゲーム」を「ガイム」と発音するような、『マイ・フェア・レディ』のイライザでお馴染みの強烈なコックニー訛り。
ロンドンだからと言って、キングス・イングリッシュで話す御仁はまずいない(ピッパ博士は流石に標準英語のようだったが)。

このためか、ジョゼフ・ファインズが今までの映画での姿とは、まるで別人に見えた。

日本でも方言指導は確かにあるが、イギリスでは身分や出身によって話す英語のあり方が根本的に違うようで、演技者は、そうした言語の違いまで再現しなければならないのかと改めて驚かされた。

ガレス監督とピッパ博士の共同による、選手たちのメンタルヘルス改革だが、前半では、チームの伝統や、イングランド旗への愛着を示すことなどが実践され、サッカー界ではありがちの愛国主義への傾斜が危険だなと思って観ていた。
ところが、選手たちが自分語りを促されるところで、ジャマイカ出身のラヒーム・スターリング選手がイングランド旗を振るファンのなかには黒人を嫌う人もいると告白し、そのことを含めての旗への注目なのだとピッパ博士に諭され、この事実がチームに共有される。
彼は2020年の欧州選手権大会で自分に向けられた人種差別の野次に対して抗議し、選手全員が試合前に片膝をつくことで抗議の意志を訴えたのである。
*やはり、日本でも、大坂なおみのドラマが作られなければならないよなぁ。

映画と違い、演劇の場合、舞台装置含めて、あらゆることが省略され、象徴的に、また俳優の演技の力のみに頼って表現される。

ラヒーム選手に浴びせられた差別的な野次も、その発言者はおろか、その発言自体が省略され、それを受けたラヒーム選手の表情、感情の動きのみによって、いかにそれが酷いものであったかが表現されるのだ。
演じたケル・マツェナの顔がゆがみ、怒りと悲しみに震えるのを観るだけで涙が出てきた。

最後のクライマックスは、いつものんびりした口調で笑いを呼ぶキャプテンのハリー・ケイン選手が、外したことがないPKのシュートを外したショックで泣き崩れるシーン。
スポーツの勝ち負けというものが、勝負どころにおける失敗というものが、いかに選手の内心を深く傷つけるものか、初めて分かった気がした。

ハリー主将の肩をしかと抱きかかえるガレス監督の優しさに、やはり涙を禁じ得なかった。

この他に、コロナ禍におけるスポーツ界の対応、頭ボサボサのジョンソン首相等かなり戯画化されてはいたが政治家やマスコミの対応等、興味深い描写が多かったが割愛する。

最後に、音楽について。
映画だと最近は、必ずエンドクレジットで使用された楽曲名が明記されるので、今回も注目していたが、全く表示されていなかった(と思う)。

そこで、自分なりに調べた結果‥‥

第1幕前半で、場面が変わるごとに流されていた印象的なヴァイオリン曲は、
サン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番の第3楽章のロンド主題。
《参考動画》
サンサーンス ヴァイオリン協奏曲第3番 第3楽章 Saint-Saëns Violin Concerto No. 3 3rd mov.
髙木凜々子 ヴァイオリンチャンネル
2023.6.10
m.youtube.com/watch?v=jwzW1rdmThI
*1:17以降の部分がロンド主題の第1回目

第2幕半ばあたりで流れた、日本の天皇をコミックに扱った『ミカド』で知られるギルバート&サリヴァンの喜歌劇『軍艦ピナフォア』より、「HE IS AN ENGLISHMAN」。
《参考動画》
HE IS AN ENGLISHMAN - Australian version
balancedaustralia
2008.9.10
m.youtube.com/watch?v=z2r9t6l_eE8
*本場イギリスで上演された動画も多いが歌詞の英語字幕が付いているので。
この部分の日本語訳は以下の通り。

甲板長:彼は英国人なり!
    彼そのものが語っている、
    そして彼の信頼は厚きものなり、
    彼は英国人である …
    見よ我を/彼を!
全員: 彼は英国人である!
甲板長:彼はロシア人であったかもしれない、
    フランス人、あるいはトルコ人、
    あるいはプロシア人、
    もしかしてイタリア人!
全員: もしかしてイタリア人!
甲板長:しかしどんな誘惑があろうと
    他国の民に属するようにと、
    彼は常に英国人である!
全員: しかしあらゆる誘惑が...etc.

[出典]
H.M.S. PINAFORE
or The Lass That Loved a Sailor - Act II
(軍艦ピナフォア または 水兵に恋した娘:第二幕)
英国のコミックオペラ「軍艦ピナフォア」(1878) 台本の訳
jazzsong.la.coocan.jp/hms_pf_2.html
*ただし、一部訂正して引用

この曲、浅草オペラ時代は、日本でも上演されてたんですが、オペラと言えばドイツとイタリア中心の日本の音楽アカデミズムが支配的になってからはさっぱり演奏されなくなりました。
要は、出自を超えて、みんなイングランドの男子だぞ、ってことで、この曲が流れるだけでイギリス人は本作の言いたいことをすぐに了解できたはずなのです。

以上、今年初のNTライブ鑑賞の報告でした。

ではまた!

『ナショナル・シアター・ライブ 2024 「ディア・イングランド」』に似ている作品

ブレグジット EU離脱

製作国:

上映時間:

94分

ジャンル:

3.6

あらすじ

2016年。政治戦略家ドミニク・カミングスは、EU離脱国民投票に向けて、イギリス独立党のロビイストから離脱派の選挙参謀になるよう依頼される。依頼を受けた彼は、データアナリストの協力のもと、…

>>続きを読む

氷上の王、ジョン・カリー

上映日:

2019年05月31日

製作国:

上映時間:

89分
3.6

あらすじ

アイススケートをメジャースポーツへと押し上げ、さらに芸術の領域にまで昇華させた伝説の英国人スケーター、ジョン・カリー。彼はバレエのメソッドを取り入れた演技で、1976年インスブルック冬季五…

>>続きを読む

GIANTS THE MOVIE ~頂点への挑戦~

上映日:

2025年01月24日

製作国:

上映時間:

90分

ジャンル:

配給:

  • アスミック・エース
3.9

ディエゴ・マラドーナ 二つの顔

上映日:

2021年02月05日

製作国:

上映時間:

130分
3.7

あらすじ

1984年、世界的な人気を誇るアルゼンチン出身のサッカー選手ディエゴ・マラドーナは、熱狂的な観客が集うイタリア南部の弱小チームSSCナポリに移籍する。フィールドでは“神の手”“5人抜き”で…

>>続きを読む