明治末期。北アルプスの山々に囲まれた地で育った青年・瀧井孝作は、父親の事業が失敗し丁稚奉公に出され、窮屈な日々を過ごしていた。幼い頃に兄や母を亡くし、寂しい孝作の拠り所は俳句に没頭すること。そんなある日、西洋料理屋の女中・玉と出会う。美しい年上の女性の魅力に孝作は惹かれていく。 “堤長き 並松月夜 涼み行く” 孝作は、心からの玉への気持ちを句にしたためた。玉との距離が縮まったと思っていた孝作だったが、次第に玉の言動や噂から不信が募っていく。そんな折、玉と訪れた店で三味線芸者の鶴昇(加藤菊)と出会う。鶴昇の端麗でどこか悲しげな姿に心奪われ、玉が孝作の元から去った後、鶴昇にのめり込み始める。今までにない感情に翻弄される孝作は、次第に俳句からも遠ざかってしまう——。
永井荷風は妻も取らず女道楽を続けていたが、58歳を迎え、色欲の衰えとともに創作意欲が減衰していくのを感じていた。そんななか、荷風はお雪という娼婦に出会い足しげく通うように。創作意欲を取り戻…
>>続きを読むあと半年の命──雪深い山陰の温泉町、湯の里で、数人の芸者を抱えた置屋“はる家”を営む夢千代は、長年、原爆症に苦しんでいた。その夢千代が、白血病と診断を受けて、失意のうちに病院からの帰途、列…
>>続きを読む隠居生活にも慣れ、日々の暮らしを楽しみはじめた清左衛門(北大路欣也)は、幼き頃からの友・大塚平八から家老への仲介を頼まれる。また、零落してしまった旧友、金井奥之助とも偶然に再会し、磯釣りに…
>>続きを読む『望郷』(1982)、『桃さんのしあわせ』(2011)などの名匠アン・ホイが、中国語圏で人気が再燃している「民国四大才女」とも呼ばれた女性作家シャオ・ホン(蕭紅)の31年の生涯を描いた大作…
>>続きを読む信州に生まれ育った中山晋平(中村橋之助)は、少年時代に見た旅楽団のジンタに魅せられ、音楽の道に進むことを夢見る。18 歳の時に、早稲田大学教授・島村抱月(緒形直人)の書生になる機会を得て、…
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